著者 : 西塔鼎
黒河スヴェトラーナは品行方正、成績優秀なスーパー委員長である。そして数年ぶりに再会した俺の幼馴染でもある。 だが、そんな一見完璧に見える黒河には“ある”秘密がーー。 「たっくん、いる! たぶんなんかいるよぉーーぴぎゃあぁあぁあ」 実は彼女は夜に一人でトイレに行けないほど、ビビりだったのだ! 黒河の親の海外転勤をきっかけに同棲をすることになった俺は、彼女の弱点を克服するため協力することになりーー。 「ねぇ、たっくん。……一人じゃ怖いから一緒に寝ない?」 おいおい、大丈夫か俺の高校生活!?
離屋クオン。財閥令嬢で北欧系のハーフ。そして11歳にして日本の高校に転入してきた飛び級才女。 彼女は、ある先輩に恋をした。 彼の名は不動玄鉄。文芸部所属で趣味は読書。だがバトル漫画の強キャラの如き強面で、付近に誰も寄せ付けない。 クオンの告白に、玄鉄は若気の至りだと……すぐ気持ちが冷めるだろうと考え引き受けてしまうのだったが……。 しかし、クオンは「ガチ」だった! 創作物でまたたく間に「アッチの知識」まで身につけ、玄鉄を籠絡しようとするクオン! 年齢と条例を理由に清い交際で止めようとする玄鉄! 勝負の1週間が、今始まるーー!
少年兵レンカはその日、奇跡を見た。 それは、春にーー四月に降る雪。血みどろの最前線に降り、あらゆる敵を凍てつかせる雪。 その奇跡を起こした少女は、こう呼ばれていた。『氷棺(ひつぎ)の聖女』とーー。 レンカと少女はふとしたことから出会う。移ろいゆく戦局の、その束の間に訪れた平穏な日々。二人は少しずつ、その距離を縮めていく。 だが、彼らは忘れていた。 少年が「ただの兵士」であることを。 少女が「絶対の兵器」であることを。 これは愚かな少年と、幸せではない少女の出会いと、そして、別れの物語。
日常は少しずつ、ただ破滅へと進んでいく……。 「連邦」と「帝政圏」の戦争。泥沼化した戦局を打破するため、「連邦」側はある禁忌に手を染めた。 生み出されたモノの名は、『聖女』。 短命という代償と引き換えに強力な異能を保有する少女型人工生命体。 しかし長い闘争が両国に大きな疲弊を生み、無し崩し的な終戦が見え始めると、彼女たちの本格的な投入は見送られーーついには『箱庭』と呼ばれた秘匿訓練施設ごと抹消、闇に葬られようとしていた。 調律官ーー『聖女』たちの体調管理を目的とした医官ーーとして赴任した“私”の視点から、少女たちの「最期」の日々を綴るファンタジー・ドキュメント。
人類の医学をもって、『人ならざる者たち』を治(なお)せ! 前代未聞の『医療』ノベル登場! 医療。命あるものが健やかに生活するための、極めて重要な役割。それは、急に『人ならざる者』が現れて、人類と共同生活をはじめても、変わることはありませんでした。むしろ、医療という概念が希薄な彼らは、積極的に人間のお医者さんを利用するようになったのです……。 わたし、新人医師の伊佐奈詠(いさなよみ)が配属された診療科には、そんな"人でないひとたち"が次々とやってきます。立ちくらみがするという吸血鬼や、夢魔の癖に不眠症という矛盾に満ちた夢魔。あるときは医師に非協力的な天狗をなだめたりするーー非常にこう、カオスな日々を過ごしてます。 わたしに、指導医の空騎(うつろぎ)先生と、看護師のあきみさん。この3人で、よくわからないひとたちのよくわからない症状を、人類の医学を使って解決する。このお話は、そんな物語です。
二度と"大戦争"を起こさぬためーー姫君と家臣たちは戦場を征く!! 「さあーー戦争を、殺すわよ!」 戦車と魔術師が戦争の趨勢を決める時代。2大大国に挟まれる形で中立を維持する国家『スヴァイゼ』の姫君・イーリスは、秘密裏に私兵部隊を組織する。全ては、過去に起こった悲惨な戦争を回避するためーー!! 優秀な戦車操手兼メイド、神速の技を振るう魔法騎士、腕利きの潜入工作員……あらゆるスペシャリストを集めた彼女から最後に声をかけられたのは、片田舎で料理人をしていた訳アリな元兵士の青年で……? 戦車砲が叫び、魔法騎士の剣閃が煌く、「戦争を殺す」者達のファンタジー戦記!