1992年発売
「どうして別れちゃったんだろう?あんなに2人、うまくいっていたのに」-沢村郁子、28歳。親友、緑の結婚が、4年前に終わった恋を、彼女に思い出させていた。須藤裕也に出会った大学2年の夏。劇団を主宰していた彼にひかれ、つき合い始めて。郁子の思いが、裕也との時間を遡る…。2人とも一生懸命だったのに、気持ちがすれ違っていったのはなぜ…?もうひとつの『君と歩かなかった青春』。
少女は水に映る銀の月を飲みほした。少女は奇跡を祈った。泉の傍らで、夜ごと訪れる月とともに、奇跡を祈りつづけた…。月の泉から不思議な力を引き出すことのできる少女、伊藤綾瀬。そして、銀の月の守護者として彼女を守る、嵩月一馬と冬馬。同じ日、同じ時刻に生まれた双子の姉妹と兄弟が、かつて滅ぼされた一族の聖地をめぐって織りなす、神秘と転生のロマン。
多摩川の河原で女子高校生が焼身自殺。これまでにも1週間毎に3人の女の子が焼身自殺をし、彼女達はいずれも百人一首の小野小町の札を持っていた。一方、星子は同じ札を拾い、小町の美貌と才媛ぶりにあやかろうと、小町のふるさと、秋田県の雄勝町を訪ねることにし、山形新幹線『つばさ』に乗った。だが、早くもその車内で星子は何者かに襲われ、丁度乗り合わせていた春之介に助けられた。
慎吾は中学2年生。野球部のエースだったが肩を壊し、当分活躍できそうにない。むしゃくしゃして多摩川べりをさまよううちに慎吾は同じクラスの菜摘と出会い、つきあうようになった。そんな時、ふたりの前に、頼朝が現れた。川に潜って懸命に何かをさがす頼朝は、去年の夏に起こった女子高生の自殺事件に何か関係がありそうで…。実は菜摘も去年の夏に、奇妙な恋を体験していたのだ。
源頼朝の長女・大姫の“お婿さま”として鎌倉へやってきた木曽義仲の嫡男・義高。だがその実態は“人質”。そして父・義仲の反乱で義高の立場は一層危ういものとなった。「俺は、死んだら海に還るよ。鎌倉で死んでもどこで死んでも、必ずこの海に還る」大姫を腕に抱きながら、そう語る義高。その揺れる心を大姫も胸いっぱい感じとっていた…。涙と感動の歴史悲恋ものがたり。
ティタニアは、瞳にリリスの魔法陣を持つジタンの少女。ジタンは、魔霊と戦う力を持つ聖なる一族だ。ティタニアは、ひそかにミューズの兄・マルドリュースに思いを寄せているが、ジタンの力は、一族以外の者と愛を交わすと消えてしまうのだ。赤い巨星が闇に染まり、封印を解かれた悪霊がマルドリュースに取りついた。体を悪霊に操られるマルドリュースは、ティタニアに救いをもとめるが。
間近に迫った別離のやるせなさから、慎吾くんといさかいを起こしたあたし(流花)は、道に飛び出し、幻花の舞い散る中、異空間へと飛ばされた。気づくとそこは、戦国の世。あたしは、神代花衣という名の巫女になっていた。そして、和都からあたしを迎えにきた中禅寺鷹生と名乗る若武者。このひとは、はるか昔に生きたもうひとりの慎吾くん。あたしは、前世の自分に同調してしまったのだ。
『変人!草薙画伯に絵をかかせろ!』これが次男・優に課せられた使命であった。代々悪徳金貸しとして世にはばかる稜泉家。金儲けが趣味の美形の長男・総司が画商からの依頼を受け、優に押しつけた仕事だ。稜泉家にあって唯一良心的な優は借金を返すためとはいえ気のりしない。兄と天才児の弟・薫の助言のもと、とりあえず優は画伯の娘でクソ真面目な女子高生ケイに接近するのだが…。
学園におかしな事故が起こりはじめた。このままじゃ文化祭が中止になっちゃう。ケンカの強い転校生カオリは、“TV番組研究倶楽部”のカッコイイけど変な4人組、哲也、翔、敦司、誠たちと事故の真相を調べることになった。実はこの倶楽部、裏じゃ学園の“何でも解決屋”なんかやってるんだ。人呼んで-電撃おさわがせ隊。
1998年、横須賀に入港した艦番号も艦戦機も見あたらぬ一隻の大型空母。日米首脳の間で交わされた空母購入の密約がついに実現したのだ。米海軍に派遣され着艦資格を得た空自パイロットが集められ、空母乗り組みを経験した海自隊員も横須賀へ。搭載機F4Jファントム改と、VTOL戦闘攻撃機ファイティング・ハリアーの実戦配備も着々と進む。度重なる湾岸戦争に端を発した深刻なエネルギー危機のさなか、日本初の原子力空母「信濃」に関わった男たちの壮絶な運命は…。
華と呼ばれる中原が5国に分裂した五王時代、士太夫・耿家の庶子無影は自らの1族を滅して衛国王位を簒奪。再従兄弟以上に離れた彼を実の兄のように慕ってきた耿淑夜は、1族の仇とその命を狙い、失敗。半死半生で追われる身となったところを夜光眼の戎族、赫羅旋に拾われて、魁国の商家にかくまわれる。2人の確執を核に中原に戦いの火の手が上がる。新しい中国歴史小説の旗手が織りなす壮大なヒロイック・ファンタジー第1巻。
時の杜転覆を計画した美少女、地元FM局の人気DJ、時の杜病院院長、県警の女性刑事、わずかの間に4人もの犠性者を出した時の杜地区で、またもや凶行が。5人目の被害者は街の長老、十文字隼人であった。しかも時を同じくして、女性ばかり5人が行方不明に…。時の森の巨大な地下洞窟に出入りする美女たち、土中に埋められていた時の杜ホテルの1,2階部分、そして49年ぶりの“姫神の大祭”とは。里見捜査官の鋭利な頭脳と果敢な行動が神秘のベールを引き剥がしてゆく。
醜男、ぐうたら、助平。そんな八卦見足跏堂十六斎に若くてきれいな押しかけ女房がやってきた。思わず足相占いの仕事にも精を出したら、そこへ来たのが時の老中井伊直弼。彼の死を言い当てたことで、攘夷派対開国派の争いに巻き込まれてしまう。歴史上の大物入り交じっての剣劇も当の本人には有難迷惑。足袋屋から紛失した皇族の足型集“禁裏御みあし帖”の行方占いを頼まれて物騒な江戸を逃れていそいそと京に向かった十六斎だが。
和宮替え玉工作の真相を秘める“禁裏御みあし帖”は人手を転々と。折しも和宮降嫁が決行された。岩倉具視・長野主膳の確執、西郷吉之助・武市半平太・桂小五郎の悲願、忍部衆・公儀隠密の暗闘…。降嫁の行列は様々な人の思惑をはらんで中山道を。時を同じくして十六斎も心形刀流の剣士でもある女房・菊絵の死相を案じ、京を離れ江戸へ。死相の薄れる方角をと心がけるうちに行列の後を辿って旅することになった2人に新たな危難が。
太陽系はるかな昔、第四惑星『火球』は軌道上に突如出現した青い星=『蒼球』のために存亡の危機に瀕していた。日夜飛来する鉱物生命は火球の都市を喰い荒らし、大地は荒廃した。内乱を続けていた3つの文明は手を取り合い、鉱物生命に対抗すべく超兵器サーディオンを開発し、蒼球の空に送り込んだ-。後に超攻合神として蒼球に伝えられる超兵器の誕生を描く、人気ゲーム待望の小説版。
同性だと常に身辺にいてお守りできるという父チャールズの判断で、エリザベス女王付きの武官として武術を仕込まれて育ったレッドに試練のときが訪れた。メアリ女王の即位を祝って催される馬上槍試合に、王女の名代として出場することになったのだ。スペインの血が流れ、カトリックの熱烈な信者である女王の誕生で、王女の立場には微妙なものがある。レッドの責任は重大だった。
栄光と豪奢の都・香港。繁栄を続けるこの地に、ふってわいたような“幽霊船”事件。人々は恐怖におののくが、これはまだ、次に始まる惨劇の、序章にすぎなかった…。涼・雨宮。ネオ・ナリタの妖魔“アルディーン”という、もう一つの顔をもつ彼は、ヒョンなことから、香港の“幽霊船”事件にかかわるハメとなる。もちまえの正義感と好奇心から、事件解決にのりだす涼だが…。『元宵節』を舞台に、香港3部作スタート。
「花梨、ラブレターの代筆、頼みたいんだ」光司は、幼なじみのあたしが、今まで見たことのない真剣な目で、そう言った。コウジが好きになったのは、お嬢様学校に通う由美。ロングヘアを風になびかせ、大きな瞳とかわいい口もと。どれをとっても、あたしはかないっこない-たった一つ、由美に勝てるのは、コウジを好きな気持ち。でも、いまコウジの目には、由美しか映らない。せつない心、届けたいのに。