制作・出演 : ティル・フェルナー
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番・第5番≪皇帝≫ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番・第5番≪皇帝≫
東京でもベートーヴェンのソナタ全曲演奏チクルスを開いているフェルナーの、久々の協奏曲録音。4番の出だしの何気ないピアノ・ソロから引き込まれてしまう。伝統を感じさせながらも、この演奏は新しい。ナガノもオケも古楽スタイルを意識しながら、彼との息はぴったり。★
モーツァルト:ピアノ協奏曲第19番&25番モーツァルト:ピアノ協奏曲第19番&25番
ティル・フェルナーはウィーン生まれの26歳。超名曲をちょっと外して19番と25番というところが渋いが、柔和でエレガントな音はモーツァルトにぴったり。かなり計算しつくされた潔癖性が感じられるが、それで弾き振りしてるんだから大器は間違いなし。
シューマン:クライスレリアーナシューマン:クライスレリアーナ
新進ピアニストとしてはシューマンでの腕の冴えを聴かせたいのが人情だろうが、ここはリストの愛弟子の一人で24歳の若さで亡くなったロイプケのソナタへの意欲的な取り組みを評価したい。華やかさと荘重さを兼ね備えた、若さのパワー漲る迫力の演奏。
シューベルト:ピアノ・ソナタ第14番シューベルト:ピアノ・ソナタ第14番
フェルナーは20代半ばのウィーンのピアニスト。先回シューマンとロイプケを聴いたばかりだが、特に高音での輝かしい響き、リズムに対する感性の鋭さが印象に残る。「楽興の時」は適度な即興性を感じて面白く聴ける。「ソナタ」はメリハリがきいている。
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