1991年発売
クシアラータを離れ、ルルカで行き倒れとなったサラは、魔族の兄弟に助けられた。不治の病におかされている兄のマーダインを救いたいジェルシダは、ネオウ婆に聞いた“魔王の目にすべてが宿る”という伝説を頼りに、魔王が棲む影の都へと向かう。それが悲劇の始まりとも知らずに…。砂漠の王国を舞台に織りなされる、運命の王女の物語第2幕。
金と銀のふたつの月が交わる地を、金と銀に輝くふたりの若者が、軽やかに旅する。かつてこの地には、第三の月があったという-。セレウコアに着いたリューとエリアードは、同じ〈月の民〉だというキルケスと出会った。懐かしい同胞に心を許すふたり。だが彼は、ふたりの運んできた月炎石を奪い、魔術で、リューをいずこかへ連れ去ってしまった…。あやうく、あやしい絆で結ばれる、金と銀のふたりの冒険譚、いよいよ佳境に。
わたし、深町都。高校2年生。今から思えば、あの日のわたしはやっぱり、まぎれもなく子供だったのだ。わたしにとって“一生忘れることのできない、特別な一日”。それは、わたしという当人の思惑や、生活の平凡さとはまったく無関係に、まるでハリケーンみたいにいきなりやってきて、あたりを一変させてしまったのだから。物語は、夏休みに同級生の品田陸と2人で、海辺に旅行に出かけたことから始まったの…。
和矢、シャルル、美馬、高柴、冷泉寺、高天、早匂…。数多くのキャラクターの生みの親。大人気シリーズを次々と発表する小説家。そして、アニメ、音楽など、多方面に活躍し、全国にひとみ中毒者を増やしつづける超才女-藤本ひとみ先生。その素顔は…。先生が和矢たちと語り合う「ひとみのモノローグ」を始め、〈銀バラ〉の新作、占いなど盛りだくさん。コバルト初の珠玉エッセイ集。
片想い、だってりっぱな恋。両想いの恋と同じです。ちがうのは、楽しいことより苦しいことが多いこと。「こんなことなら恋なんかしなきゃよかった」って思うかも、ね。でも、やっぱり人は恋してしまうのです。これはとっても不思議なこと。-きっと苦しさもひっくるめて、それが恋の素晴らしさなのね。だから、恋をしましょう!恋する女の子たちに贈る、5つの恋物語。
夏月は司と駅で待ち合わせた。買い物のエスコートのためだったけれど、司はなんだか悩んでいる様子。頭の中で、女の人が「早く来て…、1人にしないで…。」と言っているような感じなんだって。家に帰った夏月は光矢と兄葉月に連れられて、横浜のジャズハウスに行った。そこで優くんに会って、みんなで司の悩み事を話し合った。どうも人魚伝説と関係があるのではないか、という結論になった。
みんのは中2。父親の豹助は銀行員をやめて便利屋をはじめた変わり者だ。ある日、その「ヒョウスケお便利商会」に奇妙な依頼が舞い込んだ。今大人気のロック歌手・黒木洋介のボディガードをしてくれというのだ。洋介はみんのの町でまもなくコンサートを開くことになっていた。好奇心旺盛なみんのは、幼なじみのハズムや憧れの永春さんをまきこんで、さっそく素人探偵稼業にのりだしたが。
あたしは流花。高3の春だというのになかなか進路が決まらず、悩める日々。なのに、ふたいとこで幼なじみの慎吾くんは、一言の相談もなく東京の大学へ進学を決めたと聞いて面白くない。モヤモヤした気持ちのまま、出かけた弓道部の合宿で待ちうけていたのは、妖魔の伝説が残る谷。ちょっとした心の隙をつかれて連れこまれた異空間であたし達が出会ったのは。流花&ルカシリーズ第3弾。
従姉妹の琴恵は病弱だけど、美人でスタイルも抜群だから男の子がほっとかない。でもみんな知らないのよね、ほんとはすごいワガママで気が強い奴だっていうことを。「晶は名前の通り男らしくてたくましいよね」なんて、平気な顔してよく言ってくれるよ、もう。そんな私だって、ときには恋することもある。おめあてはスイミングスクールの竹下コーチ。琴恵、これだけはじゃましないでよねっ。
俺の名はカル。相棒ブラ、美少女オーガロイドのユイノとともに、宇宙を翔る泥棒だ。俺達は連合軍主催の発表会で見た新型戦闘機を、ブラの「あいつが欲しい」のひと言で盗む事になった。だが、お喋りの中年男ミルのために事が予定より早くバレてしまい、おまけに俺達とは因縁浅からぬ巨大犯罪組織ゼノタイムが現れ、その攻撃にユイノが倒れてしまった-。
かつて神の国だったハートルプール大陸には三王国が鼎立し、周辺には四つの小さな島国がある。アラン・グッドハートは、その一つミクロンの国王が巫女に生ませた子供だった。父王とは似ても似つかぬ髪と眼の色を嫌われ、奴隷の身分に落とされて成長したアランは、父王への復讐の念と大いなる野望に燃えていた。乱世に王たる道を歩もうとする若者たちを描く、シリーズ第一弾。
北海道で獣医の勉強をしている、あたしのご自慢のお兄ちゃんが、とつぜん帰ってきた。その直後から、異様な出来事が起こりはじめる。ある朝、姿を消したお兄ちゃんを探していると、たちこめた霧の中に石になった女の人を発見。さらに、車の中で石化している人も。そして、まわりに漂う“魔”の空気。けど、強い妖気のむことには、お兄ちゃんと一頭の犬…。新しい妖魔はどこに?そして、妖魔をあやつる者は、いったい誰なの?
酒船石、亀石、鬼の雪隠に、石舞台。奈良の飛鳥地方って、ミステリアスな遺跡がいっぱい。その謎の古代遺跡の中で発見されたのは、美人女優の刺殺死体。しかも、その側には、あの醍醐玲子さんがナイフを手に気を失っていた…。恋のライバルを助けるのなんて、あんまり気が進まないけど、このままじゃ、玲子さんは殺人犯にされちゃう!古代のロマン漂う秋の飛鳥路で、密室殺人事件の謎を解かなくちゃ…ネ。
あたし、木島由良。寝つきの悪いあたしが、ようやく眠りについた夜の12時、闇の中に電話のベルが鳴り響いた。震える手で受話器を取ると、「…好きです」のひとことが…。友だちのエリに話したら、満月の夜の12時、告白すると恋がかなうというジンクスを教えてくれた。たしかに昨日は満月、でも、誰が。美少年の日浦くん、うぬぼれ屋の川村くん、うーん、今夜は眠れそうにない、と思ったとたん、また電話が鳴りだした。
ね、友基。わたし、彼のいる夏って、これが初めてだから、楽しい夏にしてね…。そう考えてたんだけど、実際には、友基の親友・椎名クンと、その彼女・柏木サンとのダブルデートばかりで…。わたし、柏木サンって苦手っていうか、どうしても気に入らなくて、すごくイジワルな感情を抱いてしまうの。それが、危険なゲームの始まりだった…。もしも、わたしが、柏木サンから、椎名クンを取っちゃったら…って。
あたし佐久間美里、高3。愛称はミリ。パパは『バラ組探偵局』の所長さんなんだ。ねぇねぇ、大変なことになっちゃった!あたしたち、殺人事件の参考人なの。浮気調査の依頼人が殺されたんだけれど、容疑者には完璧なアリバイが…。だってあたしとパパ、それに親友のトンコが、しっかり尾行していたんだもん。一体、どうなっているの?それと、あたしにとって、もっと大事な事件-和也のことなんだけれど…。
あたし、藍沢左記子・都立高2年生。今日は、あたしたちの修学旅行の第1日目。当然、由香の隣できゃあきゃあはしゃいでいるはずの藍沢佐記子さんは、なぜか、京都郊外の円城寺家で、そこのひとり娘、円城寺彩子さんになりすまして目を覚ましたわけで。ああ。行きたかったよー、修学旅行…。そうしてまだ半分眠りながら、由香たちのことを思っていた。すでに事態は、かなり深刻化していることに気づきもせずに…。
何かが私を呼んでいる…。恐ろしい、美しい何かが。私、妙土がビルの窓ガラスと大量のコンクリートの破片に襲われて逃げこんだ不思議な世界-。そこでは、失われた土地の回復をめざすエナンの民と、魔術で人間を支配しようとする悪鬼とが戦っていた。妙土は、美剣士エリスと少年カリノに助けられ、滅亡寸前のエナンの民を救うために立ち上がる。エリスとの恋の中で知った悪鬼の正体と妙土が呼びよせられた恐るべき秘密とは?