1992年発売
大地こそは、聖王子デインの生まれかわり。また聖世界と人間界との運命を握る伝説の聖霊王なのだと、妖精ファルルは語った。花梨と夏生はその言葉に歓喜したが、大地を狙う魔族たちの攻撃も悪辣さをきわめていた。世界に戦争をしかけ、大地の引き渡しを求める中東の幼き王アクラム。その正体も、桁外れのパワーを持つ双頭の魔族。異形の怪物が今、大地たちの前に立ちはだかっていた。
ゾア大陸の〈風の城〉は滅んだ。ノルアン帝国の暴虐。その炎の中で、聖魔法使い・ドルイド狩りが始まった。師のアヴェールとともに、アイーシャは脱出。ゾア始まって以来の女の聖魔法使いになるはずだったのに、なんと、逃亡の旅。月の予言書どおりに、ノルアンの凶眼の王は倒せるだろうか。戦士ラミレス、詩人シャナーンとの出会い、そしてアヴェールとの別れ。〈風の城〉再興の夢は-。
「あたし、康平クンのこと好きなの」千晶のセリフに、あたしは耳を疑った。康平はあたしの好きな人-彼氏だよ。千晶は、あたしの親友。千晶に好きな人ができたら、絶対協力しようって思ってた。なのに…。あたし、いったいどうしたらいいの。
一色玉美は横浜の中学3年の元気な女の子だが、じつは猫神一族の王家の末裔の姫君、呪文を唱えて猫に変身する。同じ一族の猫田忠介と一緒に、貴公子探偵の一乗寺秀人を助けて事件を解決するが、その事件の背後には、過激派影猫一族の長、銀月銀一郎がいる。
あたし、由美。高校1年生。パパリンは死んじゃったって、ママリンはいうけど、あたし知ってるんだ。本当はパパリンは生きていてしかもロックミュージシャンの朝倉洋一だってこと。香といっしょにライブに行ったあたしは、BBのケンタに夢中になるけど…。
私の中学校には、ほこりだらけで立ち入り禁止の時計台の階段がある。誰が名づけたのか“ジュリエット階段”と呼ばれている。そこで出会ったのが、ケンカばかりしている加納燎平だった。なんだか、小さな予感がする。それも恋の予感が…。
東アフリカ小国の大統領が軍事施設を視察中、突如飛来した巡航ミサイルで爆死。事件に関わる日系製薬会社の研究衛星を調査するため、NASAの飛行士レベッカは軌道上へ。真の攻撃目標が隣接する化学プラントだと気づいた彼女は、BC兵器を巡るアメリカ軍官複合体の謀略を察知。その時、無人衛星から化学弾頭が発射された。悪魔の実験の標的とされたアフリカで、雇われパイロットのハスミは往年の名機F-16を駆り決死の迎撃に向う。
聖地解放を大義名分に、イラク軍がサウジ・アラビアへ侵攻。日韓および欧州諸国からなる国連軍派遣が決定される。消極的な米国をしりめに、民航機、トラック、果てはロシアの巨大輸送機まで動員、奇跡的短時日のうちに大量の兵力を展開した陸海空自衛隊。初の実戦にもかかわらず、中東の戦場では、ストライク・イーグル、90式戦車など最新のハイテク兵器が活躍する。だが国内では、潜入したテロリストにより数千もの犠牲者が。
芝浦のディスコ、渋谷駅前など、相次ぐテロで戦場を上回る死傷者が続出し色を失う政府。湾岸でも、旧ソ連軍の3個師団がロシア政府の統制を離れ、その軍備ごとイラク軍に参加、国連軍は苦戦を強いられる。さらにイラクは、ソ連解体のおり密かに持ち出された戦術核弾頭を手中にしているという。核の恐怖に直面し激戦に消耗する現地部隊、テロの恐怖におびえ日常の基盤が揺らぐ国内。日本人と日本社会が体験する国際貢献の現実とは。
港町・横須賀。女子高生の冬月唯佳がよく顔を出す“どぶ板通り”の骨董品店のジャックには、大いに謎めいたところがある。ベトナム帰りの元外人部隊と噂される風貌、がらくたの山の中の精緻なメカ、何よりもめったに店を開かない商売不熱心さ。だが、さすがの唯佳も、ジャックが“笑う大海賊の秘宝”の秘密を握って身を潜める凄腕の宇宙海賊であろうとは、思いもしなかった。
幼い頃に3DTVで観たヒーロー。その真っ赤なプロテクターに身を包んだ勇姿に憧れ、「大きくなったら、正義の味方になる」と決意したジョン。その夢は時の流れにも色褪せる事なくジョンの胸に生き続け、彼は公安部の幹部・士官候補生養成機関に入った。そしてジョンは、管輔という枠に縛られない特A捜査官を目指す-。ジョンとエリカのコンビ結成までを描くシリーズ第一弾。
「し、忍のチチが癌〜!」-“父”と“チチ”を誤解して、大ショックの高志。なくなってしまう前に、せめて最後のお別れを、と下心アリアリで忍に迫ります。そのとき、無情のポケベルが鳴り、哀れ高志は「花嫁殺し」の現場へと急行することに。捜査に乗り出しつつも、“チチ”が頭から離れない高志は、忍のもとへしのんでいくものの…。ふたりは首尾よく犯人をあげ、Bまで進めるでしょうか。
あたしの彼はエースで4番。彼の夢は、甲子園で大活躍して、プロ野球選手になること。それはあたしの夢でもあるの。世界でいちばん愛してる…。それなのに。ある日突然電話がこなくなったの。やっと彼女になれたのに、どうして?あんなに抱きしめてくれたのに…。あれは、みんな嘘だったの?野球をやめちゃうって、本当なの?信じたくない。このまますべてが終わるなんて。いったい、あなたに何がおこったっていうの?
あたし、奥山つかさ。高校1年。彼氏どころか、好きな人さえいないあたしは、たいくつな、たいくつな夏休みを過ごしていたんだ。そんなあたしが、親友の文香のバイト先で見かけた藤井クンっていう男の子に、なんと、ひとめぼれしちゃったの。藤井クンを紹介してもらったあたしは、思いきって告白して、OKの返事をもらったんだけど…。あたし、藤井クンが、中学時代の元彼女と一緒にいるところ、見ちゃったの…。
すべては、あたしの橙林学院大学受験の失敗から始まったの。あたしと一緒に受験したホシオは、補欠だけど合格してた。エイリアンのくせに。あたしの名前は、百武千晶。18歳の乙女。ホシオと同じ大学に行くために。あたし、決めたの。浪人。1年間の、孤独な地下生活。暇なし、娯楽なし。たしかに、辛そうな気がする。いや、辛くないわけがない…。
あたし、南千絵。高1。とっても素敵な高校生活の予感。だって健がアメリカから帰ってきたんだもの。大好きな健が…。それに、同じ高校に通えるなんて、夢みたい。ところが、アメリカでの生活は、健を変えていたの。彼のやさしさの表現は大胆で、あたしは戸惑ってしまう…。クラスの男のコからは冷やかされるし、女のコも陰口を言っているらしい…。こんなはずじゃなかったのに-。
男のコを好きになる気持ち、みんなわかるよね。声を聞くだけでドキドキしたり、姿を見るだけで、うれしくなったり。そんな大切な想いが、どうして踏みにじられてしまうんだろ?ただ私が“DE・BU”ってだけで…。新しい学校、新しい友だち。誰も知らない人たちのなかで、中学時代の私とはさよならした、はずだったのに。思い出したくもない、あのイヤなあだ名で呼ばれた日から、悪夢がよみがえってしまった-。
あれは本当にあったことだったのだろうか。1枚の写真を手に、三枝双葉は記憶をたどる。兄の笑顔を愛していたあたし。兄によく似た荻野君。彼からもらったバイロンの詩集。そして起こった信じられない出来事。すべてはあたしが兄を思う気持ちのせい?兄への思いの強さが、死んでしまった荻野君の魂を呼んだのだろうか。遠い昔が、双葉の中にゆっくりと蘇える…。兄妹の絆の強さが生んだサイコ・サスペンス。
秋野美海子、22歳。友達は次々にウエディングベルを鳴らす年頃というのに、今の私は結婚どころか、まだ恋すらしていない。5年前の悪夢のような恋の終わりは、私を、ブラックホールに閉じこめたまま…。そんな私の毎日に、突然飛び込んできた年下の雄太。そして、故郷でのお見合い話。失った恋にピリオドを打つこと、恋をすること、そして結婚。-揺れ動く微妙な想いを優しく抱きしめる意欲作。