2017年6月9日発売
従姉に強引な勧誘を受けて始めたオンラインゲーム『ファイナルファンタジー14』で、僕はひとりの冒険者と出会う。彼女は可愛らしい猫耳の少女であり、親切で魅力的な性格であり、けれどゲームの外ではー療養所のベッドでノートパソコンを抱える、暗く沈んだ目をした女の子だった。リアルから始まりゲームへも影を落とす彼女の傷と、ゲームから始まってリアルへと繋がっていく僕らの絆。彼女がゲームの中で見せてくれた笑顔は決して嘘なんかじゃない。だから僕は灰色の病室で、彼女の背を押そうと思うーエオルゼアで彼女が、僕の背を押してくれたように。
隣国との激戦が続く、古都クシュールリンド。各地から集まった兵士と、人型古代兵器“対竜単騎”がひしめき合う。この地に、激励に赴いた戦姫アルトーネは、戦闘で片腕を失った一人の少年と出会った。名をイナヅチという彼は、姫と共に戦いたかったと無念を吐露する。その夜、姫のために祝宴が開かれるのだが、賑わいに紛れ、シンミルドという女系一族の姿も…。彼女たちの目的は、古都で発掘された特別な“対竜単騎”を奪取し、姫の命を奪うこと。姫に凶刃が迫る中、突如銀雷を放つ対竜単騎が現れ、窮地を救う。その巨人の中から現れたのは、先刻の少年の面影を持つ銀髪の少女だった。
全国高校戦争学大会に参加している、埼玉政府首相の三田村涼花(高校一年生)は、河川敷に迫撃砲を設置している部員たちに演説をはじめた。 「こ、今回の作戦の目的は、その……東京の勢力圏を荒川から隅田川まで押しやることです。小さな戦いですが……それでも、わたしたちにとっては、きっと……」 興味のなさそうな顔でそっぽを向いている仲間たちを見て、涼花はやけっぱちになった様子で、妙なことを口走った。 「べ、べつにいいんです。話を聞いてもらえないのは慣れています。お弁当だって、トイレで食べています。わたし、友達いないから」 そして涼花は大きく息を吸い込み、瞳に眩い光を耀わせた。 「皆さん、戦争をはじめましょう」
「最高機密の情報が誰かの手によってハッキングされ、この学校に流された」 私立聖果高校の全校生徒はもちろん教師たちも体育館に集められる中、数多くの刑事を従えて、雛森キョウコと名乗る女性は驚くべき真実を語りはじめる。 「まもなく地球の文明は消滅する。この情報が世間に知られればパニックは免れない。漏洩は決して許されない。事実を知った者を生かしておくわけにはいかないのだ」 そう言って雛森が合図をすると、刑事たちは羽織っていたコートの懐から短機関銃を取り出し、銃撃をはじめた。閉鎖された体育館内は地獄へと変わっていく。その中で、高校一年の赤咲カナミは、髑髏の面をかぶった男を目にする──。 世界の終末に現れた男は果たして悪魔か、救世主か?
イノシシのセイです! 前回、ついにボクの秘密が明らかになりました。ボクは……ボクは、見るものの所有欲をかきたて、最終的に手にしたものを死に至らしめるという呪いの指輪“アンドヴァラナウト”だったんです……。 ロキとブリュンヒルデさまにも協力してもらって、幸いにも呪いが発現する兆候はみられないんだけど、でも……。いや、いや! ネガティブになっても仕方ない! ボクは、元気と、たとえ死んでも生き返られるのが取り柄じゃないか!もうすぐ神界一の美少女で、アイドルでもあるフレイヤさまのライブもやるらしいし、凹んじゃいられないぞっ……と! あれ、でもブリュンヒルデさまが最近ボクを見るとき、少し複雑な表情をされているけど……どういうことなんだろ?寂しいような、つらいような……?
これは終わった物語。夢と人生を食いつぶされたそれからのお話。「みーくん」と「まーちゃん」のその後と彼らの子供たちの運命ー。
二〇九七年、四月。横浜で行われた、十師族及び師補十八家の後継者たちを集めた会議での達也の振る舞いは、他家との軋轢を生む。 “全ては深雪を守るため”の達也の判断を支持する真夜。しかし、同時に他家への警鐘を鳴らすーー特に、十文字家と十山家への警戒を強めるのだった。 時を同じくして、十師族『三矢家』の少女、三矢詩奈が行方不明に!? 彼女を捜索する矢車侍郎と第一高校のメンバーたち。 その裏には国防陸軍所属の遠山つかさの暗躍の影があったーー。 “人間”と魔法師の共存。魔法師に集まる人々の懐疑心が、彼らの状況を一変させ、そして動乱の渦へと巻きこんでいく。
「初めて出逢うずっと前から……あなたのことが好きでした」 お互いの過去を打ち明け合い、ようやく心を通じ合わせたマサムネと紗霧。新たな関係を築いていくため、二人は子供の名前を考えたり、初デートに行ったりと初々しいやり取りをする。そんな和泉兄妹に、エルフとムラマサが言ったこととは!? 「つい数日前、オレが実際に体験したことだ」 先輩作家の草薙から、酔った過ちで危険なメッセージを誤射してしまったことを相談されたマサムネと国光。彼の家に現れた人物とは? そして獅童国光渾身の新作小説の内容とは? 「貴方たち兄妹に、謝ることがあります」 叔母の京香に紗霧との新たな関係を報告したマサムネ。だが京香の返答は意外なものだった……。氷の表情の裏に隠された京香の複雑な思いとは──? 和泉兄妹に京香がずっと隠してきた「秘密」がついに明かされる!
神を超える存在にして、最強最悪の未踏級『白き女王』。 現世における全知全能の支配者である彼女は、既存の手段では太刀打ちできない。召喚儀礼や被召物……規定級、神格級、『大三角』含む未踏級の全てを駆使しても、滅ぼすことはできないはずだ。しかし、城山恭介は為さねばならない。 ──なら。滅ぼせないなら逆に、創るまでだ。 『白き女王』を完膚なきまで滅す、新しい『法則』を!! 鍵を握るのは、冥乃河葵。 最古の人造依代である彼女が抱える叡智を紐解けば、新しいルールで創り上げたオリジナルの未踏級を降臨させる触媒に手が届く。 復讐鬼ビヨンデッタとも手を組んだ恭介は、葵と接見するため、冥乃河神社へと足を運ぶ。そこで敵として立ちはだかったのは、恭介が過去救ったはずの依代の少女で……!?
ついに知られてしまいました。残念美少女・アコの存在がーーよりにもよって、英騎のお母さんに! そして案の定「今度連れてきなさいな」と言われてしまった英騎。我が家の全権を掌握するお母さんを前に、ただの高校生である英騎はあまりにも無力だった。 なんとかアコをまともな彼女に偽装するために特訓を始めるネトゲ部だったが、ハードルはあまりに高く険しくて……。果たしてアコはお義母さん面接を乗り越えられるのか? それともやっぱり危ない子だと思われてしまうのか。 カンペ片手に繰り広げられる面談の合否はいかに? アレイキャッツ結成二周年記念オフ会だって結婚記念日だってあるのに、どうなっちゃうの? な日常≒ネトゲライフ、三者面談の第14弾!
新学期を迎えた彩海学園。なんとか無事に進級した暁古城は、絃神市国の領主の仕事からも解放されて、めずらしく平穏な日々を過ごしていた。 しかし絃神島に突如現れた未確認の魔獣との戦闘で、宮住琉威と天瀬優乃が重傷を負う。魔獣退治の専門家である太史局の妃崎霧葉は、琉威たちの敵討ちに燃える香菅谷雫梨に共闘を持ちかけるのだが……。 一方そのころ獅子王機関は日本政府の意向を受けて、第四真祖の新しい監視役の準備を始めていた。自分が解任されるかもしれないと聞かされて、動揺を隠しきれない雪菜。しかも、魔獣との戦いにより、雪霞狼が破壊されてしまい──。 そんな雪菜の前に現れたのは、彼女と瓜二つの容姿を持つ謎の少女だった──! 世界最強の吸血鬼が、常夏の人工島で繰り広げる学園アクションファンタジー、待望の第十七弾!