出版社 : 主婦の友社
ソフィアを盟主としたバールクス王国解放戦争は無事に勝利に終わった。いよいよ間近に迫った魔王との最終決戦に向けて作戦を練っていると、精霊コロナから、地底に未知の力が存在しているという報告を受ける。その力によって大陸が滅びることを危惧したルオンは、コロナの力を借りて地底の力の正体を確かめることにしたのだが、そこで不思議な人影を発見する。その人影はルオン達の前に姿を現すと、自らを「賢者」と名乗った。驚くルオン達に賢者が語ったのは、この世界の真実。ルオンがゲームの世界に転生した本当の理由だったーー。
暴動を起こしかけたウ・ヨーリ教徒を見た王家は、リョウの影響力を利用するために、ヘンリー王子の婚約者となるように命令した。魔法使い以外の人間を人間とも思わないゲス王子との婚約に不安を抱いたリョウだったが、家畜扱いが逆に幸いして、貞操の危機を脱することに。そしてリョウは王族としての立場を使って、たくましく活動し始める。国政に口が出せるように評議会入りを目指すのだが、非魔法使いの立場は微妙なもので、もどかしい日々を送る。そんな中、とうとうヘンリーとの婚約式の日が訪れる。美しいドレスで着飾り民衆の前に立つと、集まった人々は歓喜の声をあげて大騒ぎ。その様子を見て、やはり家畜だと見下すヘンリーに、彼らも同じ人間なのだと諭すのだがーー。
冥界竜との戦闘で魔力を使い果たしたアルは一時昏睡状態に陥っていたが、なんとか意識を取り戻した。サティエラとカイスルたちのパーティー、そしてフュウと共に、戦いで傷ついた体を癒すことに専念する。やがて戦後の処理をしながら完全回復したアルは、孤児院を訪問した際に、シスターからアルの父親が残していった手紙を受け取る。そこに書かれていたのは、もしも自分がいなくなっていたら水面下で進めていたことの後を継いでほしいということ。そしてこの世界を旅して見て回ってほしいという内容だった。手紙を読んだアルは、カイスルたちと共にレーベンの街を旅立っていくのだがーー。
アルトゥーリア城に囚われたアーリウスを助けるため、「傭兵」としてのタブーを破り、革命を起こしたガングレイブ傭兵団。シュリは周囲の惨状を見て、自分がガングレイブを焚きつけたせいだと自責するが、いつまでも足手まといでいられないと、炊き出しをして革命兵の英気を養うことに専念する。リルは盗まれた資料を取り戻すために魔工研究所に向かい、ガングレイブは王城を目指して一直線に突き進む。それぞれが己の役割を果たしていき、遂にガングレイブは遂に王城に辿り着く。しかし、フリュードが待つであろう謁見の間に踏み込むと、そこにはアルトゥーリア王が血まみれで倒れていてーー。
使節団としてランレオ王国に滞在することになったマリウスたち。魔法に興味津々なバーラは、「マリウスに弟子入りしたい」と衝撃的な提案をする。マリウスは一国の王女が他国の人間に弟子入りできるのかと悩むが、予想に反してランレオ国王はバーラの弟子入りを認め、マリウスとバーラは弟子入りの儀を行った。マジックアイテムの共同開発や、転移魔法の報酬などを取り決めつつ、息抜きにランレオ王都を観光して、他国での時間を過ごしていく。しかしある日、アネットが何かが目覚めたような気配を察知したと言いー。
ポーンソニア王国の跡目争いに決着をつけたヒカルは、王都の衛星都市ポーンドに戻っていた。騒動の最中でヒカルが「シルバーフェイス」であると気づいたギルドマスターのウンケンは、ある意味命の恩人のヒカルのために、持てる技術の全てを教え、修行をつけることで恩返しに変えた。そしてウンケンの指導の「卒業試験」としてヒカルに告げられたのは、ダンジョンにて実践を積むことだった。一方、ジルアーテもまた、アインビスト連合の盟主ゲルハルトからとある「試験」を伝えられる。それは聖ビオス教導国にあるダンジョン『魔錠の迷宮』に存在する水の精霊魔法石を取ってくるというもの。水が貴重なアインビストでは大きな利益となり、ジルアーテの実力を知らしめることができる。偶然か運命か、ヒカルとジルアーテは再び同じダンジョンに集うことになりーー。
アバンシア迷宮を攻略したルードは街の管理に追われていた。迷宮の発見で急激に人が増えたアバンシアの街では、冒険者たちが滞在する環境が整っておらず、あちこちでトラブルが起きてしまっていた。そんな中、ルードをさらに悩ませていたのは守護者マリウスの存在だった。何故か仲間として加わったマリウスは、ルードに迷宮の管理を手伝ってほしいと言い、毎日のようにクランハウスに押しかけてくる。代わりにクランの運営を手伝ってもらうことで話をつけ、迷宮の管理部屋に行くと、そこではなんと迷宮の魔物を作り出せるようでーー。
ドゥゼ村の秘密を解き明かし、村に結界を貼り直したエルザ。今後はラグの木だけではなくきちんとした食事がとれるようにと、村の改革を進めていく。変わっていく生活に不安を抱いたイルクと衝突したり、不思議な猫と遭遇したりとトラブルもありつつ、いつかお店を開くという夢のため、エルザはスレイマンに協力してもらいながら猪突猛進に料理を作っていく。そんなある日、村に長寿種の男たちが現れる。結界を張った聖女に用事があるということで話を聞くと、かつて泥に飲み込まれてしまった土地を取り戻したいのだと頼まれる。自分にできるのならば協力しようと、エルザはスレイマンとバーニャとともに、ドゥゼ村を発つのだがーー。
闇の精霊シェイドに衝撃的な話を聞かされた太一は、残りのエレメンタルとの契約を進めようと決める。そんな折、シルフィとミィから「水の大精霊ウンディーネがSOSを出している」と聞かされ、一行は北の国・シカトリス皇国へと向かう。皇国に到着して宿をとった直後、空気を震わす凄まじい轟音と、衝撃が走る。すぐに現場に向かった太一が見たのは、三つ首の竜と、長大な蛇のような竜が、魔力の波動を輝かせて激しくぶつかり合う光景だった。街への被害を食い止めた太一は、報告のために国王イルージアと面会する。そこでイルージアが太一に告げたのは、暴れる竜を鎮めてほしいという依頼だった。
銀翼騎士団長のフェリクスは、幻影魔導師のシルルカと騎士見習の少女リタとともに、地方を回って竜魔人の残党を追っていた。暗躍する竜魔人の狙いは大精霊かもしれない、という推測を聞いたフェリクスは風の大精霊が住むシルフ精霊域へと向かうことになる。精霊と対話するために、花精人のキララを加え、一行は山頂の街に辿り着く。天空に浮かぶ精霊殿は、結婚式などの祝い事の際にしか立ち入れないらしく、参列者として紛れ込もうとするのだがーー。
おじいちゃんの石窯の向こうはブーランジェリー松尾のオーブンの中だった。鬼の操る暗闇の獣から逃れ、サトコは母、そしてマーロウと再会する。皆の安否が気になって仕方ないサトコを母はそっとたしなめる。だからといって、このままになんかできやしない。サトコが向かった先は竜巻山。そこにいたのは石窯ではぐれたコズサ姫と、大魔法使いハーロウだった。マーロウの実兄であり、姫を子どもに変えた“悪の魔法使い”だ。見守るサトコの前で『あの日あの夜』の出来事が語られる。ハーロウが姫に魔法をかけたその理由、それを解くための鍵。敵か味方か判然としない魔法使いに、コズサ姫は要求をつきつけるのだがー。
チョーカとの戦争から一年と少し過ぎた後。アーネルから支払われた莫大な金額とミレイユ達の手伝いもあり、自治区となったウォルでの生活はようやく安定しつつあった。しかし、ウォルでの生活を続けていくためには無視できない問題もある。チョーカ北西部に広がる大森林、通称『はぐれ水竜の巣』。そこは群れからはぐれた竜が占拠しており、周囲の国にとってはいつ竜が暴れるかわからない火薬庫のような場所だった。ソーマは「当代の水の大精霊」として、水竜シズイとその恋人サラスナを森から移動させるため、交渉に向かうのだがーー。
法王庁の陰謀とヒトと運命をもねじ曲げる“ちから”の存在について知ったアシュレは、ともに戦った仲間とイリスを守るため、カテル島に身を寄せていた。数奇な運命に翻弄された旅路の傷と疲れを、シオンとイリスのふたりとともに隠れ家で癒やす日々。奇跡的な生還から、アシュレは本当の英雄への階段を昇り始めようとしていた。そんな中、イリスが体調を大きく崩した。その原因がイリスが懐胎した「“ねがいの仔”」にあることを、シオンは見抜いていた。イリスが宿した存在は、あの日、廃王国の底で降臨した「ヒトならざるなにか」なのだと。一刻の猶予も許されぬ状況に、アシュレは決断をしなければならなかった。いまイリスの胎内に宿るものを、この世界に出現させてしまってよいものかどうかー。
「師匠」に育てられながら、十年間格闘術の鍛錬に励んだ少年ジェセットは、十五歳になっても師匠に一撃も与えられないダメ弟子として、ある日突然、破門を宣告されてしまう。仕方なく師匠の元を去ることになったジェセットは道中で遭遇したドラゴンモドキを倒しながら、王都へとたどり着いた。いつか師匠に一発見舞ってやると誓い、強くなるための修行を続けようと考えていると、ちょうど王都で武闘会が開催されることを知る。ジェセットも参加しようとするのだが、周囲から子供だとバカにされ、取り合ってもらえない。しかしそこに、騒ぎを聞きつけた王女アラニスが現れてー。
山猫傭兵団の戦力増強のためにウルズバールの地へ向かったウィラード。かつての知り合いであるヒルシャーンを説得し、馬と部族の若者たちを仲間に加えてビムラへと帰国することになった。しかし、想定よりも人数が膨れ上がったことにより、ウィラード一行の戦力はもはや、軍と言っても差し支えないほどになっていた。ビムラに帰るまでにはいくつかの国を通過しなければならずネ国境の関所に見とがめられ、通行を拒否されてしまう。融通の効かない相手に焦れたウィラードたちは腕試しとばかりに強行突破を計画しー。
ウィンター・ローゼに到着した第六皇女ヴィクトリアは、魔術を存分に使って温泉掘削をしたり、次々に新しいアイデアを出したりと、辺境開拓を進めていた。このまま順調に計画が進むかと思っていたが、その矢先、とある残酷な事件が起きてしまう。その事件を聞いたヴィクトリアは、街を発展させていくためには娼館が必要なのではないか、と思い至り、アレクシスには内緒で娼館設立のために動き始める。しかし、単身で娼館街に向かったことを知ったアレクシスは、危険なことをしないでくれとヴィクトリアに怒ってしまう。二人は初めての衝突を迎えるのだがーー。
海水浴から王都に帰ってきたツカサたちは、貴族街がやけに静かなことに違和感を覚える。その翌日、ツカサの元に診察の依頼が入り、患者を鑑定すると症状の欄に「硬直」の文字があった。足に切り傷があり、貴族街で何かを踏んだかもしれない、という証言をもとに貴族街で原因を探すのだが、見つからない。違うところを探してみようと思い貧困街に向かうと、最近体調を崩している人が多いという話を耳にする。そこで体調不良の人を鑑定してみると、なんとその人物も「硬直」が始まっているようでーー。
リオンは剣術も魔法も治癒も一人でできる万能の勇者だった。そのためパーティを組まずに、たった一人で魔王を撃破してしまう。しかし、魔王が死ぬ直前に強力な呪いをかけられてしまい、一人であったことが災いして、そのまま命を落としてしまう。時は流れ、あるところにリオンという内気な貴族の少年がいた。気弱なリオンは傲慢な兄にこき使われる日々を送っていたが、ある日森でオーガに襲われた際に、前世の記憶を思い出す。それは、自分が勇者リオンであった記憶。前世の記憶を取り戻したリオンは、魔王のいない今世では自由気ままに生きようと思い、飼っていたスライムのスーラを連れて実家を出て旅に出る。最強勇者の悠々自適な冒険の旅がいま始まる!
聖騎士:アシュレたち一行は、荒廃した王国をあとに青く輝く海の向こう、カテル島を目指していた。法王庁の追及を逃れるための逃避行。それは聖騎士の資格を失い、家門が取り潰されかねない苦渋の選択だった。それでも、信じた仲間たちのため、アシュレは一歩を踏み出す。だが、その直後、激戦の傷と疲れから意識を失い倒れ込んでしまう。そして、ふたたび目を覚ましたとき、そこに待ち受けていたのは想像を絶する光景だったー。
ファタルに到着したサトコたち。先代様の「狩りの城」での、新しい生活が始まった。厨房にでんと鎮座するのは、おじいちゃんの立派な石窯だ。生地を手で捏ね、薪を燃やして、サトコとコジマは石窯でのパン作りに挑戦する。一方、近衛士たちは旅で負った傷がまだ癒えない。とくにアルゴは重傷で昏睡洗態、コズサ姫は一睡もせずにつきっきり。様子を見に行ったサトコは、そこで姫の本音を聞いてしまう。「エードの姫に生まれたことが一番の不始末じゃ!」。やがて回復したアルゴが目覚めるも、つきそった姫を差し置いて開口一番コジマを呼ぶ始末。腹を立てたコズサ姫は魔法で姿を隠してしまうのだがー。