制作・出演 : ジェームズ・ゴールウェイ
ゴールウェイの還暦を祝って発売された60曲のマスターピースが、国内盤として登場。第4巻は唯一の1枚もので、タイトルから想像できるとおり、軽快な作品が並ぶが「しぼめる花」での弾むようなパッセージ、山下和仁との絶妙な音楽的対話と、聴きどころ多し。★
フルートにとってロマン派の時代は“不作の時代”なんて言われているが、たしかに技巧に走りすぎたキライはあるものの、こうした名手によって演奏されると生命が宿る。ロマン派はフルートに輝きを与えたのだった。その主旨とは別に、アルゲリッチとの共演は聴きもの。
名実ともに世界最高のフルーティストであるゴールウェイの膨大な録音からフランス音楽を集めた2枚組。これはもうキング・オブ・フルートを聴くためのアルバムだ。このうえなく艶やかで叙情的な響きも兼ね備えた高音の魅力。ホレボレするような美しさだ。
ハチャトゥリアンの土俗性も、マゼールの洗練された折衷主義も、ロドリーゴのローカル色も、ゴールウェイが吹くと、なんと楽々と明瞭に鳴り響くことだろう。チョン・ミョンフン、マゼール、岩城宏之、アルゲリッチなど、共演者もきわめて豪華である。
ゴールウェイに捧げられたり、あるいは彼が委嘱したりした作品を集めたものの第2弾。いずれも比較的ロマンティックで伝統的なスタイルを持った作品だ(コリリアーノが一番現代的)。ゴールウェイはもちろんその持てる力を十分に発揮していて、その音楽性を堪能できる。
クラシックはもとより、幅広い活動を展開しているゴールウェイとアメリカのトップ・フォーク・デュオのコラボレート盤。フィドルの人なつっこい音色と歌い回しがセンスに満ちたフルートとよく溶け合い、ノスタルジーに彩られた心温まる世界が広がっている。
75年にベルリン・フィルを退団した後、ソリストとして輝かしい活躍を続けているゴールウェイの25年間の総決算と言えるベスト盤。クラシックはもちろん、映画音楽やポップスに至るまで、彼の柔軟な音楽性と豊かな歌心を印象づける中身の濃い2枚組だ。
フランスのモーツァルトといわれるドヴィエンヌと、ナポリ楽派の名作曲家チマローザのフルート協奏曲を集めた最新録音。骨太な音色を持つゴールウェイが、亡き巨匠ランパルに捧げた快演である。
作品は珍しいものがあって貴重。だが、ずっと通して聴くと、いくらか飽きがくるので、2本のフルートのようにいくらか目先の変わったものがあると、もうちょっと良かったのかも。しかし、ゴールウェイはいつもながら明るい音色を存分にふるまっている。