著者 : 菊石まれほ
令状のない電索の咎で謹慎処分を受けたエチカ。しかしトールボットが存在を明かした「同盟」への関与が疑われる人物の、相次ぐ急死が発覚。検出されたキメラウイルスの出所を探るため、急遽捜査に加わることにーー。 序章 岐路 第一章 六つの沈黙 第二章 謀略 第三章 反攻 第四章 破滅の盟約 終章 ハングアップ
ーいつか私の「秘密」が公になったとしても、どうかかばわないで下さい。敬愛規律の「秘密」を頑なに守るエチカと、彼女を共犯にしたくないハロルド。対話を避ける二人の溝は深まっていた。そんな中、解読が続けられていた謎のAI「トスティ」が、ドバイの技術研究都市「ファラーシャ・アイランド」で開発された可能性が浮上する。所有者の人格を反映した分身アミクス「Ego」が浸透する都市への潜入捜査は、その環境の特殊さから困難を極める。研究都市に住む天才少年・ユーヌスの協力もあり、徐々に真相に近づくエチカたちだが、同行していたビガの身に異変がおこってー。エチカとハロルドが出会ってから一年、彼らの長い冬が、また始まる。
電子犯罪捜査局を標的とした一連の事件の首謀者とされたAI「トスティ」。しかしその開発者は世界のどこにも実在しない人物だった。開発者の正体を探すエチカとハロルド。ハッカーから足を洗ったビガも本格的に捜査に加わるが、一向に足取りを掴むことができない。そんな中、アミクスを狙った殺傷事件が発生。その手口は、かつてハロルドの恩師ソゾンが惨殺された「ペテルブルクの悪夢」と酷似していてー。「今度こそ、私が終わらせなければ」平静を失ったハロルドの姿に、不安を隠せないエチカ。彼女の声は、贖罪に燃えるハロルドの心に届くのかー。第27回電撃小説大賞“大賞”受賞の本格SFクライムドラマ、核心に迫る第4弾!
ーあの日、自分は選択を間違えた。エチカ自らの意思で抱えた、ハロルドの敬愛規律にまつわる秘密。その重圧からか、電索能力が突如急低下してしまう。電索官としての復帰が絶望的な状況の中、一般捜査官として新事件の捜査に臨むエチカ。そこで目にしたのは、新たな「天才」と組むハロルドの姿でー。二人が別々の場所で追うのは、「思考を覗ける人間」を自称するハッカー“E”。ネット掲示板に国際刑事警察機構の秘匿事項を次々書き込み、“真実を追求せよ”とユーザーを扇動する“E”の真の標的とはー!?哀切怒涛のSFクライムドラマ、第3弾開幕!!
再び電索官として。歩み出したエチカに新たな事件が立ちはだかる。RFモデル関係者連続襲撃事件ー被害者の証言から容疑者として浮上したのは、他ならぬ“相棒”ハロルドの名前だった。「きみの思考に入り込めたらいいのに」「あなたに潜れたらどんなにいいか」ままならない状況に焦るほど、浮き彫りになる“人”と“機械”の絶対的違い。埋められない溝に苦しみながらも捜査を続ける二人を待ち受ける衝撃の真相、そしてエチカが迫られる苦渋の選択とはー!第27回電撃大賞“大賞”受賞のSFクライムドラマ。哀切怒涛の第2弾開幕!!
脳の縫い糸ー通称“ユア・フォルマ”ウイルス性脳炎の流行から人々を救った医療技術は、日常に不可欠な情報端末へと進化をとげた。縫い糸は全てを記録する。視覚、聴覚、そして感情までも。そんな記録にダイブし、重大事件解決の糸口を探るのが、電索官・エチカの仕事だ。電索能力が釣り合わない同僚の脳を焼き切っては、病院送りにしてばかりのエチカにあてがわれた新しい相棒ハロルドは、ヒト型ロボット“アミクス”だった。過去のトラウマからアミクスを嫌うエチカと、構わず距離を詰めるハロルド。稀代の凸凹バディが、世界を襲う電子犯罪に挑む!第27回電撃小説大賞“大賞”受賞のSFクライムドラマ、堂々開幕!!