制作・出演 : シンフォニー・オブ・ジ・エア
今も高い人気を誇るルービンシュタインが、最も得意とした作曲家のひとり、ショパンのベスト・セレクション。2曲のピアノ協奏曲と有名曲をまとめている。巨匠のショパンの真髄がたっぷりと味わえる。
ルービンシュタインの全盛期のころの録音。名人ゆえの華やかさと、名人ならではの陰影に富んだ豊饒な表現力が堪能できる。録音も、50年前とは思えぬ素晴らしい仕上がりだ。
61年収録の第1番は、絶頂期のルービンシュタインと若きスクロヴァチェフスキの協演。一点の曇りもないほどに輝かしいピアノの音色、躍動感あふれるリズム、ピアニシモのデリケートなタッチ。SA-CD化によって生彩感あふれる名演が生々しい音で蘇っている。
第1回チャイコフスキー・コンクールで優勝をかっさらい凱旋帰国した直後に録音されたのは、チャイコの第1番だけではない。このラフマニノフの第3番は、センセーショナルとはまた別次元の、クライバーンの真のロマンティシズムとピアニズムを示している。
制作・出演
RCAビクター交響楽団 / アーサー・グラニック / シンフォニー・オブ・ジ・エア / ハーヴェイ・シャピロ / マリリン・ライト / マーガレット・ヒリス / ラルフ・フレーリヒ / リスト / レオポルド・ストコフスキー面白い。しかし時代がかった過多な表現に眉をひそめる聴き手も多いだろう。冒頭の「ハンガリー狂詩曲」など象徴的。個性的な編曲以上に“くさい”表現で塗りたくられる。ここまですればあっぱれ。ワーグナーなど、演出過剰のドラマを観るスリルと熱狂がある。
燦々と太陽の輝く夏の浜辺で、リゾート気分を満喫しながら屈託なく過ごす。このルービンシュタインの健康的でネアカなベートーヴェンを聴くと、ついそんな気分になってしまう。しかも指揮者とオケが、そんなピアニストの解脱の境地に達していないのも楽しい。
ブラームスは何と、1954年のステレオ録音。いささか響きは浅いが、年代を考慮すれば破格の高音質。見通しが良く、精悍なライナーと若々しく風格のあるルービンシュタイン、正統派の名演。ベートーヴェンは全体の音質、ピアノの瑞々しさがいっそう際立つ。