出版社 : 主婦の友社
壬氏の一世一代の行動の結果、とんでもない秘密を共有することとなってしまった猫猫。折しも後宮は年末年始の休暇に入る時期。実家に帰りたくない姚は、猫猫の家に泊まりたいと言い出した。とはいえお嬢様を花街に連れていくわけにもいかず、姚と燕燕は紹介された羅半の家に泊まることになる。一方、口外できない怪我を負った壬氏のために、猫猫は秘密裏に壬氏のもとに通わなくてはならなかった。できる範囲で治療を施していくが、医官付き官女という曖昧な立場に悩まされる。壬氏が今後さらに怪我を負わないとも限らないが、医官にはなれない猫猫は医術を学ぶことはできない。そこで、羅門に医術の教えを乞おうと決めるのだがーー。
バイルドが完成させた送還の魔法によって、日本へと帰った平太。いくつかの時が流れ、日本で平和な日常を送っていた平太は、またも突然、異世界の平原へと呼び出されてしまう。魔族との戦闘中に乱入する形となってしまった平太は、偶然にも人間の勢力を助けたことに礼を言われる。ひとまず現状を把握するために、その場にいた青年のアロンド、獣人のサフリャ、色人のサイニーと行動を共にするのだが、どうにも話が噛み合わない。かつて平太が暮らしていたエラメルトの街を知らないらしく、さらには大陸の西側には、なんと魔王の拠点があると言うのだがーー。
踏鞴家給地を離れ、ピスフィたちと共に広い世界へ旅立った康太と榛美は、世界の資産の八割を独占するという世界一強大な国家・ヘカトンケイルに到着する。ヘカトンケイルにはショッピングモールと呼ばれる巨大な施設があり、まるで現代日本のように物であふれ、とても豊かな環境だった。あまりの違いにうろたえる榛美と豪華な食事を楽しんでいると、ミリシアから弟の話を聞かされる。いつまでもふらふらとしている弟には生涯をかけた仕事を見つけてほしいと願い、康太にその手伝いをしてほしいのだという。頼まれた康太は気づけばなぜか、ミリシアの弟・パトリトとともに、船に乗って釣りをしていたーー。
中学二年生の少年にはとある秘密があった。それは、双子の姉の制服を着て、少女「ひかり」のふりをしているということ。「ひかり」に好意を寄せる少年、立花。少年の歪さを疑う養護教諭、真壁。そして、「少年」を認識できない母親ーー。亡くなった姉のふりを続ける少年は、少年と少女の二つの生活を送るうちに、自分自身の在り方を問い始める。「自分」とは何なのか。他人が認識する姿と本当の自分、どちらが正しいのか。やがて、第二次性徴を迎えた少年は、少しずつ「少女」を続けることが難しくなっていき……。
村上ひまり、高校二年生。陸上部のエースでチョコが好きな元気な少女。しかしある日、部活中に倒れてしまい、病院で、とある病に侵されていると告げられる。余命は一年。幼馴染で恋人でもある、森恭介を悲しませたくないひまりは病のことを隠して別れを切り出すが、絶対に嫌だと拒否されてしまう。二人は平行線のまま、刻一刻と残された時間は過ぎていきー瑞々しい高校生の愛の奇跡を描く、感動の純愛小説!!!
探偵・笹峰誓之助は住職の不貞を暴き別れるよう警告するが、逆に自身の過去をネットにバラまかれ、探偵会社から自主退職を促されてしまう。さらに住職は本山に手を回し、依頼人であった妻・受海を隔絶された山奥の寺ーー奥世本護寺に異動するよう辞令を出させた。受海には難病を抱えた一人息子がおり、大きな病院もない山奥での生活は困難だった。実の妻と息子への非情な仕打ちに憤った笹峰は、僧籍に入っていた過去の立場から、受海の代務者として奧世郷に向かうことになる。そこで笹峰は、独自の信仰を持つ「厖臓宗」の存在を知らされる。厖臓宗では「無仏の刻」と呼ばれる時期に生きたまま聖職者から喉仏を取り出す呪法が存在し、その信者が潜んでいる奥世郷では、過去幾度も死者が出ているのだという。奇しくも今がその「無仏の刻」--。笹峰は信仰深い郷に紛れ込む異分子、厖臓宗の正体を暴こうとするのだがーー。
師匠に「ダメ弟子」と認定されて破門されてしまった少年ジェセットは、道中で仲間にしたドラゴンの少女カイアとともに、強くなるためにあてどない旅を続けていた。カイアの背に乗って空を飛んでいると、人だかりを発見する。どうやら病を治して回っている「聖女」と呼ばれる存在がいるらしく、その聖女・エリュキナを狙って山賊たちが集結していた。ジェセットは山賊を倒そうとするのだが、エリュキナは「暴力はいけない」と諭し、なんと言葉だけで山賊を改心させてしまった。エリュキナはジェセットに戦いの影が見えると言って、ついてくるのだが、ジェセットの前にエリュキナと「全く同じ顔」をした少女が現れてー。
贋作のプラモデルや史上最短で打ち切られたアニメのゲームー人から見たらゴミと言われるような、価値のない物。そんないずれ消えゆく物を集めることに情熱を注いでいた青年は、車に轢かれて命を落としてしまう。しかし何の因果か、青年は異世界で大貴族の御曹司として転生した。ブライアンとして生まれ変わった青年は、前世で果たせなかった「希少なものを守る」という願望に忠実に生き、恵まれた金と権力を惜しみなく使い、常識知らずの変人コレクターと化す。人間を糧にするオーガ族の少女。人類と戦争中の魔族の文化…。ブライアンは今日も希少な物の保護に向かうのだった。
自由都市ベイム。「冒険者の本場」とも言われる巨大都市に到着したライエルたちは、まずはギルドにて登録を済ませようとする。しかし、いくら他国で経験があろうと、ベイムで実績のない者は依頼も受けさせてもらえず、ダンジョンにも潜れないのだという。新人扱いとなったライエルたちは、ギルドの信用を得るために、街道の掃除や代筆などの地道な雑用に明け暮れる日々が続いていった。一方、ベイムでライエルに絡んできた新人冒険者のエアハルトは、雑用依頼ばかりなことに文句を言い、受付嬢に無理を言って、迷宮探索に参加することになるのだがーー。
クジャストリアの協力を得て、日本とこの世界をつなぐ、「世界を渡る術」を完成させたヒカル。あとは精霊魔法石さえ確保すれば、日本への帰還が叶う状況になっていた。しかし、念願の帰還方法を見つけたヒカルは日本とこの世界のどちらが良いのか迷い、考え込んでいた。安全が確保され、欲しいものがすぐに買える日本。もしくは、危険はあるが夢もあるこの世界。悩むヒカルは、ある日同じ日本人であるセリカと偶然出会う。その頃、ポーンソニア王国ではとある奇病が流行り始めていた。体中に黒い斑点が現れ、やがては死に至る病。さらに、タイミングよく患者の元を訪れたビオスの教会関係者は、莫大な金を払えば特効薬を与えると言う。なんともきな臭い話に、ポーラ達は秘密裏に治療しようと動き始めるのだがーー。
前世で勇者だった少年リオンは、ペットのスライムと獣人の双子を連れて、目立たないように気ままな放浪生活を送っていた。エルフが住む自然豊かな街、セドリアに向かっていると、その道中、勇者と共に魔王を倒したとされるエルフの英雄の話を耳にする。勇者本人であるリオンにとっては、仲間など身に覚えのない話。困惑しつつも、実際にセドリアで確かめてみようと決める。そしてセドリアに向かいつつ森で双子と戯れていると、複数の生物が戦っている気配を察知した。リオンは魔物に襲われていたエルフの騎士を助けた礼に、「勇者の仲間」とされている英雄、メルテラを祀る塔に入らせてほしいと願うのだがーー。
テテルの故郷、ナヴィラの里での紛争を解決したフェリスたち。久しぶりに学校に戻って賑やかに過ごしている少女たちの元に、一匹の黒猫が頻繁に姿を見せるようになる。やけにフェリスにちょっかいを出す黒猫の正体は、なんと、封印から解放された黒雨の魔女だった。なんでも黒雨の魔女は、近々魔法学校で行われるお祭りの『ヴァルプルギスの夜』に興味を持ち、冷やかしにきたらしい。黒雨の魔女はただの猫として学校に紛れ込んでいたが、校長先生に正体を見抜かれ、変身を解かれてしまう。あわや一触即発の空気に少女たちは身構えるが、校長は意外にも、黒雨の魔女に転入生として学校に通うことを提案する。その言葉通り、黒雨の魔女は「レイン」と名乗って転入するのだがーー。
「御剣姫守」と呼ばれる、刀剣に命を宿した女性が存在している異世界に転生した青年・結城悠。男性が人口の一割ほどしか存在しないこの世界では、女性たちが超肉食系で困ることも多かったが、悠はそれなりに異世界生活に慣れ始めていた。そんなある日、悠の元に「新撰組」を名乗る少女たちが訪れる。長曽祢虎徹、和泉守兼定……前世で名の知れた名刀たちが揃い踏みし悠に告げたのは、新選組への入隊の誘いだった。既に桜華衆に籍を置いた身としてその場では入隊を断ったが、後日、とある事情から悠は極寒の土地に存在する町、神威へと足を運ぶ。神威の町で悠が単身で向かったのは、新撰組屯所だったーー。
フォルスト国立学園に通う少女リーズリンデは、清楚で純真な美少女。しかしその正体は色欲の淫魔の先祖返りである、ド変態のサキュバスだった。魔族との戦いで、サキュバスとしての記憶と力を失っていたリーズリンデは、勇者カインとの再会によって再び目覚めだした淫魔の本能に葛藤し、己のエッチな衝動と戦う日々を過ごしていた。無意識にカインの服の匂いを嗅いでいたり、何故か鞭の扱いが体に染みついていたり……。「私は変態なんかじゃないんです……!」リーズリンデの受難は今日も続いていく。
現実の二十四時間で数年分の時間を体験できるという、大人気VRMMOゲーム「ディメンションウェーブ」。そんなゲームへの参加権を手に入れた姉妹に誘われ、少年は運良くプロジェクト第二弾に参加することになった。しかし、ゲーム世界へとダイブした少年は、何故か『絆†エクシード』というやや痛い名前の美少女へと変身していた。姉妹のイタズラで強制的にネカマプレイをすることになった絆だったが、気を取り直してのんびりとVRMMO内での生活を楽しもうと決める。前衛の戦闘には目もくれず、真っ先に釣りに向かった絆は、姉の奏と妹の紡、和風美少女の硝子やエセ忍者の闇影など、個性豊かな仲間たちと協力して、第二の人生を楽しんでいくーー。
ある学園にリズという少女がいた。リズは成績優秀で品行方正、心優しく、誰もが憧れ尊敬する人物だった。ある日、リズが通う学園に、魔王軍との戦いで負った傷を癒やすために勇者一行が編入することになった。出迎えたリズは勇者に思わず見とれてしまい、気がつくとこう言っていた。「パンツくださいっ……!」リズにはとある秘密があった。彼女はかつて、勇者の仲間の一人だったのだ。しかし、強大な敵と戦った際に記憶も力も失ってしまい、何もかも忘れて普通の少女として学園生活を送っていた。リズの失った力ーーそれは、色欲の淫魔サキュバスの力だった。自分がサキュバスであることを忘れて清楚な少女になった彼女は、己のエッチで変態な衝動に葛藤する。「違います! 私はエッチな子じゃありませんっ!」サキュバス少女が繰り広げる大波乱が今、幕を開ける!
暴走した終焉樹フィーネスを打ち倒し、不要となった終焉樹の核を手に入れたトモヤ。何をしても壊れないほどに硬い核ならば、トモヤの武器として耐えうるかもしれないと考え、一行はリーネの知人の鍛冶師に加工してもらうために北大陸を改めて目指す。その道中、ユミリアンテ公国にて、北大陸行きの船が出発するまで観光することになる。水着姿のリーネとルナに癒されつつ海辺での遊びを満喫していると、突如魔物が現れ、平和な海水浴場は一転して恐怖に包まれてしまう。自分たちの実力ならばたいした敵ではないとトモヤは思ったのだが、なぜかリーネはその魔物を怖がっているようでー。
学園祭を無事に終えたアスラは、久しぶりに白いウサギの夢を見る。「このままだと貴方ーー死んでしまうわ」不吉な忠告だけ残して消えたウサギに戸惑いつつも、つかの間の平和な時間を過ごしていると、王都で開催される精霊祭の話を耳にする。精霊祭では怪盗ノームミストの犯行を警戒して、アスラたちは警備隊員としてパトロールすることになる。さらに今年は、まだレオナルドたちと暮らしていた頃に参加した『魔剣武祭』も開催されるそうで、エアスリル魔法学園の生徒としてそれにも参加することになった。面倒くさがるアスラだったが、ゼミールから今年は『ウサギ』が参加するという話を聞かされーー。