制作・出演 : リチャード・グード
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
グードは、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集で、その実力のほどを見せつけてくれたが、この協奏曲集も素晴らしい。がっちりとした構築力、磨き上げられた響きの美しさからくる純度の高い透明感、抒情的とも言えるロマンティシズムが特徴で、ベートーヴェンの古典性と先鋭的なロマンティシズムとを見事に表現している。当然、フィッシャーの古楽奏法を取り入れたオーケストラの響きとも関係していて、グードの特徴は、ソナタの時よりも一層明快に表われている。押しつけがましさはないのに惹きつけられる。★
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30、31&32番ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30、31&32番
最近やっとグードの名も知られるようになった。こんなにいいピアニストがずっと以前からいたんだということを証明してくれる1枚。美しい音色、ストレートなアプローチ。そこから湧きだしてくるのは、はからずもベートーヴェンのロマンティシズムだ。★
モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番&第9番<ジュノーム>モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番&第9番<ジュノーム>
グードとオルフェウス室内管によるモーツァルト/ピアノ協奏曲の録音は、遅いペースで進行しているが、今回の演奏を聴くと、納得ゆくまで十分に、作品と演奏を掘り下げて仕上げてゆくというグードの姿勢がうかがえる。慎重な作りと明快な響きが印象的。
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