出版社 : 朝日ソノラマ
かつて神の国だったハートルプール大陸には三王国が鼎立し、周辺には四つの小さな島国がある。アラン・グッドハートは、その一つミクロンの国王が巫女に生ませた子供だった。父王とは似ても似つかぬ髪と眼の色を嫌われ、奴隷の身分に落とされて成長したアランは、父王への復讐の念と大いなる野望に燃えていた。乱世に王たる道を歩もうとする若者たちを描く、シリーズ第一弾。
実の姉との再会もつかのま、勇魚は故郷の村上水軍に容れられず、燧灘の孤島に追放された。しかも、自分を十数年の流浪の身に追いやった、仇敵・高野三郎師光は、今や、足利幕府で倉奉行という要職を得て、京都で優雅な日々を送っているという。絶望の瀬戸際に立たされた勇魚。不屈の狼はどこに光を見出すのか?動乱の南北朝期、戦場に生きる男たちの運命を綴る歴史冒険の新たな幕があがる。
〈RYUGOO〉とは-まあ早い話が「第二次関東大震災」で崩壊してしまった瓦礫の街・TOKYOの代わりに我が世の春を謳歌している海上都市なわけだ。本土の難民はスキあらば〈RYUGOO〉に潜り込もうとするが、そういう楽園への不法侵入者を追い払うのが通称“龍宮の使い”の役目だ。第17監視センター東京湾岸警備員と名前だけはいかめしいが、実はのどかな番犬生活というこの部署に、俺は栄光の龍宮警察転属と引き換えにやってきた。だが3カ月後、俺を待っていたのは〈RYUGOO〉の恐るべき実態だった。「サード・コンタクト」に次ぐ、待望の小林一夫第2作。
世界はいまだ混沌としている時代。捨て子だったグリントは、人々から魔獣と恐れられているプレガントに拾われ、育てられた。かつて世界の創造に助力したプレガントの一族には、創世神ジェネシスより死者再生の力が与えられていたが、それを快く思わない冥府の大神ハーディは、死獣や魔獣を操り、グリントたちを執拗に狙っていた-。神話世界に展開する超英雄譚、第一弾。
宇宙には、ハードボイルドな男がよく似合う-おれの名はマキシン・グレンディー。戦域での仕事を得意とする、一匹狼の運び屋だ。今回おれが引き受けたのは、内戦中の惑星から王女を運び出すという、実におれ好みの仕事だった…のだが、現役女子高生のカイリがパートナーとして押しかけてきてから、おれの世界がボロボロと崩れ始めていく。畜生、おれの明日はどっちなんだ。
婆娑羅の徒か復讐の鬼か?紀伊・吉野山中に現れた異形の男、その名は勇魚。後醍醐天皇の隠岐島脱出を助けに出陣し、戦死した男が、巨漢の天竺人とともに帰ってきたのである。時は動乱の南北朝期。公家も武士も、政争と戦闘に明け暮れていた。勇魚が帰るべき瀬戸内の村上水軍も例外ではなかった。地球の西も東も戦場。翻弄される男たちの運命を綴る大河冒険・日本篇。
西暦一八二五年-文政八年、秋。長崎の町は、“おくんち”に沸いていた。だが、異変は祭が最高潮に達すると同時に起こった。龍踊りの龍がまるで生ある物のごとく暴れだしたのだ。しかし怪物と化した龍は、突如出現した侍姿の異人の一撃によって粉砕された。銀の燧石銃を操る謎の紅毛異人とは何者?怪物となって踊った龍の正体は?折しも鳴滝塾では、塾生の発見したこの世の物ならぬ生物の腑分けが、シーボルト執刀のもとで行われようとしていた。開国間近い日本の窓=出島長崎の舞台に、吸血鬼ドラキュラを倒すことになる男=ヴァン・ヘルシング教授の若き日を描く伝奇時空ロマン。アカデミズムとエキゾティズムにあふれる気鋭の新シリーズ、堂々ここに開幕。
虚空王迎撃のため、“破壊魔”ダイゴと“妖姫”アケビは辺境星区へと向かい、第二次辺境護衛艦隊司令リューベックは伝説の“プレストン教授の船”に乗り込んだ。一触即発の包囲網の狭まるなか、虚空王は“コアの形なき宝石”と呼ばれる三角錐に秘められた“宇宙を制する仕組み”の解明に取り組んでいた。
明治2年5月18日、新政府軍の猛攻の前に蝦夷共和国総裁・榎本武揚は投降を余儀なくされ、五稜郭開城と共に箱館戦争は終結した。しかし新政府は敗残兵を厳しく追及し、残賊討伐隊が原野を駆けめぐった。共和国軍の若き遊撃隊士・志波新之介は、追っ手を逃れてアイヌの民と交わるうち、榎本武揚の隠した軍資金十八万両の噂を耳にする。スペンサー・カービン銃に秘められた手がかりとは。敗残兵に討伐隊、そして軍資金を狙うならず者たちが跋扈する開拓期北海道を舞台に展開する、蝦夷地アクション。
俺の名は饗庭仁。組織の仕事は引き請けない自称泥棒の段取屋だが、ケチな仕事で留置場の厄介になっていた俺を釈放させた鶴見グループのはねっかえり娘・葉子は、とんでもない交換条件を持ち出した。そんなわけで俺こと仁は、宇宙に浮かぶスペースラボ〈アグネス〉目指しシャトルに乗って飛び出したんだが…。
不帰伸介が目覚めた時、妻の麗子は隣のベッドで死んでいた。木の杭に胸を貫かれ、灰と化したのだ。犯人は自分たちを斃す方法を-自分たちの正体を確実に知っていたのだ。愛する者を失った不帰は“組織”には連絡せず、復讐に立った。そして、限られた一晩の闇に賭けた。新感覚のネオホラー・シリーズ第2弾。
辺境星区で工場群や輸送船団が襲われ、一瞬のうちに壊滅する事件が瀕発した。人類文明の科学力を遥かに超えるパワーを持つ兵器を駆使したこの一連の攻撃は、“虚空王”と名乗る謎の人物の手によるものだった。全銀河文明に限りない憎悪を抱くスーパー・ヒーローの復讐の旅が、ついに開始されたのだ。
東京・バンクーバー間に就航した、超豪華飛行船「飛鳥」。その記念すべき初飛行の日、キャビンは明るく華やかな空気で満たされていた。だが、その中にひとり、苦悶に表情を歪めた男が、不吉な風が吹く時を今や遅しと待っていた。晴れた空に静かに浮かぶ、全長500mの巨大なエア・シップ。それを支配する者は誰か?そしてその目的は?息をもつかせぬ展開でおくる冒険活劇登場。
男は吸血鬼であった。だが男は、吸血鬼であるよりも“人間”に近い存在でありたいと願い、ガソリンスタンドの夜勤を終えると、少しずつ朝日を浴びるのを日課としていた。男の名は執行といった。だがある夜の強盗事件が、男の運命を変えてしまう-。吸血鬼たちの闇の町・星宮市に展開するネオホラーアクション。
緑の肌を持つ少女-マリコ。彼女の身体にいったい何が起こったのか。折しも古代植物GOTTの発芽に成功していた堂乱=丸山の2人は、マリコの皮膚に共生する葉緑体の正体を明らかにするため、四国の西城研究所に赴くが、2人を待っていたのは、あまりに巨大な人類進化の謎だった。衝撃の新人デビュー作。
遥かな過去、天から降り立った者=〈天上人〉の支配に服すか否かで分かれた人々は、長大な〈万里堰〉で互いを隔てて生きてきた。だが突如、〈天上人〉の新型兵器“銀竜”が〈堰〉を破り、支配を拒む〈龍の七部族〉のひとつ、晃家に攻め入る。晃家の城は滅び、公子デュオンは盲目の妹姫ルビアを連れて友邦へ落ち延びた。〈堰〉を挾む世界の危うい均衡が、破られようとしていた。
俺の名はカル。相棒のブラ、オーガロイドの美少女ユイノとともに宇宙を翔ける泥棒だ。俺達は惑星グフィンで三度仕事を試みたが、すべて謎の五人組に先を越された。その上、戦闘服姿に変身する保安官は出るわ、無実の罪は着せられるわ、知り合った女のコは攫われるわと散々。が、事の元凶は都市の陰の支配者ボネットだと判った。こうなりゃ、奴と本気でやるしかないぜ-。
凍てついた最北の海辺の村フローレンスに、待ち望んだ夏が訪れた。わずか一週間の夏。その束の間の歓びを噛みしめる村人の顔には、だが、どこか翳りと怯えが秘められていた。村のはずれには、かつて人間に暴虐の限りをつくした後、旅の男に滅ぼされ海に封じ込められたと言い伝えられる貴族、マインスター男爵の城跡がある。その伝説の貴族は、夏になると姿を現し、飢えを満たすのが常だったからだ。三人の若者が貴族の犠牲となった夏の第一日目、連合戦線を張った戦闘士らは、一気にDに襲いかかったのである。壮大なスケールと圧倒的な迫力でおくる〈D-北海魔行〉完結編。