1994年発売
夏休みが始まった。臨海学校で訪れたのは、青い海と太陽がまぶしく輝く、まさに、真夏の島。ステキな恋が始まる予感…。あたし・真由は、憧れの江口くんに、親友の弘美は石橋くんに、それぞれ告白するチャンス。ところが、弘美は、未来がわかるという望月くんに不吉な恋の行方を予告されて、姿を消してしまったの。そして、弘美を探すあたしは、恐ろしい事件に巻きこまれることに。夏休みは、恋とハプニングがいっぱい。
誰にでも“忘れられない夏”はあるという。だとしたら、僕のは十六歳のあの夏だ。まばゆい川面、潮の匂いのよせる河口。海鳴りとさざめきの中で、カメラをかまえる彼の横顔が、いまも鮮やかに心によみがえる。ティアーズ・フォー・フィアーズのメロディとともに…。十六歳の司は、年上のカメラマン・律と出会う。彼に魅かれていく自分を、抑えきれなくなった司は…。第一回ホワイトハート大賞受賞。
生活のため、夏休みの間中アルバイトをすることになってしまったシュンとタクト。ふたりは、バイト先に現れたミナミから、二年生の飛鳥のことで相談を持ちかけられた。飛鳥は、自分の影が躯からはなれて、夜などに勝手に動きだすのだという。飛鳥がバイトをしているレンタル・ビデオ店を訪ねたシュンたちは、ふとしたはずみで飛鳥の様子が一変し、獣のような形相で暴れるのを目撃した…。
自らの意思に反して彩女大公の座についた獅伊菜。だが、昔からの重臣をささいな失敗で投獄したり、素性の知れぬ娘をいきなり妻に迎えると宣言するなど、その言動は次第に常軌を逸していく。不隠な気配を感じた蒼主は獅伊菜を諫めに向かい、矢禅もまた姿を現した。一方、セラ=ニアでは、透緒呼と九鷹が合流を果たし、互いのこれまでの誤解をときほぐしたものの、再び四狼の執拗な攻撃が…。
「-に気をつけろ」森翁はガディルに忠告した。一方、バリオ紡織染縫協同組合では、組合主催のダンス・パーティを行うというので、どっと注文がきたり、ポスター作りをしたりで、何かと賑わっていた。そんなところへ、妖艶な女性が訪れ、懐から一束の糸を取り出し、マルーシュに試し織りを頼んだ。ところが、その糸を見たピーコックは、驚いた。それは人の意志を奪う『惑魅の糸』だった。
黒雲に覆われた空から激しい雨が降りそそぐ日、自転車に乗る拓の前を何かがかすめた。起きあがった拓は、自転車の傍に白い炎を見た。だが、炸裂する稲妻に照らしだされたのは二人の男だった。彼らは拓を「蒼貴」と呼んだ。蒼貴とは百年まえに如意宝珠という珠を盗み追われている者だという。杏美に想いをよせる拓、そして仲間たち。彼らにとってそれは理解し難いことに思われたが…。
シエナ国の都タルサで古着屋を開いてるリデルは、17歳の利発で愛らしい少女だ。彼女が憧れてる学者のケインを訪ねたら、金の瞳銀の髪をした絶世の美女が。実は美女はスピア座の売れっ子女形ソルリス。ケインが書いた小説を芝居にしたいというのだ。一方、タルサでは足に赤い花の刺青をした娼妓が謎の死を遂げる事件が続いていて…。恋と冒険と謎がいっぱいの華麗なる物語。
あたし、小石川光希。高2。ある日突然、両親が離婚。それが元で、同じ歳の男の子、遊と同居することになっちゃったの。遊って、かっこいいんだけど、クールで意地悪。そのくせ、たまに優しかったり。何だか調子狂っちゃうんだ。学校では、昔好きだった銀太に告白されるし…。どーすればいいの。
こんにちは。僕、ポコ太。魔法の国の大地のそっくりさん、カミルはあいかわらず騒ぎを起こす天才みたいだね。古いランプに閉じ込められていた双子の妖精マッシーとホッシーを、うっかり自由にしてしまったんだ。いたずら好きの二人が風立市にやってきたから、姫ちゃんたちは大騒ぎ。いけいけ。ゴーゴー。じゃーんぷ。
オレ、恒。あるときオレは、初恋の相手由香子に再会した。素直でひたむきだった由香子。でも、6年の間に、由香子はすっかり変わっちまってた。万引きはするし、ヘンな男と一緒に住んでるし、ものすごく醒めた目をしてるし…由香子、いったい何があったんだ。由香子に、笑顔をとりもどしてやる。オレは固く誓ったのだが…。
茶山朗子は高校1年生。初恋もまだという超オクテで、当然彼氏イナイ歴16年。中学生なのにススんでる妹の笑に対しては、コンプレックスがいっぱい。このままでは姉の面子が…と思っていたら、なんと笑が妊娠。結局マチガイだったのだけど、その騒ぎがきっかけで親しくなったのがクラスメートの高岡凌介。彼女と別れたばかりの凌介と『お互いに素敵な恋人を見つけよう』と誓い合って…。
極悪非道のテロ集団、汎銀河聖解放戦線に夫と愛娘の命を奪われ、神鷹静香は精神的衝撃のどん底にあった。だがその中で、静香は自らが復讐の戦士となることを決意したのだ。厳しい戦闘訓練をかさねる静香。しかし、彼女が真の戦士となるためには、かけがえのない対価を払わねばならないのだった。第12回日本SF大賞受賞に輝く、不朽のエンタテイメント大作。
汎銀河聖解放戦線の本部《サラマンダー》は、はるか彼方の灼熱の惑星にあった。しかも、汎銀戦は新たなるテロを画策しているのだ。ついに、静香を支え、全人類の平和を願う人々が結集し、常識を超えた〈マトリョーシカ〉戦法が実行に移されていく。一方、復讐に燃える静香の心に生じた空白も徐々に大きくなっていくのだった。「ランクを超越した傑作」、完結。第12回日本SF大賞受賞。
ついに覚醒して“四大の王”の力を手に入れた愛するライブランゼとともに、一点の曇りもない信頼で結ばれた双子の姉ヴァラとともに、奇しき邂逅を果たした叔母シェプリカとともに、アドナは祖国復興を目指す最後の旅にのぼった。それは、〈時代に選ばれし者たち〉と、地上界への顕現をうかがう暗黒女神デュラナとの最終決戦の旅でもあった。《アドナ妖戦記》感動の完結。
ショッピングに出かけたのに、いつのまにか墓地へ迷いこんだ、日下くんと麻衣子。ザクッザクッ…夕闇の中できこえるのは、土を掘る音。すると突然、男の人がとび出してきて、日下くんにある包みを預けて走り去ってしまったの。そして、このときから、あたしたちは何者かに追いかけられて、映画館やブティックや屋台がひしめく香港の街を走る走る。追ってくるのは誰。目的は何。マル初海外旅行は、熱くてこわくてスリル満点。
あたし、上原育子。あたしの夢は、現役高校生で、プロのまんが家デビューすること。じつは、『新人まんが賞』で佳作をとった、あたしと明日香由姫さん、ふたりのうち、ひとりだけがデビューできることになったの。絶対、夢をかなえたい。がんばるぞ-。そう思ってたのに、最近、あたしの幼なじみの彼氏、悦郎の態度が変なの。しかも、なんと、悦郎にラブレターまで届いてて…。あたし、もう不安なことだらけだよ…。
「まだオープンしていない、大評判の遊園地に、無料で特別ご招待」-こんなオイシイ話、見逃せないよね。というわけで、私とメグとよしのは、それぞれパートナーを連れて、『マジカルランド』にやってきたの。ウサギの人形に出迎えられて、木馬に乗って地下の遊園地へ。うわさどおりのすてきな場所で、私たちは夢中になったんだけど、じつは、怖いワナが待っていて…。
《月》の“改変”によって殺されるのは、ジュリエット役を演じる河内美代子。あたしが中学時代にあこがれてた山根クンの恋人…。《月》のほうは着実な進み具合を見せ、“改変”へ向けて、一歩一歩近づいてる。こうなったら、“改変”のことを河内サンに直接話して、ジュリエット役を辞退させるしかない。…ところが、彼女には、あたしが山根クンとの仲を嫉妬してるものと誤解されて、完全に拒絶されてしまった…。