出版社 : 講談社
戦場を駆けぬける、シタの王ダーハル。彼はいま、聖国エルンスターを目指す。“銀の冠山脈”を越えて軍勢を動かす目的は、聖王家の4姉妹の1人を妃として迎えるため。デーン神の神託を待つあいだに、彼は王宮の庭園で、聖王家の娘たちを垣間見た。彼の心を魅きつけたのは“炎の花”サラだった。美しくも激しい気性を持つサラと、野心に燃えるダーハルの物語が始まる…。壮大なヒロイック・ファンタジー外伝。
なぜ彼は、合いカギを送り返してきたの。高校時代からつきあっていた藤井和也に、一方的にふられた牧瀬結美。23歳。和也との思い出いっぱいの部屋を引っ越した結美のもとに送り返されてきた合いカギ。傷つき、切ない思いを抱いたまま、結美はそのカギを持って以前の部屋を訪れる。そして、『高垣友次朗』という名にひかれるように、部屋の扉を開けてしまった…。
満月を見ていた。「きれい」湖のほとりで、私は彼にそっと寄りかかる。その時、ふいに風が吹いて月が消えると、彼は私の腕をそっと引き離した。「月にいって、アインシュタインみたいな物理学者になりたいんだ」そして、彼は静かに遠ざかっていく…。-表題作『相対性恋愛論』ほか、優しく切なく、そして幻想的な5つの恋物語を収録。
ついに、戦が始まった。魔族が地上へ還るための決起。人間が魔の一族を滅ぼすための聖戦。クシアラータの大地が血に染まり、多くの名もない兵士が命を落とす。しかし、その戦いの裏には、魔王の巧妙な罠が隠されていたのだ。魔族に暗雲をもたらす恐るべき遠謀が…。砂漠の王国を舞台に織りなされる、運命の王女の物語第7幕。
降り注ぐ蝉しぐれ。蘇る正の影…。25歳の理沙は、ディレクターになって三年がたっていた。二度目の大学生活を送る良と、一緒に暮らしている。最近、理沙はよくわからないことがあった。良のことは好き。愛しているはず。なのに、忘れたいはずの田舎でのこと、そして、正のことを思い出してしまうのは、なぜ?本当に好きなのは、好きだったのは、誰?恋に恋することの危うさを、鮮烈に描く。
“時の宝珠”を正し、世界を滅亡から救う、翼を持つ乙女ファラ・ハン-。ファラ・ハン、ディーノ、レイム、シルヴィン。四人の聖戦士は『眠り』から目覚め、自分たちの使命を知った。だが、それぞれの心の中には、不安と疑惑が渦巻いていた。そんな時、血肉を貪り喰う闇の魔物が、突如礼拝堂に襲いかかってきた…。彼らは魔物を倒すことができるのだろうか?聖戦士たちの世界救済冒険ロマン第二幕。
金と銀のふたつの月が交わる地を、金と銀に輝くふたりの若者が、軽やかに旅する。かつてこの地には、第3の月があったという-。クードルーンを目指すリューとエリアードは、深い霧に誘われ、妖しき街アヤトーラへと、足を踏み入れてしまう。アヤトーラは享楽の都で、〈月の合〉には霧の化け物が出るという噂があった…。あやうく、あやしい絆で結ばれる、金と銀のふたりの冒険譚。