出版社 : 徳間書店
クラムジーが消えた!-なんでもどこでも運ぶのがモットーの、汎銀河郵便局の二人組、イル&クラムジーが今回訪れたのは、楽園もかくやというリーサック星系。そこは遺伝子工学を駆使した絢爛豪華かつ支離滅裂な、巨大なゲーム盤であった。いつしかゲーム参加者となっていた彼らが遭遇するのは、奇妙なやつらに、奇妙なできごと。そして、いつしか離ればなれに…。相棒探しに奔走するイル・コンシーヴドの胸を、説明しがたい気持ちがよぎる-これは、もしかして愛?スペース・コメディー第二巻。
掌には、小さく冷たい手の感触が、まだ消えずに残っていた…七歳のときに、航空機墜落事故で両親と弟を失った川田康生も、いまや高校生。しかし、弟を助けられなかった悔恨は、彼の心から消えさってはいなかった。高三直前の春休み、友人の萩原千尋とふたり、学生寮に居残っていた康生のまえに、ひとりの新入生があらわれた。そして、それと時を同じくして始まった異変。学園の森に刻まれた“封印”が、解かれようとしていたのだ-。翻訳や書評の分野で活躍する柿沼瑛子の初の長篇小説。
ただひとり、少女シアはその緑色の瞳で、精霊たちを見つめていた…。記憶をなくした孤児であった彼女も、いまではおだやかな日々を過ごしていた。しかし運命の歯車は、とつぜん動きはじめた。ある日森で出逢った、胸部にふしぎな文様が描かれた謎の巨漢。空から落下してきた金属の箱のなかで眠っていた“彼”を捕えるため、兵士の群れが村に現れた。焼きはらわれた村。シアのあげた救いをもとめる叫びは“彼”を凶暴な戦士へと変えた-。精霊、亜人、言術。謎に満ちた「世界」の成り立ちとは。
なにかを理解すること、理解してもらうことなんて本当にできるんだろうか-。惑星グレイストームで暮らす高校生・遙は、街で出会った少女ヴィオレッタとともに、原住種族ウルボアイの村近くにある巨大な「門」を訪れた。その場所は、ウルボアイと奇妙な交流をもつ謎の種族クランガの領域であった。クランガの抜け殻が、人類と星間戦争を続ける異星種族キラーバグの姿に酷似していることに気がついた遙。〈門〉で得た宇宙創世のヴィジョンは、遙の心に新しい意志を芽吹かせた。驚きに満ちた本格SF長篇。