2014年7月25日発売
「奈緒。わたし、可愛い?」京本奈緒は、嘘が嫌いだ。その潔癖とも言える『嘘嫌い』のせいで親しい友達も少ない。だが唯一、天城紅美子だけは中学校からの親友と呼べる存在だった。紅美子は奈緒が知る限り最上の美少女だが、過度の寂しがり屋と浅慮な言動のため同性から嫌われていた。そして事件は唐突に起きてしまう。闇夜を歩く時槻風乃に出会い、二人の少女の間に黒い影が落ちてー。「白雪姫」「ラプンツェル」など、現代社会を舞台に紡がれる恐怖の童話ファンタジー。
この町では、古風な黒電話がそこかしこに置かれている。そんな黒電話の向こうには、『カタリベ』と呼ばれる黒いフードを被った謎の人物がいた。噂話の怪異。それが『本当のこと』になるこの町で、『カタリベ』の黒い糸に導かれた少年と少女は、今日も奇妙な謎解きに挑む。それは、『噂の語り替え』のために開かれる、すこし不思議なお茶会。郷土を愛する皆様、この噂話を紐解くときは、お茶請けに甘いものをお忘れなく。
皮肉屋の青年・叶義は幼い頃、あやかしの神隠しに遭って以来、いかなるものも“視えないものはない”という。妖しい美貌を持つ飴細工師・牡丹はその手で“つくれないものはない”というー。二人の青年が営むは、世にも不思議な妖怪飴屋。奇妙な縁に惹かれた彼らは、祭り囃子の響く神社で今宵も妖怪飴をつくりだす。人と寄り添うあやかしの、形なき姿を象るために。あやしうつくし、あやかし飴屋の神隠し。
没落姫が政略結婚で「婚前イチャラブ作戦」 辺境の地で畑仕事をしながら暮らす没落王女のユーラは、異母姉が拒否した「流血王」カエルムとの政略結婚を代わりに引き受けるため、カエルムが治める隣国へ。戦場でのすさまじい武勇によって、残忍非道・冷酷無比と人々に恐れられているカエルムと初対面し、彼の放つ異様なまでの迫力と不機嫌な態度におののくユーラだったが、「夫となる人に最初から怯えていては幸せはやってこない!」と一念発起!! 農作業できたえた精神力とド根性でカエルムを観察しはじめる。実はその強引な態度の裏に、カエルムのわかりにくい優しさが隠れていることに気づいたユーラは、国民が抱く極悪イメージは誤解だと知り、カエルムの本当の姿をみんなに知ってもらおうと、公衆の面前でわざと“ベタ惚れな婚約者”を演じてカエルムのイメージチェンジを図る「婚前イチャラブ作戦」を開始する。ところが予想以上に作戦の成果が上がりすぎて、極悪ならぬ極甘な口説き文句を、場所を選ばず囁くようになったカエルムの危険な色気に、ユーラはクラクラしっぱなしになってしまい…!?
レヴィーリーンは皇帝の寵姫に仕える奴隷娘。「いつか皇帝に見初められてのし上がり、贅沢三昧の暮らしをしてやる!」と野望に燃えている。だが得意の舞で目立ちすぎてしまい、あえなくクビに!代わりに派遣されたのは「鳥篭」と呼ばれる、皇位につかなかった皇子たちの幽閉所。今は皇帝の異母弟シャルハードがひとりで暮らしている。皇弟は魔神と語り、送り込まれる女官で夜な夜な妖しい「実験」をしていると噂の人物だが…!?