龍に恋う 六 贄の乙女の幸福な身の上(6)
■□■ 大重版が続く超人気シリーズ、待望の6巻! ■□■
珠(たま)を守るため自らを封じた銀市(ぎんいち)。彼を救うべく、珠は命を賭けて封印に入り込む。刻限は彼女を守る"髪飾り"の牡丹の花が散りきるまでーー。
しかし、封印の中で再会した銀市は記憶を失い、珠を「知らない」と言い放つ。珠はそこで、人を拒絶していた遠い過去の銀市を知ることに。それでも一心に彼のことを想い……。一方の銀市も、見知らぬはずの少女・珠に記憶を揺さぶられ、どうしようもなく彼女に心寄せてしまう己に戸惑っていた。
刻々と時が迫るなか、封印の内側では、銀市の人生の岐路(きろ)となった江戸の大火事件が再現され……?
■□■ 登場人物紹介 ■□■
上古 珠(かみこ たま)--数えで16歳となる小柄な少女。銀市に助けられ、雇用される。
古瀬銀市 (ふるせぎんいち)--外見は20代後半の青年。寒空に放り出された珠を拾い、見守る。
瑠璃子(るりこ)--ボブカットの美女。カフェーで働いているモダンガールだが、その正体は……。
御堂智弘(みどうともひろ)--眼鏡をした、三十代半ばの黒髪黒目の軍人。銀市と付き合いがあるようなのだが……。
序章 哀切乙女のできること
第一章 春愁乙女と龍の邂逅
第二章 清夏乙女と夜花火の哀惜
第三章 乙女、秋立つ
第四章 牡丹乙女はほころぶ
終章 乙女と龍の春隣
あとがき
関連ラノベ
珠は窮地を救ってくれた男・銀市の店で健気に勤めている。ある偶然から、珠は以前の勤め先の華族令嬢と再会。友人と呼べる初めての関係に戸惑いながらも、珠は令嬢を通じて少女の“普通の幸せ”を知っていく。銀市はそんな少女を優しく見守り、ときに助言し、彼女の成長に寄り添っていた。しかし朗らかに見えた令嬢も、華族の娘ならではの哀しさと決意を抱えていた。友人として彼女を助けたいと願う珠に、銀市はー。同時に、華族子弟にまつわる“人ならざる者”の事件の裏で、銀市の過去に関わる闇がうごめき…。 2021/04/15 発売
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