制作・出演 : ジョン・ディ・マルティーノ
NYを拠点に活動し、シンガーとしても頭角を現してきた女性ベース奏者のヴォーカルを全編にフィーチャーした作品。シンガーとしての意識が過剰でない分、大上段に構えず、サラリと歌い、逆に、だからこそ生まれる彼女ならではの佇まい、味わいが好ましい。
まず録音の素晴らしさに驚き、グループ名とは裏腹のダイナミックかつアグレッシヴな演奏に度肝を抜かれた。やはりお題がお題だからか? マルティーノのピアノも至極イマジネイティヴ。自身もファンだという村上春樹に捧げた「マジカル・ミステリー」もすんなり溶け込んでいる。★
ロリンズばりの太いトーンが特徴のベテラン・テナー、ボブ・キンドレッドがラテン・ボレロに挑む。だが、内容は真のジャズ・バラード集であり極めてブルージィな仕上がりとなっている。全編で澄んだよく通るテナーが印象的。むせび泣くような音色も良い。
81年生まれ、オーストリア出身の女性シンガーによる、2年半ぶり通算3枚目のアルバム。ニューヨークで活躍する名手たちの伴奏を得て、新旧のスタンダードをキュートに歌う。甘いヴォイスに都会的に洗練された歌唱、ジャズ・クラブの雰囲気を満喫できる一枚だ。
まさに大胆なアレンジ、そして迫力のサウンド。全曲が美しく、自然なジャズに十分楽しめた。お馴染みの楽曲がジャズっぽい気怠さに満ち、ブルージィ。少々骨太な処理は他のモーツァルト作品とは明らかに違う。偉大な作品に少しもおもねることのない気概を感じた。
『オペラ座』『シカゴ』『美女と野獣』など、ミュージカルに疎い人間でもなんとなく耳にしたことのあるようなナンバーばかりで、マルティーノのラテン風味のプレイとも相性がいい。考えてみれば、昔はミュージカルからジャズのスタンダードが生まれてたんだっけ。
ロマンティック・ジャズ・トリオの2ndアルバム。人気のスタンダードを中心に、日本人好みの哀愁漂うラテンの名曲など、ビター&スウィートなロマンティシズムをふりまく美しい演奏を聴かせてくれる。
12歳から歌手活動を行なっている、美貌の実力派シンガー、シモーネが21歳の時に吹き込んだ日本デビュー・アルバム。ドラムスのフィリップ・コップマイヤーは彼女の実弟で、若さに溢れる演奏を繰り広げている。