2019年2月発売
サラリーマンのタナカを転生させ損ねてしまった女神アマレッタは、タナカの住む六畳一間の小さなアパートで同居することになってしまう。今では毎日家事をこなしてタナカの帰宅を出迎え、すっかり「幼妻」な生活が身についてしまっていたアマレッタだったが、タナカを転生させる機会を虎視耽々と狙っていた。そんな真夏のある日、アパートが停電してエアコンが効かなくなってしまう。お詫びとして管理人の沙帆からリゾートプールの無料券をもらったタナカは、アマレッタにねだられて、沙帆とともにプールに行くことになる。しかし、いざ出発しようとしたとき、もう一人の転生女神であるフェレローシェまでが一緒に行くと言いだしてー。
毒で体調を崩した姚が医局勤めに戻れるようになった頃、猫猫のもとに大量の書物が届いた。送り主は、変人軍師こと羅漢。碁の教本を大量に作ったからと、猫猫に押し付けてきたらしい。興味がないので売り飛ばそうかと考える猫猫の考えとは裏腹に、羅漢の本によって、宮中では碁の流行が広がっていくことになる。一方、壬氏はただでさえ忙しい身の上に加えて、砂欧の巫女の毒殺騒ぎや蝗害の報告も重なり、多忙を極めていた。そんな中、宮廷内で碁の大会が企画されていることを知った壬氏は、羅漢のもとに直接交渉をしかけに行く。開催場所を壬氏の名前で提供する代わりに、サボっている仕事をこなすように説得するのだがーー。
いくつもの仕事をやり遂げ、山猫傭兵団の事務長として認められたウィラード。しかし王立大学院に戻るのは遠い未来の話で、先の任務の影響は隣国バンジャリーを二分する事態にまで発展していた。そして、かつて命を救ったブロンダート殿下の配下、リリアレットが貝殻亭を訪れてきた。「戦いはすぐそこに迫っている」。軍資金とともに、山猫傭兵団には王太子陣営への参陣とビムラの傭兵の取りまとめが要請される。団長の安請け合いから丸投げされた仕事をこなし、ようやく漕ぎつけた出発前の壮行会。用意されたご馳走に沸き立つ団員たち。そこに侯爵家の三男坊を名乗る珍客、ディデューンが現れたー。
異世界で第二の人生をおくることになったセイギこと灰崎正義、25歳。小国ノライの辺境の町、トリョラで異邦人として暮らす中で、トラブルに見舞われても、交渉スキルを駆使して何とか乗り切る。「ペテン師」呼ばわりされつつも、ようやく平穏に暮らせると安堵していた。だが、トラブル解決と引き換えにセイギは小国ノライの義勇軍の代表となる。また悪いことに、巨大帝国アインラードとノライの戦争が始まってしまった。絶望的な国力差での戦争を、ノライ将軍である「赤目」ことドラッヘの指揮の下、セイギは義勇軍代表として戦争に参加することになるのだがー!?
高校生の南条翔は、襲われていた銀色の狐を助けたことで半妖となり、妖の世界の「南の神主」の素質を手に入れる。人間の世界で生きていきたい翔は元の生活を送ろうとするが、化け狐となったことで聴覚や嗅覚が過敏になり、車の排気ガスの臭いや騒音で体調を崩し、夜は不眠に悩まされてしまう。幼馴染の和泉朔夜と楢崎飛鳥はそんな翔を心配して、体調不良の心当たりがないのかを問い詰めるが、幼馴染の二人は妖を調伏する「妖祓」であった。朔と飛鳥にバレてはいけないと翔ははぐらかすのだが、二人の目を誤魔化し続けるのは至難の業だった。妖怪の世界の知り合いである、猫又のおばばに相談していると、ちょうど家を訪ねてきた「北の神主」の比良利に『夏越の大祓』の神事を手伝ってもらいたいと言われる。狐の五感を抑える相談に乗ってもらう代わりに、比良利を手伝うことになるのだがーー。
ふとしたことから異世界に迷い込み、役立つ能力(魔法やアイテム)と役立たない従者(少女の姿をした魔物)を手に入れた、三十過ぎの冴えない男。レベル、魔法、スキル、アイテム、魔族といった摩訶不思議が詰め込まれたゲームのような世界にて……。アイテムを換金して荒稼ぎ。高価な宿を借りて悠々と朝風呂。名物を探して露店回り。そして、異世界に慣れ、脅威となる相手が存在しないと知った男は、調子に乗って好き勝手に遊び始める。請われ、求められ、疑われ、恐れられ、泣かれてもなお、己の享楽にしか興味がない男。力さえあれば何でも出来ると、信じて疑わない……。全ては、羨望する「余裕」を手に入れるがために。男は今日も「道楽」という名の旅に出る。--三十路越えの放蕩男が本格的な道楽に興ずる第二幕。ついに開幕!
十年ぶりに降り立った異世界で無事にルーナと再会できたカズキ。だが、黒曜という肩書の為に命を狙われてしまう。身の安全を守る為、アリスローク・アードルゲの家にかくまわれ、彼の女家族達と楽しい時間を過ごすことに。だが、娼館を襲ったものと同じ集団がアードルゲを襲う。戦争によって大切な人を失い続けてきたアードルゲにある、故人を偲ぶ唯一の絵を燃やさせるわけにはいかないと、カズキは自ら囮となって屋敷を飛び出した。捕らわれた先で地下室に閉じ込められたカズキは、謎の青年ゼフェカに出会う。彼はカズキの「いつまでここにいればいいのか?」という質問に「時代が終わるまで」と答えるのだったーーー。
料理人の「私」は、夢であった自分の店を開く直前に通り魔に刺されて命を落とした。次に目を覚ましたとき、そこは異世界で、なぜか小さな少女になっていた。しかし、前世のことをわずかに思い出したのもつかの間、乗っていた馬車が盗賊に襲われてしまう。運よく不思議な狼に助けられて一命をとりとめたが、前世の記憶は取り戻したものの、ここがどこで、この世界の自分が何者なのかもわからない。ひとまず狼とともに森の中で暮らすことになった「私」は、狼が持ってきてくれた生肉を見て強く思ったー料理がしたい、と。聖なる炎でベーコンを炙ったり、洞窟で死にかけていた男を助け、彼が仕留めた魔獣で焼き肉パーティをしたり。異世界の森の中、破天荒な少女のとんでもサバイバルクッキングが繰り広げられる!
バロウの正体を探るため、旅に出ることにしたカエデたちは、途中、カルデノの故郷に立ち寄ることになった。そこでカエデは、かつてカルデノが奴隷として売られた理由を知る。亡くなってしまった育ての親との思い出や、自分を売った相手と向き合ったカルデノは過去と決別し、本来の目的であったバロウ探しに戻ることになる。そこで、カルデノの知り合いだというガジルの案内もあり、遂にバロウが住むという家に辿り着くのだがーー。
セレスに立ち向かうことを決意した一行は、まずは王都を離れ、冒険者の都市ベイムに向かおうとしていた。しかし、ライエルに恨みを持つリオネルにより「国家反逆者」として指名手配されてしまい、国境を抜けて移動することが難しくなってしまう。しかたなく迂回ルートを辿ることにすると、偶然、関所で興味深い話を耳にする。どうやら近くの国で、秘密裏にダンジョンを管理しているのではないかという。歴代当主たちは大盛り上がりで、ダンジョン討伐を提案してくるのだがー。