制作・出演 : スヴャトスラフ・リヒテル
20世紀クラシックの大御所リヒテルとクライバーが夢の共演を果たした1976年、ドイツ・ミュンヘンでの録音をHQCD化。あまり取り上げられることのないドヴォルザークのピアノ協奏曲に、新たな魅力を与えた白熱の名演だ。
スヴャトスラフ・リヒテルと旧ソ連の名門ボロディンSQとが組んだ、「ます」の名演のひとつ。リヒテルによる透明度が高く躍動感に富んだピアノに、ボロディンSQが絶妙に絡み、ほど良い緊張感を作り上げている。
巨匠リヒテルがアメリカ・デビューの翌年に録音したベートヴェン、シューマンの名作をHQCD化。緊密な構築力と、劇的なダイナミズムを駆使して描ききった幻想的な作品だ。
ロストロポーヴィチ30代半ば、リヒテル40代半ばの西側デビューして間もない頃の、名盤として名高い録音だ。第1回レコード・アカデミー賞受賞作で、豪快さと繊細さをあわせもった名演である。
リヒテル晩年の録音を収めた一枚。ベートーヴェンが追求してきた変奏曲、フーガ、ソナタからなる三位一体が、至純の抒情性のなかで昇華した後期の3つのソナタを、リヒテルが余すところなく表現している。
若きリヒテルの有名な2つの録音を収めたアルバム。旧西側にとって“幻のピアニスト”といわれていた頃の1959年録音のラフマニノフと、旧西側デビュー後のカラヤンとのチャイコフスキーをカップリング。どちらも衝撃度は強烈だった。
リヒテルの個性が遺憾なく発揮されたアルバム。抒情的でロマンティックなグリーグや、繊細なシューマンといった先入観を打ち砕くダイナミックで気迫に満ちた演奏を聴かせている。マタチッチも負けてはいない。
スタジオ録音が嫌いだったリヒテルが取り組んだ、例外的な全曲録音で、ピアノで演奏した「平均律」の金字塔的な録音。対位法の描き方、音色の微妙な変化など、リヒテルの卓越したテクニックと音楽性が堪能できる。
ピアノで弾かれた「平均律」の代表的なアルバム。オフマイク気味の響きの中から、峻厳(しゅんげん)なバッハが立ち上がってくる。リヒテルが円熟期に録音した最高の演奏のひとつとして、所持しておきたい一枚だ。
1974年に亡くなったオイストラフの、11年後に行なわれた西独での追悼コンサートのライヴ録音。ショスタコーヴィチはオイストラフに献呈された曲、ブラームスは得意としていた曲だ。名演揃いの歴史的なアルバムと言える。
円熟期のリヒテルの、イタリアはマントヴァでのライヴ録音。晩年に差しかかった頃の彼らしく、シューマンの珍しい曲を取り上げ、その美しさとロマンティシズムを余すところなく表出している。
リヒテルが初めて西側にその全貌を現してから2年、本格的に西側での活動を始めたころの録音。すでに巨匠としての名声を得ていた彼の、西の大物カラヤンとの白熱したチャイコフスキーが展開されている。
当時、西側での演奏が許されていなかったリヒテルは、ドイツ・グラモフォンがプラハまで行って録音したシューマンで高い評価を受けた。本作は、それに続く2度目の出張録音となったもので、彼の凄さが実感できる一枚だ。