龍に恋う 七 贄の乙女の幸福な身の上(7)
力の暴走を抑えるため自らを掛軸の中に封じた銀市が、珠の尽力によって帰って来たのが去年の暮れのこと。
激動の年が明け、銀古も日常を取り戻した頃、珠は銀市から「故郷を探し、父に会おうと思う」と打ち明けられる。自らの過去と向き合おうとする銀市の覚悟を受け止めた珠は、ともに彼の故郷を探すため、雪深い信州へ足を運ぶことに。
初めての蒸気機関車、初めての旅館。慣れないもてなしに戸惑ったりしながらも、銀市との遠出に心躍らせる珠。
そんな中、一連の騒動の原因であるアダムが、突如二人の前に姿を現す。
掛軸の中の世界で、二人の決別の原因となった大火事件の真相を知った珠は、銀市とアダムの間の誤解を解くためにある提案を持ち出してーー?
人と妖がともに生きる未来のためにーー
波乱の「半妖編」、ついに完結!
序章 旅立ち乙女と雪景色
第一章 徒然乙女と運命のいたずら
第二章 氷走乙女と名残雪
第三章 遊山乙女とつかの間の夢
第四章 初祝乙女と星月夜
第五章 乙女と悪魔と因果の末
終章 龍は乙女に希う
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