2019年2月13日発売
記念すべきATG80年代の第一作! 日本映画監督協会新人賞を受賞した気鋭、橋浦方人監督第二作。 少女は、美しいはずの「早春」に向かってひきがねを引いた。 ATGが80年代に突入した第一作目で、本作からATGの宣伝方法や作風も変化をしていくこととなる。
キネマ旬報日本映画ベスト・テン 第7位。 60年代後半大阪を舞台に、ケンカに明け暮れるアナーキーな若者たちを活写した青春群像ドラマ! あすのことを思いわずらう間もなく、きょうを砕けたる者たちー 少年たちは、あすという日をもたなかった。 60年代後半の大阪を舞台に喧嘩に明け暮れるアナーキーな若者たちを活写した青春群像ドラマ。 容赦なきバイオレンス描写、溢れんばかりエネルギーで、強烈なインパクトを叩きつけた、 井筒和幸監督の一般映画デビュー作にして、ヒット作となった作品。 主演には、1980年代初頭、漫才ブームが世間を席巻する中、そのブームを牽引し、大活躍していた島田紳助・松本竜介のコンビ。 二人は本作でもコンビを組み、スクリーンデビューを果たしました。 井筒監督は、本作で、第22回日本映画監督協会新人賞(奨励賞)を受賞し、キネマ旬報ベスト・テン7位を獲得。 その後も、『ガキ帝国 悪たれ戦争』(’81)、『岸和田少年愚連隊』(’96)、 『パッチギ!』(’04)を世に送り出し、本作は、まさに出世作にして、代表作となった作品。
村上春樹原作の映画化! 軽やかなスタイルで回顧される過ぎ去りし70年代の青春 あらゆるものは通りすぎる。誰にもそれを捉えることはできない。 1979年度、第22回「群像」新人文学賞を受賞した村上春樹の最初の長編小説「風の歌を聴け」の映画化。 村上春樹と芦屋市の中学校の同窓生でもある大森一樹監督が、 『ヒポクラテスたち』(80年)の翌年に描いた70年代青春映画の佳作。 主人公の「僕」を小林薫、「小指のない女」を真行寺君枝、「鼠」を<ヒカシュー>の巻上公一が演じている他、 ジャズ・ミュージシャンの坂田明、当時、自主映画の人気女優だった室井滋が出演。
キネマ旬報ベスト・テン第1位。 ブラックユーモアに溢れた、 新感覚の異色ホームドラマ、最新のHDテレシネ版で待望の復活!! 僕の受験で家中がピリピリ鳴っててすごくウルサイんだ
1950年の金閣寺放火事件を題材とした三島由紀夫の名作「金閣寺」の映画化!! 有為子よ死ね!金閣よ燃えろ! 滅びの美学と官能に彩られた三島文学の金字塔ー。 「金閣寺と心中するつもりだった」と後に述べた学生による放火事件を題材にとった小説「金閣寺」は、 三島由紀夫の自伝をふくめた力作である、という見方もされている。 ある意味、三島の衝撃的な最期を予告していた、とさえ言われている。 そして、高林陽一監督は、製作後記でこう述べている。 ーー『餓鬼草紙』 『悲歌』と、余生を送るに相応の遺書めいた作品を作りながら、私は知らず知らず「金閣寺」を目ざしていたのだろうか。 だとすればそれは、まさに三島由紀夫氏の、あの《死》を見た瞬間から始まった潜在的思考であったに違いない。 ーー高林陽一、平成二十四年没。享年八十一。
当時25歳・長崎俊一の35mmデビュー作! 80年代の混沌にATGの存在意義を叩き付けた野心作!! "走り"を棄ててしまえば、人生はただの冗談でしかなくなるー。 音楽は宇崎竜童、キーアートのイラストは石井隆。世間に馴染めない男たちの哀愁が爆発する青春映画。
港町に消えた恋人を追う男の前に立ちはだかった黒い影、仕組まれた罠か!事故隠しかー 故・原田芳雄主演の傑作サスペンス! 田原総一朗の衝撃のドキュメンタリー・ノベル「原子力戦争」を、 原田芳雄を主演に迎えて黒木和雄監督が映画化した重厚な社会派サスペンス。
『初恋地獄篇』の鬼才、羽仁進監督が放つ、珠宝の青春映画!! 17歳の少女が心で綴る!ナイーブな思春期の危険な美しいきらめき・・・ 『妖精の詩』(日仏合作)に続いて、羽仁進監督がATGと提携して作り上げた本作は、 従来のいわゆる《映画作り》といささか違う印象を与える作品である。 常に思春期の人間たちに注いできた羽仁進の深い愛は、 名作『不良少年』や『初恋・地獄篇』の映像の世界に結晶した。 そして、この映画では、十七歳の二人の高校生に8ミリカメラをあずけ、お互いに撮り合い、 撮りたいものを撮るという、新しい映画制作の実験を試みている。 ちなみに、主役のひとり、草子を演じた国木田アコは明治の文豪・国木田独歩の曾孫にあたる。
キネマ旬報ベスト・テン日本映画部門 1978年度 第1位 不定形な青春をヴィヴィッドに描いた青春映画の金字塔 寺山修司が、少年院の現職教官だった軒上泊の原作を自由に脚色し、少年にささげる美学を提示。 監督は「やさしいにっぽん人」(71)で日本映画監督協会新人賞を受賞した東陽一。 「“青春は美しい”という硬直化した青春映画のパターンを打破したい。」と少年院の日常をドキュメンタリータッチで描き、多くの若い世代の共感を得た。
1976年度キネマ旬報ベスト・テン第1位。 千葉で起こった実際の親殺し事件に取材した中上健次の「蛇淫」を映画化した、長谷川和彦監督衝撃のデビュー作。 “やる気じゃなかったんだ 俺” 父を殺し 母を殺し 恋人を捨て 地獄の岸辺をさまよう ひとつの青春!
キネマ旬報ベストテン日本映画部門 1981年度 第10位 「肉弾」から13年ー岡本喜八監督が痛烈、痛快に描き出す。その後の戦後ニッポン!
100年前の青春群像! 岡本喜八監督の大作! 揺れ動く明治元年を東北の暴れん坊千太と薩摩の愚連隊万次郎が突っ走る! そこで何を見つけたのか!? 大きく時代が変動してゆく転換期の中で、右往左往しながら青春を懸命に生きる若者たちの姿を、 軽快なテンポとユーモアで描いた青春時代劇。 岡本喜八監督は『肉弾』の後、脚本を自らATGに持ち込み、 主役のひとり万次郎を演じてもいるプロデューサー・岡田裕介とタッグを組み、 短い撮影期間と低予算の中で、この傑作を作り上げた。
キネマ旬報ベスト・テン日本映画部門 1968年度 第2位 昭和二十年・夏。太平洋に忘れられた“あいつ”の青春 東宝で『日本のいちばん長い日』(67)で政府と軍上層部の八月一五日を描いた岡本喜八監督が、 自宅を抵当に入れてまで作りたかった渾身の作品。 自らの戦争体験を基に、前作で欠落した部分を描いた自身の代表作。
悲惨な話をロマンの極彩色で魅せる、唐十郎初監督作品 夢うつつで人を斬り、蝿のたかった肉を舐め、殺した女を犯して笑う! 玄海灘が唸るたび、君の前に立ちふさがる魅惑の影法師。 名も知れぬ客よ、この男につづけっ!そして悪の修業をおさめてこい!! 幼い頃から、海や海賊に憧れていた唐十郎が、玄海灘のもつイメージに悪夢をかさね、 リアリズム芸術主義をスクリーンに定着させようと意図したもの。 おりから映倫が新しく《一般映画・制限つき(R)》というクラスケーションをもうけることになり、これはその第一号に指定された。 二十五年前、海をはさんだ半島に青春を売りわたした近藤(安藤昇)、舎弟分の田口(根津甚八)、 祖国を棄てて密航してきた李孝順(李礼仙)の三人を縦糸に、人間の根源的な欲望がからみあう。 修羅のなかにさえ覗く一抹のやさしさが、唐の魅力である。