七月の蝉と、八日目の空 -晴れ、ときどき風そよぐ季の約束ー
中学三年の夏休み。初花晴は脚の負傷で大好きなバスケットボールを遠ざけ、地方にある祖父母の家に兄とともに滞在している。祖母ハルの勧めで、近くの山にある祠に兄とお参りに出かけると、その道中、森の中に広がる池の前にしゃがみ込む、華奢な金髪の少女と出会う。無表情で「自分の名前を知らない」「死にたい」とつぶやく少女を晴は説得。一週間だけ生きてみることにした少女をセミちゃんと名付けて友達になろうとする。しかし、セミちゃんの姿を見ることができるのは晴だけで、兄たちはまったく見えないという。記憶がまるでないようすのセミちゃんを放っておけない晴は、祖父母の家に招いて一緒に暮らし、寄り添うことにするがー!?