出版社 : 朝日ソノラマ
額の傷痕が第三の眼に見えることから、破壊神の名をとってシヴァと呼ばれる盗賊の若者は、その猛々しい性格を疎まれて王宮を追放されたガルダ国の第四王子だった。胸の奥底に抱く全インド統一の野望を叶える術のないシヴァは、むしろ盗賊稼業を楽しんでいたが、時代の流れはいつまでもそんな状況を許さなかった。ペルシャを破った英雄アレクサンダーが、インドに迫ってきたのだ。
「身の危険を感じている。地球に同行してくれないか」-。チジャの手紙はミノルの胸をうった。チジャはミノルの幼友達であり、独立闘争時代の仲間でもあり、そして何よりもその歌声で聴く者の心をとらえる、誰ひとりとして知らぬ者のないスーパー・スターなのだ。ミノルはエリカの皮肉を聞き流して、地球公演に赴くチジャに合流したが、地球では思わぬ誘拐劇が待ち受けていた。
恒星表面にぎりぎりまで自由落下して降下距離を競うサンダイビングは、死と隣り合わせの危険を高度な技術と勇気とで切り抜けるスリルで見る者を魅了したが、同時に賭けの対象としても圧倒的な人気を誇っていた。ダコタの親友で現チャンピオンのルイは、恒星ヒュドラーでおこなわれる選手権試合でも圧勝が予想されていたが、〈カイン結社〉は密かにその魔手をルイに伸ばしていた。
山中墓地高校風紀粛正委員会-、通称・山墓新選組に、新たに二人のメンバーが加わった。元隊士にして、劇写クラブに異常なまでの復讐心を燃やす土方留と、天才剣士・沖田雅之介である。格段にパワーアップした新選組に対し、果たして虎丸たち劇写クラブは、パンチラ写真満載の『劇写通信』を創刊することができるのか。男たちは今、目標の方角に向かい、その姿勢で斃れる。
俺、神代俊弥は探偵だ。俺はある晩、アメリカ人の美少女を暴漢から助けた。その二日後、少女は再び自宅で襲われる。成り行き上、俺とふたりの“ますみ”、そしてもと恋人の早紀で少女の周りを警戒するような形になった。だが、やがてこの一件により、俺が過去に関わった三つの事件がひとつに収束していくことになるのだった。人気シリーズ、ついに堂々の完結。
ファラ王国の第一王女マイ・マリアズナ・ファラが夜空を駆ける火龍の姿を見たのは、水の星のシヴァ暦469年の深夜のことだった。マイの運命に、これが深く関わっていたと彼女が知るのは、さらに数年後のことになる-。マイ、13歳の誕生日の直後から、この不可思議な物語は始まる。水の星の秘密とは?マイの行く手に待つものは?海と風、夢と冒険の新シリーズ、第1弾。
竜を殪す。その大いなる野望を胸に摩羯羅の船で南海に乗り出した辰治のもとに、梁山泊の英傑の子孫たちが次々と結集した。快く屠竜の剣を辰治に託した李海や花雄をはじめ、妖術師・公孫謙や女郎蜘蛛芙蓉など、その顔触れはきわめて多彩である。その中には新たに仲間に加わった白麗という謎の美少女の姿もあった。周囲の期待を一身に受けて、辰治は東海竜王の棲む蓬莱島に突き進む。
最大の敵・北ハートルプール帝国を倒すために、アランは三国同盟を結成したが、ラガリア皇帝の狡猾な作戦に翻弄され、戦線は整わない。シルバァは暗殺の危機にさらされ、リク皇子はバンクス教皇国の敵対行動に手を焼いている。フラット河口で帝国の黒海艦隊と戦っていたアランは、リク皇子と合流して苦戦の状況を打開しようと、帝国軍の主力が結集するラゴ山脈に向かった。
生ける屍と化したままのライブランゼを蘇らすために、アドナは“地の涯の妖精の島”をめざして大陸を北へ進んでいた。母の生命と引き換えに魔性の手から奪い返した双子の姉ヴァラが一緒である。アドナが初めて味わう肉親との触れ合いが、逆に敵の攻撃の標的となった。暗黒女神デュラナの使徒の妖術士たちは、ライブランゼを慕う二人の心に嫉妬と憎悪の色を忍ばせ始めたのである。
融が鬼王・九重の魂を呑み込んでから8年後、邪に襲われていた女子生徒・佐竹真弓が、異形の者に助けられた。異形が黒板の隅に残した名前は“可那融”。運命は、この融に助けられた少女を中心に、結里絵と公彦をめぐり合わせた。そして、結里絵の息子・裕幸と融をも…。無限連鎖の天鳥の呪いを、果たして融は変えることができるのか-。緊迫の第3巻、満を持して登場。
俺の名はカル。相棒のブラ、美少女オーガロイドのユイノとともに、宇宙を翔る泥棒だ。俺達は、ふとした事から銀河のスーパー・アイドル、アリサ・ルナを暴漢から救った。どうやら彼女には、何か秘密があるらしい。アリサの大ファンである俺は、ブラとユイノを言いくるめ、彼女のボディガードをする事にした。一日中、彼女と一緒にいられると喜んだまではよかったが…。
2018年、ギガトキオのVIP達が、クーデターを目論む“新帝国”に拉致された。彼らを救出し、新帝国の野望を阻止する任務が、もと機械化警察のバウンティーハンター、フィリップ・アレキサンダーに依頼された。新帝国総帥、居士の正体は、かつて機械化警察を壊滅に追い込んだジャッコウ・カルラ。フィリップはジャッコウとの決着をつけるべく、新帝国に乗り込んだ-。
マシンを扱わせれば並ぶ者のない凄腕の持ち主ダコタは、フリーフォールの名で呼ばれていた。シャトルの自由落下の航法を可能にする、唯一の男だからだ。幾度目かの困難なテスト飛行を終えたダコタは、リゾート惑星マリノアにやってきた。だが、疲れを癒す休息は得られなかった。この星に伝わる秘宝を巡る争いに、知り合ったばかりのフォーク神父と共に巻き込まれてしまったのだ。
宇宙に浮かぶ小さな共和国〈エスボア〉は、他のスペース・コロニーも羨む繁栄ゆえに、かえってさまざまな問題を抱えている。名誉の負傷が癒えたばかりのミノルが配属されたのは、幼なじみのエリカが所属している国家計画局・情報三課。独立して間がなく、まだまだ基盤の脆弱なエスポアを守るため、特殊な任務や荒っぽい仕事をこなさねばならない大統領直属の機関である。
遺伝子操作監視委員会の調査官=深尾直樹は、ふとした情報から、ライフテック社で発生した事故にかつての恋人=梶知美が巻き込まれているのを知るが、事態は深尾の予想を遥かに上回るものだった。実験区画P3を血飛沫で染めた事故の真相とは、神経繊維の闇に潜む謎の器官=イントロンが秘めるものとは?そして人類の運命は?衝撃の新人が満を持して放つ、バイオサイエンス・アクション1600枚。
神の命運か悪魔の誘惑か、パンドラの匣はついに開け放たれた。人類のイントロンから溢れ出した古代の怪物たちにより地表は埋め尽くされ、世界は焦土と化した。首府・東京を占拠し、地下深く要塞を築く彼らの目的とは何か?そもそも彼らは何故、人間の神経細胞に封じ込められたのか。全面戦争に突入した人類に果たして未来はあるのか。壮大な謎がいま明らかになる。驚異の書き下ろし1600枚、堂々の完結篇。
竜珠を手にしたものが、帝位につく-。紅巾の乱で大揺れの元の末期、中国大陸ではひとつの伝説が甦り、次代の帝位を狙う群雄たちはこぞって屠竜の剣と、それをよく遣う人とを求めていた。紅巾賊の首領・朱元璋の命で竜珠入手の任についた水軍提督・李海は、自分と刃を交えた倭寇の少年、辰治に強く魅かれるものを感じていた。伝説にいう竜を殪す倭人とは、この少年ではないかと。
太陽系の果てで、貨物船が消えた。それが事件の発端だった-。東洋系のマコトと金髪のリリアは、売り出し中のアイドルデュオ。この二人の裏稼業は宇宙の運び屋。ヤバイ仕事に血が躍るのだ。そして不思議な少女ユンが、狂いに狂った空間で何かを見た。それが事件の、残酷な第二幕だった-。意外な人物が続々登場して、大好評SFアクション、いよいよ完結。
山中墓地高校の校門前で、セーラー服の美少女五人のスカートが同時に高く舞い上がった。風のイタズラか、それとも単なる読者サービスか。いや、それは超人的な身のこなしで上昇気流を作りだした一人の少年-、嵐虎丸の仕業だったのだ。スカートめくりと盗み撮り写真に青春を燃やす、虎丸以下、劇写ハレンチ四人衆が巻き起こす、努力・友情・勝利の存在しない物語。