制作・出演 : ユージン・オーマンディ
制作・出演
ウェストミンスター合唱団 / ジョージ・ロンドン / フィラデルフィア管弦楽団 / モーリン・フォレスター / ユージン・オーマンディ / リチャード・タッカー / ルシーネ・アマラ / ヴェルディ軽快なドライヴ感が心地よい「オルガン」は、サン=サーンスの“旨味”を十分に引き出した名演。ほかに交響詩「死の舞踏」などを収録。いずれも60年代前半の録音が中心だが、今聴いてもゴージャスなフィラデルフィア・サウンドが楽しめる。
1,000円でオーマンディとフィラデルフィアの「ロマンティック」を楽しむ。考えようによっては、いや深く考えなくてもこれはお得だ。彼らはこの曲をこんな風に演奏していたんだ、と考えるだけでもよい。豪華絢爛なブルックナーだが、辻褄はあっている。
いわゆるオーマンディ・サウンドは、メロディアスな名曲にこそ効能が現れる。甘美なショパン(ダグラス編曲)、優雅なドリーブ、それぞれの旨味を熟知した歌いまわしで魅了する。よく鳴るオケも魅力のひとつ。オーマンディ絶頂期の名演といえる1枚だ。
メンデルスゾーンはスターン30代後半、ドヴォルザークは40代半ばの演奏で、あらためてその水準の高さに驚かされる。オーマンディのさりげない名人芸(無理のない緩急、間など)が流麗なソロを支え、こちらも興味が尽きない。究極のスタンダードと言える。
50年代後半から70年代前半にかけて、スターン(1920年生)壮年期の記録。ヴァイオリニストとしてはこの時期が頂点だった。やや脂っ気の多い艶やかな音色、安定した運弓、運指。安定感抜群のオーケストラ共々、誠にオーソドックスな名演。
オーマンディの演奏はことさら深刻でもないし思索的でもないけれど、だからといって底の浅い音楽ではない。音楽のあるべき響き方を求め続けた指揮者といえる。「英雄」の正当的な表現にそれがよく表われている。バーンスタインの「レオノーレ」も鮮烈。
オーマンディといえば、デザート専門みたいな扱いを受けているが、メイン・ディッシュだって凡百の指揮者の及ぶところではない。オケをあやつる腕は確かだし、決して悪どい味付けをしないところがミソ。スコアの改変には時代を感じるが、清朗な良さがある。