1992年11月1日発売
栄光と豪奢の都・香港。繁栄を続けるこの地に、ふってわいたような“幽霊船”事件。人々は恐怖におののくが、これはまだ、次に始まる惨劇の、序章にすぎなかった…。涼・雨宮。ネオ・ナリタの妖魔“アルディーン”という、もう一つの顔をもつ彼は、ヒョンなことから、香港の“幽霊船”事件にかかわるハメとなる。もちまえの正義感と好奇心から、事件解決にのりだす涼だが…。『元宵節』を舞台に、香港3部作スタート。
「花梨、ラブレターの代筆、頼みたいんだ」光司は、幼なじみのあたしが、今まで見たことのない真剣な目で、そう言った。コウジが好きになったのは、お嬢様学校に通う由美。ロングヘアを風になびかせ、大きな瞳とかわいい口もと。どれをとっても、あたしはかないっこない-たった一つ、由美に勝てるのは、コウジを好きな気持ち。でも、いまコウジの目には、由美しか映らない。せつない心、届けたいのに。
こんにちは、水谷麻衣子です。秋まっさかり。日下くんと、燃えるような紅葉の中で、ロマンチックに旅したい!というわけで、7月に開通したばかりの山形新幹線「つばさ」に乗って、十和田湖めざして出発!もちろん、「食欲の秋」を楽しむ美奈子も一緒。ところが、記憶喪失の男の人に出会ってしまい、湖に立つ少女の像を手がかりに、実家を見つけたのはいいけれど、その人は40日前に死んでいたの。謎は深まるばかりです。
「みんな…俺のせいなんだ。」インターハイ予選敗退、チームリーダー・島津の緊急入院-。たて続けに青葉が丘バレー部を襲った衝撃に、昴の心は乱れる。すべての責任は自分に、と考えた彼は、バレーをやめようと決意。だが、バレーへの情熱を、簡単に消せるはずもない。やり場のない気持ちを抱え、昴の心はすさんでいく…。そんな彼を救おうと、バレー部顧問・醍醐は、ある計略をたてるが…。
「今日は直也と、ひさしぶりのデート。たっぷり甘えちゃお〜っと」-と思ってたのに、なんなの?あたし、加奈は、いきなり現れた黒ずくめの男たちに、待ち合わせ場所から、さらわれちゃった。連れてこられたのは豪華なホテル。わけのわからないまま、ウェディングドレスを着せられて、いきなり式を挙げろだなんて…。助けて、直也。あたし、あなた以外の人と、結婚なんかしたくないっ。
わたし田中紫葡。高校2年生。“好き”って想える人に巡り逢えたの。バイト先で知り合った、大学生の諸岡さん。彼も、わたしのこと「好きだよ」って。でも、束縛されたくないと言う彼に、学祭で逢った女の人との関係など、聞けるはずもない…。あなたに嫌われたくないから、あなたの本当の気持ち、知るのが怖いから、わたし何も話せない。わたしは、ただあなたを信じていればいいのですか?教えてほしいの…。
「おれ、明日が誕生日なんだよ」といったのは、クラスメイトの横館クンだった。あたしとサキは教室の窓際にいて、いつものように、くだらないむだ話をしていたところだった。あたし、工藤由香。高3。事件がようやく大団円を迎えたいま考えてみると、2週間前の昼休みに横館クンがいったひと言が、あの嵐のようなドタバタ騒ぎ“シンデレラ宝石盗難事件”の始まりだった…。
高3にもなって、マジで部活だの文化祭の責任者やってるなんてのは、よっぽどのバカか底抜けのお人好しに違いない-、と「オレはオレなりに“わかって”は、いる」てなノリの進藤達彦と、類は友を呼ぶってヤツなんだろうか、世間のジョーシキからは、どうしたってズレちゃうオトコの黒崎律の。ちょいと、せつなすぎるかもしんない、恋愛がらみの生きかたストーリー。空の青さが、妙に気になる、あなたには。気持ち伝わるかな。
〈魔法使い〉の協力者に選ばれてしまった、あたし、水元頼子は、〈虫〉には襲われるわ、『空飛ぶ覆面娘』にされてしまうわ、片桐先輩にキスしそうになって〈親衛隊〉にはにらまれるわ、もう目茶苦茶。否応なく〈魔法使い〉と〈恋人たち〉の戦いに巻き込まれてしまってたんだ。-〈運命の輪〉まで登場してきた“改変”をめぐる〈魔法使い〉VS〈恋人たち〉の戦いの行方は。そして、頼子の片桐先輩への片思いは。『運命のタロット』シリーズ第2弾。
わたし・岸本悠里。高校1年。パリでファッション・デザイナーをしているパパが「交通事故にあって、危篤!」の知らせを聞いて、急遽、パリ行きの飛行機に飛び乗ったの。初めて訪れる憧れの街、パリ。そこで、わたしが出会った、とびきり素敵な金髪の男のコは、なんと、わたしの未来の旦那様、だった。さあ、悠里ちゃんのパリでの恋の行方と、彼からのプロポーズの言葉は?そして、あなたはどんな『プロポーズ』が夢ですか。
「猫がしゃべるのよ」絵里奈さんのこの発言が事件の発端だった。わたし、美々は、落ちこぼれぎみの高3。年の離れた春菜姉さんとふたり暮らし。姉さんは、ぼろアパート小春荘の管理人兼家主である。あこがれの安見さんはいるけれど、あとは家賃滞納常習者の不良住人ばかりの小春荘に、ある日、ペルシャ猫が迷いこんできて…。すべての猫好きの人に捧げる、スーパー・シュール・メルヘン。
綾瀬の心がゆらめいて、月を宿す水面が波立った…。未来を映す水鏡に綾瀬が見たものは、紅蓮の炎の間から覗く、闇よりなお暗い邪悪な目だった。遠い昔の嵩月家と豪本家の確執が、今また甦し、怨念が街を覆い始めた。はたして綾瀬は、水脈を呼びだし、眠れる竜を目覚めさせることができるのか。そして、綾瀬に想いを寄せる銀の月の主護者、一馬と冬馬の運命は…。
和美は「東京に行きさえすれば、なんとかなる」と思っていた。歩も同じだった。田舎を飛び出し、都会の暮らしを手に入れた2人。あとは“東京出身の恋人”さえいれば、完璧だった。そんな似たもの同士の和美と歩が知り合って、思わずお互いに嘘をついてします。2人とも理想の恋人を失うのが怖くて、嘘を重ねていくが、ある日とうとう…。東京への憧れ・夢・幻想がひき起こす悲劇。
あたし、立花彩と、超エリート集団“KZ”が開設したリサーチ事務所に、記念すべき初仕事が依頼された。用件は、図書室に置いてある受験雑誌から無断でページを切り取った犯人をさがしてほしいとのこと。さっそく若武を中心に小塚、黒木、上杉クンに仕事を分担し、捜査が始まった。しかし、捜査につれて、事件は深刻さを増し、あたしが解読したある文章には、さらに恐るべき事実が隠されていた…。
あたし(夏月)たち、遊園地に来ているんだ。実は、ここのオバケ屋敷に、本当にオバケが出るっていうの。気になるのは、そのオバケが「秘密の水晶が欲しくない?」って言うってこと。アトラクションに入っていったあたしと光矢は、本物の幽霊に、闇の世界につれていかれてしまったの。そこには、長いまっすぐな髪の美少年がいて、しかも、その人は「わたしはルシファー」と名乗ったの…。
〈風の城〉-それはゾア大陸の学問や魔法学の中心だったが、ノルアン帝国に滅ぼされた。それ以来、大陸には魔性がうごめき、ノルアン帝国は、さらに近隣の国々を狙っている。〈風の城〉で修行したドルイド=聖魔法使いのアイーシャとシャナーンは、月の女神の予言にある〈風の城〉を滅ぼした凶眼の王を倒す魔眼のドルイドを探し出そうと、北方のミレシアを目指して荒野を歩いて行った…。
再び〈シャドウ〉にやってきた春珂と孔。おりしも今夜は3年に1度の“ヴァシーラの祭り”が開かれる。悲しい恋をしたヴァシーラのための鎮魂祭だ。雅人のすすめで春珂は祭りの巫女を務めることになった。儀式の最中、空飛ぶ馬に乗った騎士が現れ春珂を呼んだ、『ヴァシーラ』と-。そのまま彼女をさらった騎士の正体はヴァシーラに横恋慕した王、ハルドワールだった…。伝説が甦った。
あたしは警察学校に入ったばかりの警察官の卵。正式には、婦警初任科岩崎教場南巡査ということになる。30〜40人が1クラス。毎日きっちり詰まった時間割。月月火水木金金。そんな辛い毎日を送っているとき、あたしのまわりで頭の上から刃物が落ちてくるような奇怪な出来事が起こりはじめた。あたしの好きな人懐こい一枝に相談してもそっけない。なんでこんなことが…、怖いよー。
時の杜高校三年の美少女殺害にはじまる連続殺人事件に第六の犠牲が。精神分析医鰐渕吾郎を襲った鹿頭の怪人は、しかし駆けつけたFM・TIMEの守衛によって射殺された。明らかになる殺人者の意外な素顔。一方、時の杜ホテルの地下に潜入した里見捜査官は、暗闇の中で出会った、実はボケていなかったバード爺さんから驚くべき真相を聞かされる。四十八年前の“姫神の大祭”で何があったのか。時の杜転覆計画とは。次々と明らかになる秘密。が、時の杜の真の悲劇はまだ闇の中にある。