出版社 : 朝日ソノラマ
D、3人の戦闘士、そしてライがアニスの村に着いた夜、20年ぶりに貴族の館に灯がともり、伝説の歌が流れ出た。かつて貴族が村人を招き寄せるために作ったという、聴く者の心を捉えて離さぬ魔性の歌が。表題作「D-昏い夜想曲」の他、「D-想秋譜」「D-戦鬼伝」の3作品を収録し、昼と夜二つの世界の狭間を歩むDの孤独な戦いを鮮やかに描く、待望の傑作中編集。
俺の名はカル。相棒のブラス、美少女オーガロイドのユイノとともに宇宙にその名も高き泥棒だ。俺達は、莫大な財宝があるという噂をもとに惑星ミクトランにやって来た。その俺達の前に、なんとミクトラン人の亡霊(?)が現れた-。ホラー版短編「スケベは宇宙を救う」に「令嬢は赤いのがお好き」「涙の向こうに愛がある」の書き下ろし二編を加えて贈る特別編。
奴隷から身を起こし、ライン国王となったアランは、ミクロンに凱旋した。ラインの残敵を一掃して城に入ったアランは、救国の英雄として民衆から熱狂的に迎えられたが、アランが異母兄だとは知らぬジョアンの態度は冷ややかだった。アランはあえてミクロンの王位につかず、南ハートルプール王国から攻撃を受けたのを機に、シルバァの故郷・エルズミーアへと戦いの旅に出た。
東京にほど近いベッドタウン-神宿市。通勤時間帯を過ぎたのどかな団地の一角に、それはあった。地から湧き出した銅像のようなそれは、下半身をきれいに失った人間の死体だった。神宿市警察南署の警部・矢車啓之介は、仏が暴力団組員であったところから捜査を始めるが、それが“やくざの殺し”でないことは明らかだった。次々と起こる奇怪な事件。地方都市に渦巻く人間の欲望と悲哀-期待の新人がユニークな視点で描く新警察小説。
“ゴジラを歴史から抹殺するのです!”-突如出現した未来人のもたらした事実は戦慄すべきものだった。植物怪獣ビオランテとの死闘から約三年、今は抗核バクテリアの効果で日本海沖に眠るゴジラは、やがて復活し、23世紀の日本はその放射能のために死の国と化していまうというのだ。時の首相・林田は悪夢のような未来の事実に愕然とするが、未来人の提案を受け入れ、秘密裡にゴジラ抹消計画を推進する。しかし、ゴジラが消滅すると同時に、宇宙超怪獣キングギドラが出現したのだ。世紀末大怪獣映画の完全小説版。もと東宝プロデューサーの著者による特別書き下ろしエッセイ=50枚を巻末に特別収録。
シモーヌの結婚騒動でオルクスが地球を離れた隙に、宇宙海賦パスク・ダ・ルーマーがやって来た。悲壮な使命感に燃えるナミと野次馬三人娘を乗せたフォルクスワーゲンの特攻を鼻息ひとつで吹き飛ばしたダ・ルーマーは、東太平洋上のアメリカ海軍第七艦隊をも軽くあしらって高笑い。だが、岸田博士も狂気の笑い声を響かせていた。ARIELの真価を見せつける待望の機会が来たのだ。
“銀竜”をもちいて、龍の七部族のひとつ、晃家の〈水方郭〉を陥とした狄軍は、なぜか一気の攻勢に出ず、雨季を前にして、狄軍と龍の公家禁軍との戦いは膠着状態にはいった。〈万里堰〉に沿って局地戦を展開していた暁騏子アクセス、晃駿子デュオンは、曜象子クルツォや曹彪子ベルディーンらを陣営に招き、局面打開の方策を討議する。果たして、龍の七部族の連合なるか。
俺、神代俊弥は探偵だ。俺と二人の“ますみ”は、休暇を取って北海道へスキーに来た。ホテルに着いて二日目、バスで一緒だった大学生グループの男に仲間の女のコがぶつかり、男は崖下へ転落して死んだ。事故か、故意か。謎が解明されないうちに、同じグループの別の女のコが、今度は雪の中で凍死した。そして、事件を推理する俺とますみ達の命を狙う者が-。
瀬戸内、村上水軍の棟梁の嫡男でありながら、勇魚は故郷を追われた。だが、この不屈の狼は、孤島で洋式構造の大型帆船を造り上げ、西へ、大海原へと乗り出したのである。その勇魚が、天竺人のハンと悲運の子、夢丸をともなって、意外な姿で京の都に上ってきた。目的は、仇敵・高野三郎師光の首。しかし、時は動乱の南北朝時代。勇魚はさらに大きな勢力と戦うことになる。大河歴史冒険、ついに堂々の完結。
赤銅色の肉体に毛皮の腰巻きをまとい、槍を手にして文明社会に登場した《野生の狼》ディンゴ。視力を失った黄金色の瞳でアストラル・オーラを感知し、比類なき超能力を発揮するアーサー。ディンゴは海賊ブランと合流し、アーサーは姉のフェイとソルジャー・クイーンの許へと向かう。アスガルドの十二神との戦いの直前、遂に七つの星が揃った。人気シリーズ外伝・完結編。
“しょせん、あんたも過客の人や”郷里での就職を決めた南条を、美樹は激しくなじった。京都に生まれ育ち、そこを離れられない美樹には、4年間の大学生活が終わればあっさりと好きだったはずの街を出ようとする彼が不実な恋人に思えたのだった。南条の自分に対する気持ちが分かっていながら、恨みと悲しみ、そして怒りが交錯する。その美樹の心に闇の幽王の后・烏珠が忍び入った。
俺の名はカル。相棒ブラ、美少女オーガロイドのユイノとともに、宇宙を翔る泥棒だ。俺達は連合軍主催の発表会で見た新型戦闘機を、ブラの「あいつが欲しい」のひと言で盗む事になった。だが、お喋りの中年男ミルのために事が予定より早くバレてしまい、おまけに俺達とは因縁浅からぬ巨大犯罪組織ゼノタイムが現れ、その攻撃にユイノが倒れてしまった-。
かつて神の国だったハートルプール大陸には三王国が鼎立し、周辺には四つの小さな島国がある。アラン・グッドハートは、その一つミクロンの国王が巫女に生ませた子供だった。父王とは似ても似つかぬ髪と眼の色を嫌われ、奴隷の身分に落とされて成長したアランは、父王への復讐の念と大いなる野望に燃えていた。乱世に王たる道を歩もうとする若者たちを描く、シリーズ第一弾。
実の姉との再会もつかのま、勇魚は故郷の村上水軍に容れられず、燧灘の孤島に追放された。しかも、自分を十数年の流浪の身に追いやった、仇敵・高野三郎師光は、今や、足利幕府で倉奉行という要職を得て、京都で優雅な日々を送っているという。絶望の瀬戸際に立たされた勇魚。不屈の狼はどこに光を見出すのか?動乱の南北朝期、戦場に生きる男たちの運命を綴る歴史冒険の新たな幕があがる。
〈RYUGOO〉とは-まあ早い話が「第二次関東大震災」で崩壊してしまった瓦礫の街・TOKYOの代わりに我が世の春を謳歌している海上都市なわけだ。本土の難民はスキあらば〈RYUGOO〉に潜り込もうとするが、そういう楽園への不法侵入者を追い払うのが通称“龍宮の使い”の役目だ。第17監視センター東京湾岸警備員と名前だけはいかめしいが、実はのどかな番犬生活というこの部署に、俺は栄光の龍宮警察転属と引き換えにやってきた。だが3カ月後、俺を待っていたのは〈RYUGOO〉の恐るべき実態だった。「サード・コンタクト」に次ぐ、待望の小林一夫第2作。
世界はいまだ混沌としている時代。捨て子だったグリントは、人々から魔獣と恐れられているプレガントに拾われ、育てられた。かつて世界の創造に助力したプレガントの一族には、創世神ジェネシスより死者再生の力が与えられていたが、それを快く思わない冥府の大神ハーディは、死獣や魔獣を操り、グリントたちを執拗に狙っていた-。神話世界に展開する超英雄譚、第一弾。
宇宙には、ハードボイルドな男がよく似合う-おれの名はマキシン・グレンディー。戦域での仕事を得意とする、一匹狼の運び屋だ。今回おれが引き受けたのは、内戦中の惑星から王女を運び出すという、実におれ好みの仕事だった…のだが、現役女子高生のカイリがパートナーとして押しかけてきてから、おれの世界がボロボロと崩れ始めていく。畜生、おれの明日はどっちなんだ。