2015年1月24日発売
『日暮旅人』の名前で出された爆弾テロの脅迫状。ニュースでは旅人の名が流され、警察も旅人を探しはじめていた。刺された亀吉、誘拐された灯衣と陽子。ユキジの自宅に現れた思わぬ人物。旅人を取り巻く大切な人々が危機にさらされる中、旅人は入院していた病院から姿を消し、真犯人の指示通りに動き出す。もうこれ以上酷使することのできない瞳を使い、美しく残酷な犯人を止めるためー。目に見えないモノを視ることで『愛』を探し続けた探偵の物語、本編感動の完結!書き下ろし。
出版不況にあえぐ大手出版社『仙葉書房』。そこに勤める中堅文芸編集者・真壁のもとに、一通の手紙が舞い込んだ。それは、新人時代からいがみ合いながら共に成長してきた担当作家・樫木重昂からの『遅れてきた遺言』。「俺の本を親父に届けてくれ」。樫木の父親は生粋のドイツ人。彼の作品を翻訳する必要があった。真壁は『遺言』を胸に、超マイナー言語である日本語で書かれた『名作』を、世界に羽ばたかせる決意をする。出版業界と翻訳業界の狭間で東奔西走する文芸編集者の苦悩、その行く末は…!?書き下ろし。
学校で話題になった一つの噂。「そのサイトに空メール送ると、友達の“本音”を教えてくれるんだって」秀才の大地、お調子者の学、そしてさばさば女子の翼は、帰宅部3人組。自然と集まってダラダラ時間を過ごす、心地良い距離感の友達だった。だけど、夏祭りの夜ー。ふざけて登録した例のサイトから、一通のメールが届く。それは、翼の恋の本音ー。その気持ちを知った時から、彼らの距離は変わっていく。苦くて切なくてあったかい、高校生達の青春物語。
瀬戸内海に浮かぶ小さな島に建つ、茅埜辺市立博物館。遠くから見る光景は、まるで海に浮かんでいるかのよう。美しい自然に囲まれたその博物館では、個性豊かな学芸員たちが日々、懸命に働いている。そして訪れる客たちも、いわくつきの人ばかり。そんな素敵(?)な環境の中、臨時職員として働きはじめたばかりの新人女子・若菜は、悪戦苦闘しながらも、笑顔を忘れず、成長していく。書き下ろし。
仙台駅から列車に揺られて十数分ほどの北岡駅。この無人駅の駅舎内には、ひっそりとショコラ専門店が開いている。店名は「カカオ・クリオロ」。味も見た目も絶品のショコラが売られているのに、なぜか、お客がぜんぜん寄りついていない。ある日、まったくの偶然で、カカオ・クリオロに足を踏み入れてしまった女子高生・翠は、店に客が入らない理由を知ることになる。この店のショコラティエはイケメンなのに、とんでもない秘密をもっていたのだ…。
悩みを抱えた女子大生の綱島響子が依頼に訪れたのは、「異常・怪奇・不可解請け負いマス」と謳う怪しさ満点の『探偵事務所ANSWER』。響子の悩みとは、「向かいのマンションから女性に望遠鏡で見られている。私も女性なのに何故?」というもの。奇妙な依頼しか引き受けない所長の明石屋は「お前は当たりだ」と響子に言い放ち、さっそく調査を開始するのだが…!?一見不可解にも思える現代の都市伝説をイケメン霊能探偵がシニカルに解き明かす!ユージュアル・ミステリー。