制作・出演 : マリオ・ブルネロ
制作・出演
BPO / アレクサンダー・ロンクィヒ / イリヤ・グリンゴルツ / クラウディオ・アバド / シモン・ボリヴァル・ユース・オーケストラ・オブ・ヴェネズエラ / ベートーヴェン / マウリツィオ・ポリーニ / マリオ・ブルネロ鬼気迫ると言うか壮絶と言うか。いや、もはや悪魔的と言ってもいいかもしれぬが、ブルネロの圧倒的で強靭な表現力と技術には、ただただ感嘆する他はない。倍音を積極的に用いた現代作品ばかりを集めたこの一枚には、彼の類稀な能力が示されている。★
シューベルトは無論だが、夭逝したルクー(1870〜94)が18歳で書いた「チェロ・ソナタ」のカップリングが心憎い。滋味深く洗練された美しさを持つ旋律とフランク風の純器楽的な作りは比類なく、情感たっぷりに味わい尽くすブルネロのチェロが素晴らしい。★
「イタリア」の第1楽章におけるやや遅めのテンポ設定といい、第2楽章で低弦が奏で上げる悠々たる足どりといい、確かな主張を貫きつつ、歌心を湛えた演奏が展開されている。弾き振りのレスピーギでは、チェロ独奏の美しさと悠然とした歌い口が印象的だ。
60年生まれのブルネロは、重厚でロマンティックなブラームスのチェロ・ソナタから、フレッシュでのびやかな響きを引き出している。各楽章ごとに、譜面をしっかりと読み込んだ性格づけが行われているのもお見事。ルケシーニのクリアなタッチも聴きものだ。
映画、もしくはそれに関連する作品を集めたアルバム。それこそ手垢のつきまくっているバーバーやマーラーがこんなにも新鮮に聴こえる。ほかの作品でも集中力の非常に高い緻密な演奏を聴かせてくれる。ブルネロの指揮者としての実力をひしひしと感じさせてくれる。
来日公演でも個性的なソロを聴かせたチェロのブルネロが率いるダルキ・イタリアーナは、6-5-5-5-2と大きめの編成をとるイタリア・ヴェネト州に本拠を置くモダン楽器のアンサンブル。ヴィヴァルディから現代に至る広範な選曲で自在なアンサンブルを披露。
ブルネロのアンサンブルのお披露目盤。まさに登り調子の団体らしく自発性と躍動感にあふれた演奏だ。ブルネロがソロも兼ねた協奏曲では丁々発止としたやり取りが楽しく、内容の上で自重の負荷が高い「大フーガ」や、珍しい「騎士」の弦楽合奏版でも弾力を失わない。