1994年発売
「国がほしいか。ならば、一国をお前にやる」これが、雁州国延王・尚隆と、延麒・六太とが交わした誓約だった。民らが、かつての暴君によって廃墟となった雁国の再興を願い続けるなか、漸く新王が玉座に就いたのだ。それから二十年をかけて、黒い土は緑の大地にと、生まれかわりつつある。しかし、ともに幸福を探し求めたふたりのこどもの邂逅が、やがて、この国の王と麒麟と民との運命を、怒涛の渦に巻きこんでいく。
「半身に分かれた運命の人がいるはず」と、葉月は、手に同じ赤い星をもつ人を求め、南の小島へと旅にでるのだが…。次々と明かされる、自らの過去の因縁。島の聖樹と、星をもつ守り人が呼びおこす大暴風雨の恐怖。葉月にとって、運命の人とは。ふとした偶然で始めた春休みの本屋さんでのアルバイトから、次々と運命の渦にまきこまれる少女と、彼女を守ろうとする少年の、愛の異色ファンタジー。
時をも自由自在に操る時空界の聖戦士、『時渡り』の異名を持つ少年、葵悠司-。黒い写本の最終章を取り戻すため、学校へ向かった悠司を待っていたのは、何者かの、恐ろしいまでの敵意だった。相手を救いたい一心で、呼びかける悠司。が、その前に突如、鎌を持った髑髏-死に神が現れる。永遠に不滅の魂を持つ悠司だが、全身を無残に打ち砕かれて…。華麗なる聖戦士の超自然ファンタジー最終幕。
「むこう側世界」に飛ばされた椿たちは、それぞれ奇妙な運命に遭遇していた。熊のヌイグルミのような〈森の民〉に助けられた椿は不思議な力で、襲ってきた冥獣コカクチョウを倒した。芳野は狩猟用の罠で脚を負傷し、アス=アルの伝役・シュ=ウによって焦赤の館に運ばれた。一方、桂が辰黒の重臣・ネビロスに捕まっていると知ったアス=アルは、ただ一人ネビロスのラボに乗り込むが…。
植物が人間を襲いはじめた。〈邪〉の触手が日常生活の中にまで伸びてきたのだ。不安感から、〈光の使徒〉に救いを求める人々が急増。高まる〈光の使徒〉ブームの中で、最後の敵〈聖母〉が、ついに降臨した。一方、〈竜〉の契約体であることがバレた卓巳は、〈邪〉から直接攻撃をうけた。傷ついて意識を失う卓巳。しかしそのとき、精神世界の中で、はじめて〈竜〉に出会い…!?
祖国フェネルスティが失われて、荒野をさまようユーザ。自責の念から言葉を封じてしまった彼を、カイとユリエは案じていた。魔物の棲む沼に迷いこんで危うく難を逃れたところを、オアシスの民に救われる。若長ラシスに連れられてオアシスを訪れた三人は、オアシスを守護する精霊グレイナスに会った。だが、彼女に近づいたユーザは「レィティアの涙」の宿る左の瞳に鋭い痛みを覚えた-!?
結城琴子は中学二年生。ある日、琴子が描いた青のグラデーションを見て、「きれいな空だな」って言った男の子がいた。彼の名前は、霧島海。自分と同じ何かを持っている気がして、琴子はだんだん彼に惹かれていった。あの人と話してみたい。いろんなこと、たくさん。でも、彼には彼女がいるという話を聞いて…。
あたし、桐生吹雪。ヤクザ屋、桐生組のひとり娘。ケンカと剣道ならまかせて。礼治たちといっしょに、桐生組の敵、堂本組へのりこんだあたし。後藤っていう、恐ろし〜いヤクザにつかまっちゃった。礼治、早く助けにきて。2年生になったあたしの前に、今度は恋の敵が現れたの。憧れの司先輩は、そして礼治とあたしの関係は、どーなるの。
さちよは高校1年生。両親の離婚のため、親戚の家に預けられている。そんなさちよをはげましてくれるのは、同級生の拓実だった。おたがいに惹かれ合ってゆくさちよと拓実。でも、いつもすれ違ってばかり。いつか、こうして抱き合っていられる日が来たら…。別冊マーガレットに連載された不朽の名作コミックが、小説になって再登場。
ザンスカール帝国の最終兵器“エンジェル・ハィロゥ”がついに始動した。戦いに終止符を打つため出撃するウッソ。だが彼の前に二人の女性が立ちはだかる。一人は“三日月のブーフゥ”を操るファラ・グリフォン。そしてもう一人は、ウッソの憧れの女性カテジナだった! 一方シャクティは人類を救うためエンジェル・ハィロゥで祈りを捧げ、大宇宙における生命の神秘と奇跡を体感する……。
巨大都市・東京。その湾岸から全長500mにも及ぶ飛行船がバンクーバーに向けて飛び立った。新しい空の時代を開く、超豪華客船「飛鳥」の初飛行であった。時代の最先端を行く招待客を何人も乗せて、船は太平洋上を静かに、静かに東へと進んでいく。だがその時すでに、船内には不穏な風が吹き荒れていたのである。
秘かに憧れていた同僚の舞高園子に声をかけられ、森野マサトは目の前にあった椅子に片足を取られて騒騒しく転んだ。それがマサトを正義の怪人・ロックマンに変身させる大いなる伏線だとは、神の身ならぬマサトには知る由もなかった。ロックマンに迫る山内山製薬の陰謀とは。そして、ロックマンに近づく謎の美少女の正体は。期待の新人が贈る、ヒーロー・コメディー。
シヴァ暦471年のファラ王国の政変が、王女マイの運命を大きく狂わせた。兄であるアンリ王太子の行方は。王権を証明する光王石を隠し持つマイに次々と危難が降りかかる-。90パーセントが海面という水の星の戦いは、最終局面を迎えようとしていた。ナギ船長率いるベガサス・ザ・ドランカー(酔いどれ天馬)の行く手、ますます波高し。異色海洋冒険SF、波乱の完結。
夏休み、麻衣子は、ついに海外旅行初体験。ヴィクトリア・ピークの山頂に立つあたしの前には、まるで一面に宝石を散りばめたような、まさに“百万ドルの夜景”が広がる。思いきりロマンチックにひたっていたのに、悲鳴とともに、やっぱり事件がやってきた。崖から女性が転落したという知らせを聞いて、駆けつけたあたしたちが、そこで見たものは…。さあ、謎いっぱいのミステリー・ツアーへ、あなたもご一緒しませんか。
大好評、好きから始まる短編集シリーズ第6弾。今回は、教室で生まれた五つの恋物語。入学の日に始まった、一目ボレの彼への恋心の行方・『あなたがすき』をはじめ、大好きな先輩の教室に侵入しちゃったのが、恋の始まり・『あの教室も黒板も』など、小さな出会いかもしれないけど、大きな恋を育くむ、教室から始まった、5人の恋のショート・ストーリー。あなたの恋の始まりは、どんなかな。
“悪”の黒田絹子が乗り移った、クローン美鈴を倒すには、もう一人の指輪の乙女を捜し出す以外になかった。佐竹麻由-彼女の、包帯に隠された左手には、もしかしたら…。果たして、四番めの指輪の乙女なのか。絹子が、文豹が、指輪を狙っている。チョコ、早く指輪を手にしないと、あたしたちのヨコハマが危ない。ついに、指輪の封印は解かれた…。
真夏の日差しは、透明な炎のように、すべてのものを燃えあがらせていた。コンクリートの壁は白く輝き、木々は濃い影を埃っぽい地面に落としていた。そこにふと響いた、かすかな笑い声。(くすくすくす)風のあいだに紛れてしまって、気のせいにしか思えなかったけれど-それは、悪夢の迷宮の門を開く、残酷な笑い声だったのだ。制服のエスパー少女・イオの戦い。第5弾。
「雲」をつかむような夢にとりつかれたのは、遠山エリカ、高1・16歳。お兄ちゃんの遺品のギターだからって、月4千円のおこづかいのエリカに、100万円じゃ、無理。でーも、世の中って幸運ってあるのよね。次々と、お金を稼ぐエリカ。ところが、同じ目的の男のコが登場。強敵のうえに、恋心までエリカはいだいちゃって。奇跡が起きるなら、16歳。天国のお兄ちゃん、ホントの天使ってどう見つけるの。
ねぇ、こんなことって、あるのかな。会ったこともないひとに、恋をするなんて。電話で聞くあのひとの声は、とてもやさしくて、あたし、恋の魔法にかかったみたい。もしかしたら、彼があたしの“運命のひと”かもしれない、なんて…。でも、彼が電話をくれるのは、あたしの声が、彼の好きな子の声に似ているからなの。それなのに、彼のこと、あきらめられない。どうしても、あなたに会いたいの。