薄花少女(2)
大丈夫ですよ。いなくなったりしませんよ。
見た目はかわいらしいおんなの子のハッカ。しかし、中身は御年数えで八十歳のハッカばあや。ひとり暮らしのぼっちゃまをお世話するため、不思議な薬で体だけ少女になったという。
少女と青年、老女と青年、どちらにせよ年の差共同生活は今日もにぎやかです。
ハッカの故郷から送られてきたすだちで、晩ご飯はすだち尽くし。すだちシャンプーとすだち石鹸、香りはいかが?……「ハッカとすだちと」
塾の先生をしているぼっちゃまの姿をみて、立派に成長したことを喜ぶハッカ。しかし、その晩、ぼっちゃまを叱りつけることになり……「叱られて」
ぼっちゃまの生徒が家にやってきた。同居しているハッカと出会い……「雪の降る前」
“いみがわかりませんわ”そう言いながら鏡の前でファッションショーを……「春の足許」
夏の夜の庭にただよう蛍のように淡い存在……「なつやみ」
ハッカが見つけた一枚の写真。写っているのは妙齢の女性。ぼっちゃまついにご結婚?……「雨上がりに」
一話読み切り形式、全6話を収録。
【編集担当からのおすすめ情報】
かわいい女の子にかいがいしくお世話されたいと思ったことは、誰だってありますよね? そんな人類に普遍的な願望をお持ちの紳士諸君に贈る物語です。少女だけど少女じゃない。でも、やっぱり少女。そんなハッカの魅力をご堪能ください。
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ばあやは少女になりました。 ぼっちゃまのため、ばあやは少女になりました。 一人暮らしの古糸史(こいとふみ)の家に、ひとりの少女がやってきた。二十代も半ばの彼にむかって、ぼっちゃまと呼びかけるその少女。自らを史の実家で家政婦をしているハッカばあやだと名乗るが、ハッカばあやこと夏焼鳩子は、御年数えで八十歳。目の前の少女は、せいぜい小学二、三年生。どうみても、ばあやのはずはないのだが。若返ったおかげでぼっちゃまのお世話ができると、本人はいたって気楽な様子。 少女で老女、老女で少女のハッカとぼっちゃま。どちらにせよ年の差な、ふたりの共同生活が始まります。 【編集担当からのおすすめ情報】 少女の姿でしか描かれないのに、なぜかちゃんとお婆ちゃんっぽいハッカの不思議なかわいらしさをぜひご堪能ください。ぼっちゃまとハッカとの穏やかで、たまに気恥ずかしい絶妙な距離感も本作の魅力です。 2013/09/30 発売
ハッカとぼっちゃまふたり暮らしの春夏秋冬 桜の花びらが舞う下でハッカが出会ったのは、自分と同じ制服姿の少女。どこか懐かしいのに、なぜか思い出せない…「うたかたの」 ぼっちゃまが物心つく前に亡くなった母親のお墓参りへ。ぼっちゃまの知らないハッカ、ぼっちゃましか知らないハッカの横顔…「花降る日に」 ハッカの幼なじみから届いた暑中見舞いが、ふたりの関係に小さな波紋を呼び起こす…「秘めごと」 天高くばあや肥ゆる秋。いくつになっても気になる体重…「ころころ」 冬の日に、ハッカひとり。家にも街にも誰もいない…「冷たい手」 ハッカとぼっちゃま、ふたり暮らしの春夏秋冬、全7編。 2015/12/18 発売
雪の下ふたりだけでそっと眠っているような 見た目はかわいらしいおんなの子のハッカ。 しかし、中身は御年数えで八十歳の“ハッカばあや”。 ひとり暮らしのぼっちゃまのお世話をするため、不思議な薬で体だけ少女になりました。 少女(ばあや)と青年(ぼっちゃま)、ふたりの年の差の同居生活は、のんびりと時を重ねます。 お正月に年賀状。ヤキモチをやかないで…「はじまりの日に」 節分の豆まきで心の鬼を払いましょう…「おにはそと」 ホワイトデーには、ぼっちゃまからのお返しを…「プレゼント」 間違って梅酒を飲んだら酔っ払い?…「梅雨酔い」 ぼっちゃまのお世話はハッカにお任せください…「いつもどおり」 夏と花火と夜の夢。夏風邪は遠い日の思い出と…「夏宿」 お正月から真夏の夜まで、全6編を収録。 2016/12/19 発売