制作・出演 : ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
世界中の歌劇場からオファーが来る、「コロラトゥーラの女王」として君臨するダムラウのR.シュトラウス歌曲集。かつて吉田秀和が無名時代の彼女のシュトラウス歌曲集を絶賛したが、本作はティーレマンの指揮でうたう。
これら2作から想起される豪壮華麗や圧巻白熱といった直情的イメージとは間合いを置き、発止と魅せる部分はそれはそれ、細部の響きに冷静に耳を働かせて背後に漂うリリシズムを掬い取って清新。独奏部分など協奏曲であることを忘れるほどシンと引き寄せられる。
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キングレコード株式会社90年以降デジタル録音されてきたミュンヘン・フィルとのライヴ。このオケらしい豊かな響きが圧巻。ブル8の壮大な響きと木管の細やかな扱い。すべての声部に意味が込められている。「未完成」もいい。愛おしくなるほどの名演。晩年のヴァントの凄さ!
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キングレコード株式会社93年5月、ミュンヘンにおけるライヴ。最初からシューベルトのあれこれを表現しようというのではなく、スコアに書かれていることを細大漏らさず徹底的に、しかし過不足なく音にすることにより、結果的にどんな音楽かを浮かび上がらせる。練達のワザ。
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キングレコード株式会社ヴァント&ミュンヘン・フィルの90年代のライヴ録音。ブラームスでは明晰で格調の高い演奏が展開される。第1楽章序奏は速めのテンポだが、後はしっかりとした足取り。第4楽章のテンポの変化が絶妙。ベートーヴェンも引き締まった演奏。品格を感じる。
ケンペがミュンヘン・フィルと完成させたベートーヴェン交響曲全集からの一枚。明確できりっと引き締まった第7番と、オーソドックスながらチャーミングでもある第8番をカップリング。堅実で自然体のケンペの指揮が味わえる。
制作・出演
ウルズラ・アンダース / ドナルド・マッキンタイア / ニコライ・ゲッダ / ハンス・ルドルフ・ツェベライ / ブリギッテ・ファスベンダー / ベートーヴェン / ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 / ミュンヘン・モテット合唱団 / ルドルフ・ケンペケンペがミュンヘン・フィルの音楽監督時代に録音したベートーヴェン交響曲全集。ケンペ晩年の金字塔として高い評価が与えられているもので、なかでも“第九”は堅牢で無駄のない演奏を展開した代表的な録音といえる。
1970年代前半に完成させたベートーヴェンの、交響曲全集からの1枚。ケンペはカリスマ性や派手さはないが、作品の実相をドイツ音楽の伝統に則って誠実に作り上げている。聴くほどに深みが増す演奏だ。
ミュンヘンpo.の音楽監督時代に完成させた、ケンペのベートーヴェン交響曲全集から第2番と第6番「田園」。地方歌劇場の練習指揮者から出発したキャリアからうかがえる、ドイツの伝統に深く根ざした演奏が特色。
作曲者の内面の相克を、構造的図式ではなく個々の響きの表情や姿カタチから細大漏らさず捕まえようという、実に直裁かつエモーショナルなショスタコである。時間軸上の脈絡が見えにくくなるキライはあるが、隅々まで音に感応するこのハイ・テンションは圧巻だ。