出版社 : 朝日ソノラマ
鬼門の方向に鳥居のある人丸神社-そこは昔から鬼調伏の場所として知られており、代々その神社の宮司を務めている可那の一族の当主には、鬼と神の姿を見て取る能力があるとされていた…。高校生の可那融は最近、自分が鬼になってしまう夢ばかりを見ていた。折しも世間は謎の連続猟奇殺人事件で大騒ぎをしている。果たして、この事件と融との関係は?そして犯人は一体。
かつてラリー出場を夢見たこともある篠原丈太郎は、犯罪者の逃走を手伝うアウトローの生活を送っている。そんな彼の抜群の操縦技術に目をつけたのは、バチカンだった。合衆国が極秘のうちに進めている“カリフォルニア計画”の阻止を狙って、彼を月面に派遣しようというのだ。月の裏側のクレーターにあるエイリアンの基地に1番乗りし、奪取する-。それが丈太郎の任務だった。
月面での苛酷なカーチェイスがはじまった。丈太郎が操る月面車“アリアン”に乗り込んだバチカン・ナチス混合チームを、合衆国のグリーン・ベレー4チームがホバークラフトで追う。ジョンソン宇宙基地からの指令で波状攻撃をしかけるグリーン・ベレーの圧倒的な物量差の前に、丈太郎チームの苦戦がつづくが、作戦の成否の鍵を握るキャサリンの超能力は徐々に月面で開花していった。
遠い祖先の記憶と、常の人ならざる力と、永遠の命を持つ者たち-。直火、狭霧、厩戸皇子。彼ら三人の神子の前に異形の男、捕鳥部万が立ちはだかる。古代朝廷の華麗な世界で、神子たちが闘う時、歴史の歯車は大きく動く。「ロマンの時代」の闇の中で、雷鳴が轟き、稲妻が走る。大好評古代史SF、待望久しかった第2弾。
汎銀河聖解放戦線。この非道なるテロ組織に愛する夫と娘を奪われ、幸せな生活を送っていた神鷹静香は、復讐の戦士と化した。静香は惑星メフィスへ渡り、厳しい戦闘訓練を始めた…。だが静香は、なぜ自分が汎銀戦を憎悪し、その壊滅をはかろうとしているのか、その理由を忘れていく。やがて、その精神工学上の重大な秘密が思わぬ事態を生み出すのだった。“容赦のない面白さ”で展開する、第一級の長編SF。第12回日本SF大賞受賞作。
日本中から様々な格闘技を学ぶ高校生が集まって催される“全日本高校生武道トーナメント無差別級”に、大伴が無断で参加申し込みをしてしまった。勝てるわけがないと怒る格闘技同好会メンバー。しかし、大伴の「出場したという自信と誇りが人生を輝かせる」という言葉に、めぐみたちは燃えたっ-。オールスターキャストで佳境へ向かう熱血青春格闘技小説・第7弾。
D、3人の戦闘士、そしてライがアニスの村に着いた夜、20年ぶりに貴族の館に灯がともり、伝説の歌が流れ出た。かつて貴族が村人を招き寄せるために作ったという、聴く者の心を捉えて離さぬ魔性の歌が。表題作「D-昏い夜想曲」の他、「D-想秋譜」「D-戦鬼伝」の3作品を収録し、昼と夜二つの世界の狭間を歩むDの孤独な戦いを鮮やかに描く、待望の傑作中編集。
俺の名はカル。相棒のブラス、美少女オーガロイドのユイノとともに宇宙にその名も高き泥棒だ。俺達は、莫大な財宝があるという噂をもとに惑星ミクトランにやって来た。その俺達の前に、なんとミクトラン人の亡霊(?)が現れた-。ホラー版短編「スケベは宇宙を救う」に「令嬢は赤いのがお好き」「涙の向こうに愛がある」の書き下ろし二編を加えて贈る特別編。
奴隷から身を起こし、ライン国王となったアランは、ミクロンに凱旋した。ラインの残敵を一掃して城に入ったアランは、救国の英雄として民衆から熱狂的に迎えられたが、アランが異母兄だとは知らぬジョアンの態度は冷ややかだった。アランはあえてミクロンの王位につかず、南ハートルプール王国から攻撃を受けたのを機に、シルバァの故郷・エルズミーアへと戦いの旅に出た。
東京にほど近いベッドタウン-神宿市。通勤時間帯を過ぎたのどかな団地の一角に、それはあった。地から湧き出した銅像のようなそれは、下半身をきれいに失った人間の死体だった。神宿市警察南署の警部・矢車啓之介は、仏が暴力団組員であったところから捜査を始めるが、それが“やくざの殺し”でないことは明らかだった。次々と起こる奇怪な事件。地方都市に渦巻く人間の欲望と悲哀-期待の新人がユニークな視点で描く新警察小説。
“ゴジラを歴史から抹殺するのです!”-突如出現した未来人のもたらした事実は戦慄すべきものだった。植物怪獣ビオランテとの死闘から約三年、今は抗核バクテリアの効果で日本海沖に眠るゴジラは、やがて復活し、23世紀の日本はその放射能のために死の国と化していまうというのだ。時の首相・林田は悪夢のような未来の事実に愕然とするが、未来人の提案を受け入れ、秘密裡にゴジラ抹消計画を推進する。しかし、ゴジラが消滅すると同時に、宇宙超怪獣キングギドラが出現したのだ。世紀末大怪獣映画の完全小説版。もと東宝プロデューサーの著者による特別書き下ろしエッセイ=50枚を巻末に特別収録。
シモーヌの結婚騒動でオルクスが地球を離れた隙に、宇宙海賦パスク・ダ・ルーマーがやって来た。悲壮な使命感に燃えるナミと野次馬三人娘を乗せたフォルクスワーゲンの特攻を鼻息ひとつで吹き飛ばしたダ・ルーマーは、東太平洋上のアメリカ海軍第七艦隊をも軽くあしらって高笑い。だが、岸田博士も狂気の笑い声を響かせていた。ARIELの真価を見せつける待望の機会が来たのだ。
“銀竜”をもちいて、龍の七部族のひとつ、晃家の〈水方郭〉を陥とした狄軍は、なぜか一気の攻勢に出ず、雨季を前にして、狄軍と龍の公家禁軍との戦いは膠着状態にはいった。〈万里堰〉に沿って局地戦を展開していた暁騏子アクセス、晃駿子デュオンは、曜象子クルツォや曹彪子ベルディーンらを陣営に招き、局面打開の方策を討議する。果たして、龍の七部族の連合なるか。
俺、神代俊弥は探偵だ。俺と二人の“ますみ”は、休暇を取って北海道へスキーに来た。ホテルに着いて二日目、バスで一緒だった大学生グループの男に仲間の女のコがぶつかり、男は崖下へ転落して死んだ。事故か、故意か。謎が解明されないうちに、同じグループの別の女のコが、今度は雪の中で凍死した。そして、事件を推理する俺とますみ達の命を狙う者が-。
瀬戸内、村上水軍の棟梁の嫡男でありながら、勇魚は故郷を追われた。だが、この不屈の狼は、孤島で洋式構造の大型帆船を造り上げ、西へ、大海原へと乗り出したのである。その勇魚が、天竺人のハンと悲運の子、夢丸をともなって、意外な姿で京の都に上ってきた。目的は、仇敵・高野三郎師光の首。しかし、時は動乱の南北朝時代。勇魚はさらに大きな勢力と戦うことになる。大河歴史冒険、ついに堂々の完結。
赤銅色の肉体に毛皮の腰巻きをまとい、槍を手にして文明社会に登場した《野生の狼》ディンゴ。視力を失った黄金色の瞳でアストラル・オーラを感知し、比類なき超能力を発揮するアーサー。ディンゴは海賊ブランと合流し、アーサーは姉のフェイとソルジャー・クイーンの許へと向かう。アスガルドの十二神との戦いの直前、遂に七つの星が揃った。人気シリーズ外伝・完結編。