月とライカと吸血姫(4)
宇宙開発が行き詰まるなか開催された万国博覧会。広報を務めるバートとカイエは『宇宙の平和利用に関するカンファレンス』への参加を要請される。そして、そこに共和国の英雄二人も急遽登壇することに。憧れの二人との対面や近未来的なパビリオンに興奮する一方ー「もはや核戦争は避けられません。ならば、先にしかけるべきです」世界が未曾有の危機を迎えようとするいま、二大国の若者たちは何を想い語るのか。これは、宙に焦がれた人と吸血鬼が目指す、三十八万キロという途方もない旅への序章。宙と青春の物語第四幕。
関連ラノベ
いまだ有人宇宙飛行が成功していなかった時代。ツィルニトラ共和国連邦の最高指導者は、人間をロケットで宇宙に送り込む計画を発令。その裏では、実験飛行に人間の身代わりとして吸血鬼を使う『ノスフェラトゥ計画』が進行していた。閉鎖都市で訓練に励む宇宙飛行士候補生のレフは、実験台に選ばれた吸血鬼の少女、イリナの監視係を命じられることになる。上層部のエゴや時代の波に翻弄されながらも、ふたりは命懸けで遙か宇宙を目指す。宇宙に焦がれた青年と吸血鬼の少女が紡ぐ、宙と青春のコスモノーツグラフィティ。 2016/12/20 発売
『ノスフェラトゥ計画』の一件を評価されたレフは、実験体の吸血鬼イリナを監視する任務から解かれ、晴れて宇宙飛行士候補生に復帰。「人類史上初の宇宙飛行士」の座をかけた選抜試験に挑み、ライバル達と鎬を削る。一方、イリナに不穏な空気が忍び寄る。「実験体は用済みだろう。廃棄処分を」。昼と夜、すれ違うふたりの運命は。-宇宙開発の黎明期であり、最前線。様々な思惑に翻弄されながらも、命懸けで遙か宇宙を志すふたりがいた。宇宙に焦がれた青年と吸血鬼の少女が紡ぐ、宙と青春のコスモノーツグラフィティ第二幕。 2017/04/18 発売
有人宇宙飛行で共和国に敗北を喫した連合王国は、名誉挽回のための新計画『アーナック・ワン』を始動。民族融和と科学技術大国推進を打ち出す広報プロジェクトだ。新人技術者のバートは王国初の宇宙飛行士の弟であることを理由に、広告塔へ選出されてしまう。パートナーは吸血鬼の末裔、カイエ。バートは不慣れな業務をカイエとともにする中で、彼女の秘めたる想いを知っていく。「私は月なんて大嫌い」。-これは華々しい宇宙飛行の裏側に存在した、語られることなき地上の星々へ送る英雄譚。宙と青春の物語、連合王国編始動。 2018/02/20 発売
共和国の宇宙開発が停滞し、上層部の人命軽視と隠蔽体質が現場に重くのしかかる。一方、連合王国は資金力と組織力を武器に目覚ましい成果を上げ続けていた。そんな中、レフの同期であるミハイルとローザが結婚するという知らせが飛び込む。しかしそれは、政府によって仕組みまれた強制結婚。憤るレフとイリナだが、その先に『史上初の悲劇』が待ち受けていて…。これは、世界が東西に二分され、月を目指し争っていた時代の物語。その表と裏の歴史に、宇宙に焦がれた人と吸血鬼がいた。宙と青春の物語、新章『月面着陸計画編』始動。 2019/08/21 発売
停滞気味の共和国宇宙開発計画。それを隠蔽したい政府による無理な有人宇宙飛行計画が、ミハイルを殺した。怒りに震えるレフたちが取った行動は、かつてコローヴィンが極秘に記した、月着陸への共和国と連合王国による共同計画を、世界向けて非合法に「暴露」すること。思惑通りゲルギエフは連合王国との月着陸共同計画を宣言、ついに月への道は開かれた。そしてANSAでの飛行訓練のために連合王国へ渡ったレフとイリナたちを迎えるのは、宇宙飛行士たちの厳しい洗礼!偉大なるクライマックスへ、「月面着陸編」上巻ついに完成! 2021/03/18 発売