2024年9月13日発売
天気雨の中、ぼんくらと噂の帝の元へ、嫁入りの牛車が向かった。 花嫁の燿子は実は元自衛官。訓練中に気を失った後『強く生きろよ、天泣の姫』の言葉に、気づけば泰平京にいたのだ。 「献上品」として入内した燿子を待っていたのは「帝を惑わす妖狐」と苛める女房たち。けれど本人は食事に虫が出てもバリバリ食べて涼しい顔だ。 そんな時、燿子は謎の青年から、ぼんくら帝のせいで国は滅ぶと聞かされる。いい加減な予言に燿子は憤慨するが、挙句事件にまで巻き込まれ……? 宮廷を災厄から救うため頑張る女子の痛快平安物語! 第一話 狐の嫁入り 第二話 玲瓏殿の女御 第三話 水難救助と勅 第四話 背の君 第五話 天泣姫とかぐや姫 第六話 春の歌 最終話 狐の初恋
母の形見の行方を追う孤独な少女・アイレは、手がかりを求め、差出人不明の招待状を携えて仮面オークション会場に足を踏み入れる。 絵画、宝石、アンティーク…。様々な品の売り立て(セール)が進行する中、アイレは特殊な審美眼で、商品の中に贋作が紛れ込んでいることを見破る。 これをきっかけに、オークションを運営する侯爵家の若き当主・バルトルートに才能を見出され、物腰柔らかな第五王子・フェリクス、ムードメーカーの男爵家次男・ジョシュアとともに、オークショングループ<ハウス>の一員として、彼らの仕事を手伝うことに! 最初は上から目線のバルトルートが気に入らないアイレ。 しかし他人に上手く頼ることができない自分の性格を見抜き、不器用ながらも手を差し伸べてくれるバルトルートに、徐々に心を開いていく。 しかし同時に、異常なまでに物の真贋に固執するバルトルートに違和感を覚える。 どうやらその理由は、彼がオークションを主催しているわけにも深く関わっているようで…? LOT01 幕開けのパールイヤリング LOT02 青い鳥の心 LOT03 誤りの絵画 LOT04 エメラルドの門出
■函館の夏の風にのせて贈る、大正純愛物語第2弾■ 生まれつき顔に痣を持ち、冷遇されて育った旧華族の令嬢・清子と、類まれな商才と美貌を持ちながら目が不自由で、好奇の視線に耐えられず人嫌いになってしまった朔弥。 政略結婚で出会った二人だったが、その育ちから真心で人を見る清子と、その目ゆえに人を見た目で判断しない朔弥は次第に惹かれ合い、互いにかけがえのない存在となっていた。 清子を取り戻そうとする伊知地家の魔の手をやりすごし、無事に結納を済ませた二人。しかし清子の痣を知った朔弥の母がどうしても結婚を許さないと言い出し、あの手この手で結婚式を妨害しようと企む。次から次へと言いつけられる無理難題にも真摯に立ち向かう清子。その姿を見て、朔弥も影響され……。 巻末には二人の過去と今を繋ぐ番外編「夏の思ひ出」を収録。大人気コミカライズ原作、待望の書籍化第2弾! ■□■□■□■□■□■□■□■□ 登場人物 伊知地清子(いちじ・きよこ)……名家の娘だが、痣のせいで蔑まれてきた。人の真心を見る聡明さがあり、時に朔弥も驚かせる。 岩倉朔弥(いわくら・さくや)……長身で圧倒的な商才をもつ美貌の青年。だが目が不自由で少々ひねくれ者。清子に惹かれ……。 一 港の風 二 緑の香り 三 薫る園 四 優しい味 五 心の修理 六 橋を架けて 七 浜の女たち 八 不機嫌なパンケーキ 九 湯の川温泉 十 二人でお茶を 番外編 夏の思ひ出 結ばれる星 大雨の君 蟹工場 花火の夜
魔を呼ぶ《みにくい声》をもつことりは、声を封じられ幽閉されて育った。 あげく妹の結婚の準備金のため贄として売り払われてしまう。 死の寸前ことりを救ったのは、魔祓いの名家の当主候補で妹の婚約者、馨だった。 「おまえの命は俺が買ってやる」 当主争いに魔を呼ぶ声を求められ、ことりは馨の新たな婚約者となった。 馨に声の封じを解かれ、外の世界に出たことり。 馨のやさしさを知るほど、彼の過酷な運命に寄り添いたいと願うようになる。 馨も懸命なことりに惹かれていくが、当主を決する日が迫りーー。 ※紙書籍初版&電子特典として、書き下ろしショートストーリー【番外編 ことりの秘密フォルダ】を収録 詳細は紙書籍の帯、電子書籍の巻末をご確認ください 序 はじまり 一 贄の少女たち 二 火守の若君 三 魔除けのおしごと 四 梅苑の茶会 五 ローレライの歌 結 ことりと馨 番外編 おひいさまと金のピアス 番外編 桜の飾り結び
方士の素月は、幽鬼を祓うことが生業だ。 今回の仕事はひどい家鳴りの調査。 屋敷では若い夫婦と、その幼馴染の男・耀天が待っていた。 方士を敵視する耀天に見張られながら、素月は悲しげな女の幽鬼が原因だと探り当てた。 幽鬼に導かれ地面を掘り返すと変死体が見つかる。 ーー彼女の遺体らしい。 耀天は「この先は俺の仕事だ」と言う。 彼は捕吏、犯罪を取り締まる役人だった。 仕事を取るなと憤る素月も譲らず、二人はともに屋敷の前の持ち主を訪ねるがーー。 人間嫌いの方士と敵を追い続ける役人が挑む、中華ファンタジー。 序章 第一話 聞こえない悲鳴 第二話 真実は水の中 第三話 業火の記憶 第四話 贄と呪い 終章
元編集者の猫沢二胡(ねこさわ にこ)は最愛の夫を喪い、仕事をなくし、閑古鳥の鳴く実家の文具店で店番をしつつ一人暮らしをしている。 そんな折、突然甥っ子である大学生の明澄(あすみ)が訪ねてきた。シングルマザーの母の結婚をきっかけに家を出ると言う。 二胡はとっさに同居を提案し、不思議なふたり暮らしが始まった。 静かな日々に明澄が加わり、文具店のわけありなお客様たちとの交流もあり、なぜか猫もやってくる。空虚だった二胡の日常はいつしか賑やかになり、ある目標もできてーー 借りぐらしから居場所が見つかる、あたたかい日常の物語。 一 すべてを失い実家に身を寄せた二胡(にこ)。閑古鳥の鳴く文具店の店番をしながら漫然と一日を過ごしていた。そこに甥っ子の明澄(あすみ)が「家を出る」と言いに来てーー。 二 迷い猫に餌をあげないことを伝えたことをきっかけに、ぎくしゃくする二胡と明澄。そんな中、二胡は駅で偶然、知り合いの女子高生の窮状を見かけ、つい声をかけてしまう。 三 地元に知り合いも増え、二胡のライターの仕事も少しずつ広がりを見せていく。ふたりぐらしも軌道に乗ったある日、台風が近づいてくる。迷い猫のことが気になる二人だが……。
下級貴族のアリシャは前世の記憶持ち。 しかしこれといった特技(スキル)もなく、前世では『二時間ドラマ』を見て適当に暮らしていただけの平凡令嬢。 そんなある日、偶然居合わせた公爵令息バルディと女性の遺体を発見してしまう。 これーードラマで見たあの場面! 「犯人、まだ部屋にいるかも」 余計な一言で事件解決! その姿をバルディに一目惚れされてしまい!? モブ転生令嬢の巻き込まれラブコメ★ 鬼灯色の浮気男 柘榴色のドレスを着た女 残酷な白菫 咲く桜、散る桜 瑠璃色の原石 ◆ あとがき
社交界デビューの準備を進めるマルグリット。 ある日、亡き母の実家から財政援助をお願いされるが何か様子がおかしい。 調べるうち因縁の妹イサベラとも再会することに! しかも招待されたお茶会では嫌がらせまで!? そんなマルグリットを慰めようとルシアンはいつも以上の過保護っぷりで…… 「君と、本当の夫婦になりたい」 二人の関係も進展がーー!?
ジェイドに溺愛されて婚約者となったミリエッタ。 ある日視察のため騎士のルーク達と隣国へ行くと、過保護なジェイドも身分を隠してこっそり着いて来てしまう。 するとーー隣国の女騎士たちにジェイドを誘惑し、ルークとも関係が深いと勘違いされ男を篭絡する『悪役令嬢』と噂されていた! そんなミリエッタに興味をもった第二王子にまで言い寄られて?
不景気で苦しい生活を送るチェリー。ある日訪ねて来た子爵夫人に、生活の面倒を見る代わりに戦地に居る次期当主の息子・バーナードとの契約結婚を迫られる。 終戦までの期間限定の妻になったチェリーは顔も知らない旦那様に【あなたの望む通り離婚には応じます】と手紙を送るが……離婚するつもりのない旦那様は妻にあるプレゼントを用意していて?