制作・出演 : ダン・タイ・ソン
情熱のショパン情熱のショパン
ショパン没後150年だそうで、ロシア系(ダン・タイ・ソンはモスクワ音楽院出)ピアニストと日本人とが、ショパンの有名どころのタイトル付作品を演奏している。(7)はもちろん“大田胃酸”である。やっぱりダン・タイ・ソンとディーナ・ヨッフェがいいな。
ショパン:ポロネーズ全曲集ショパン:ポロネーズ全曲集
ダン・タイ・ソンの演奏は派手ではないし、今風でもない。あくまでも楽譜に忠実、かつ伝統的な演奏スタイルだ。彼のこだわりが細部のいろいろなところに聴こえていて面白い。“こだわり”といえばショパンのポロネーズへのこだわりも。
別れの曲/ショパン名曲集別れの曲/ショパン名曲集
ダン・タイ・ソンのこのディスクは62分46秒たっぷりとショパンが味わえる。落ち着いたテンポと確かなテクニックに支えられた非常に美しい音。オーソドックスな解釈の内にキラキラ光る才能が見える。鮮明な録音が見事である。
ドビュッシー・アルバムドビュッシー・アルバム
いわゆるショパン弾きとしてのイメージが強かったダン・タイ・ソンだが、今回のドビュッシーでは、彼の東洋人らしい繊細さや神秘的とも言えるトーンが、立体感を伴って独自の魅力を放っており、イマジネイティヴなドビュッシー像を作り上げている。
ショパン:ワルツ集ショパン:ワルツ集
音色の美しさや落ち着いた気品は、ダン・タイ・ソンの持ち味としてここでも功を奏している。さらには、1曲1曲がバラバラでなく、あたかも一気に録音されたかのような、全体としての自然な流れを有している。もちろん、個々に印象に残る場面もある。
ショパン:24の前奏曲 作品28ショパン:24の前奏曲 作品28
粒のそろった清らかな音質は彼の相変らずの魅力だが、op.28の前奏曲集で彼は、表情の陰影を気遣いつつも自然な流れを保ち、あまり疲れを感じさせずに24曲を一気に聴かせる。一方「舟歌」では、気負い立たずにじっくりと高揚していくくだりが印象に残る。