2021年12月22日発売
かの安倍晴明に連なる陰陽師「桔梗家」の跡取りとして生まれた青年・晴人は、京都は哲学の道で不思議な和装美女・茜と出逢う。彼女が西陣で営む「かんざし六花」には式神を「育てる」裏の仕事があった…故郷の神様との約束、西陣に迷うこけしの思い、会津で「祇園祭」を守る女性の決意。珊瑚玉から生まれた式神・さんごを連れて、晴人は京都と一族にまつわる不思議に触れるー古都・京都が式神と陰陽師を育む、優しいあやかしファンタジー。
ついに本庁捜査一課に異動となった莉花は、念願の仙波班に配属となる。そんな中、都内で異様な死体が発見される。それは車により執拗に手足だけを轢き潰されていた。被害者が半グレの構成員だったことから、内部抗争による私刑と見られた。だが犯罪心理学者阿良谷の助言は違った。目に釘を刺す別の殺人事件を挙げ、同一犯による快楽殺人だと指摘する。殺害方法に共通項がない快楽殺人者。この不可解なプロファイルは、後に始まる恐怖の深淵への序章だった!
専属メイドのエイミーの主は、美貌の宮廷画家レイ。人嫌いだが完全記憶能力を持ち、アカデミーを首席で卒業した彼は、異例の若さで女王陛下に認められた天才だ。レイの初めての展覧会が迫るなか、彼の師の初期作「乙女と四季」が盗まれる。容疑をかけられたレイと、彼を助けたいエイミーは独自調査を開始。二人は消えた「乙女」を追ううちに、ある秘められた恋の話へとたどり着く。-華やかな宮廷を舞台に繰り広げられる絵画の謎、そして恋物語。肖像画『乙女と四季』に秘められた恋と謎を追う絵画ミステリー。魔法のiらんど大賞2020小説大賞ファンタジー・歴史小説特別賞受賞作。
妾腹ということで王妃らに虐げられて育ってきたゼルスの王女エデルは、戦に負けた代償として義姉の身代わりで戦勝国へ嫁ぐことに。相手は「黒狼王(こくろうおう)」と渾名されるオルティウス。野獣のような体で闘うことしか能がないと噂の蛮族の王。しかし結婚の儀の日にエデルが対面したのは、瞳に理知的な光を宿す黒髪長身の美しい青年でーー。 やがて、二人の邂逅は王国の存続を揺るがす事態に発展するのだった…。 激動の運命に翻弄される、波瀾万丈のシンデレラロマンス! 【本書だけで読める、番外編「移ろう風の音を子守歌とともに」を収録】 プロローグ 第一章 閑話 第二章 閑話 第三章 エピローグ 番外編
「ようこそ、みんな。“ここ”では久し振りだねえ」“魔女”十叶詠子が学院に帰ってきた。異様な雰囲気を醸す“使徒”を引き連れて。その帰還にあわせるように、『異界』の存在が欠けたものを補ってくれるという“儀式”が学院で流行り始める。真相の掴めぬ“儀式”、敵対する“魔女団”の出現により、混乱を極める状況の中、空目恭一ら文芸部の面々の間に微妙な亀裂が入り始めるー。鬼才、甲田学人が放つ伝奇ホラーの超傑作、第9弾、新装版限定書き下ろし掌編付き。
「過去をやり直すことはできない。それでも、もしもーそう望む人の想いは存在する。たとえ記録には残らなくても」若き准教授、椥辻霖雨は犯罪を専門に研究する社会学者だ。霊の見える不登校児・姫子と共に居候する叔父の家に、一人の客人がやってきた。彼は妻殺しの罪で十年弱の刑期を終え出所してきたばかりだという。何かを感じ取った姫子は、事件を再調査するため霖雨に協力を求めるが…。裁かれ、償われた十年の月日ーそこには壮絶な孤独と、切ない真実が隠されていた。京都が舞台のクライムミステリー。
過疎化する町にある高校の教室で、一人の生徒が消えた。最初は家出と思われたが、失踪者は次々に増え、学校は騒然とする。だけど、僕だけは知っている。姿を消した三人が生きていることを。それぞれの事情から逃げてきた三人は、僕の部屋でつかの間の休息を得て日常に戻るはずだった。だが、四人目の失踪者が死体で発見され、事態は急変するー僕らは誰かに狙われているのか?壊れかけた世界で始まる犯人探し。大きなうねりが、後戻りできない僕らをのみこんでゆく。『15歳のテロリスト』に続く慟哭の衝撃ミステリー!
高校一年生の美嘉は、ひょんなことから別のクラスの男子・弘樹(ヒロ)と知り合う。夏休み中、毎日連絡をとっていた二人は、二学期ついに初対面を果たすことに。想像と違い派手な外見のヒロに驚く美嘉だけど、優しい彼に惹かれていき…。そして恋人同士になった二人には、過酷な運命が待ち受けていた。実体験をもとに描かれた切ない等身大の恋の物語に、感動の涙が止まらない!日本中で一大ムーブメントを巻き起こした、伝説のラブストーリー文庫化!文庫版限定・美嘉直筆の書き下ろしポエム収録。