著者 : 長月東葭
過酷な戦いを乗り越え、覚醒現実で居場所を手に入れたトウヤ。メイアにも人らしい感情が芽生えはじめ、全ては順調かに思われた。しかし平穏も束の間、トウヤの貘としての力が失われてしまう。一方、市内では四年前にトウヤの家族を奪った“礼佳弐号事件”と似た怪死事件が発生。容疑者として浮上した伽世ゲインという謎の男を調べる内に、メイア達が巨大な陰謀に巻き込まれてしまう。再び大切なものを奪われ、選択を迫られるトウヤ。やがて、夢と現実の境界に全ての因縁が収束する時、トウヤは最後の敵と相見えることになるー。
顎の獣との死闘から一ケ月。傷が癒えたトウヤたちは、悪夢から人々を救うべく“貘”として再始動しようとしていた。一方のメイアは、覚醒現実の中で生きる意味を求め一人闇の中を彷徨う。そんな中、悪夢を操る謎の犯罪組織アトリエ・サンドマンからの襲撃予告を受け、トウヤたちは英国の要人・ミスターFの護衛任務に就くことに。そこで出会うFの一人娘・ユリーカ。彼女の秘めたる“願い”はトウヤとメイアを巻き込み、やがて新たな悪夢を喚び起こす。少女の願いと陰謀渦巻く一夏の戦いーSF異能ダークバトル第二幕!
電子に代わり夢を媒体とする通信技術が発展した現代。共有された夢の中、人々は睡眠時でさえ経済活動に明け暮れていた。夢に侵入し精神を破壊する悪性因子、“悪夢”…それを武力で制圧することを生業とする者たちがいた。彼らは夢を喰らう幻獣になぞらえ、“貘”と呼ばれていた。高校生にして“貘”の少年、瑠岬トウヤはある日、車椅子に乗った“魔女”と出会う。悪夢を狩る少年と、少女の願いが交錯するとき、災害とまで呼ばしめる悪夢、“獣の夢”が目を覚ます。-その意志が世界を歪める、SF異能ダークバトル開幕!第15回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作品。