2016年1月12日発売
戦前に沈んだ謎多き難破船の回収品調査のため、豪華客船に乗り込んだ鷹栖晶と相棒の音井、そして森木。調査開始早々悪魔の気配を感じ、回収品がかつて日本に存在した悪魔研究機関・ファウスト機関が密かに日本に持ちこもうとしていたものだったことを知る。奇しくもバチカン、WMUA、そして秘密結社が船上に集結、ファウスト機関の遺品を巡り、三つ巴の抗争が勃発した。そして明らかにされていく回収品の秘密。「晶。僕はまだ君のことが好きだ」音井を尻目に、悪魔交渉人・晶の最後の事件が幕を開ける。
あかねと五人の兄たちが、管狐の事件を収めてから少し後。あかねは自分も“あやかし回収”の役に立てるよう、郷土資料に手がかりを求め図書館を訪れていた。古びた資料室を探すうち、やがて見つけた一冊の本。綴られていた人身御供の物語に、あかねは九十九家と“あやかしの許嫁”をめぐる事情との奇妙な重なりを感じる。ところがその一方で、図書館を案内してくれた兄の友人にあやかしの気配を察知。回収へと赴くことにするのだが…。やがてあかねたちは、人とあやかしを結ぶ数々の絆と出会う。
売れない小説家・柚琉が働く『おやつ処みなと』には「死に神」がいる。絶品アイスの作り手なのに極度の辛党の犀川さんだ。母が死んだ日に現れた犀川さんを死に神と呼んだのは、今は亡き祖父だった。あれ以来、死に神を訪ねて“お客”がやってくるようになった。自分の命と引き替えに母を助けたいとすがる女子高生。生き別れになった子どもと死ぬ前に一度でも会いたいと祈る父。人知れず代償を払い、彼ら“お客”の願いを叶える死に神。これは、鎌倉のおやつ処を舞台につないでいく、孤独な死に神の優しい物語。
名コピーライターだった亡き父と同じ道を目指す私は、父の母校戸山大学に入学した。意気揚々と広告概論を受講するも、中身は期待外れ、広告研究サークルは言わずもがな…。そんなとき、目に飛び込んできた学生だけの広告代理店“アド・カレッジ”の求人看板。訪れた私に、バードと名乗る代表取締役はいきなり採用試験を言い渡した。「豆腐屋のキャッチコピーを提案すること、期限は三日」豆腐屋では強面の店主が待ち構えていて…?広告業界希望者必見の青春物語