制作・出演 : 今井美樹
歌手活動11年目を迎え再び旬の季節を迎えた今井美樹の、昨年行なわれた『PRIDE TOUR』からベスト的選曲で再現したライヴ盤。聖子ちゃんに劣らぬほどのアクの強さをもって見事に歌い上げる様に圧倒されるが、歌はあくまで“笑顔”、そこがいい。
前作『ラヴ・オブ・マイ・ライフ』に引き続いて布袋寅泰がプロデュースを手がけた、97年のアルバム。バルバドス〜ロンドンでレコーディングを行なうなど、巧みなサウンド・プロダクションで彼女の魅力を最大に引き出している。(3)のけだるい歌い方はちょっとびっくりしたけど。
本作は、94年12月1〜2日に東京NKホールで行なったコンサートの模様を収録したライヴ盤。基本的に前年リリースのアルバム「ア・プレイス・イン・ザ・サン」の曲を中心としながらも、デビュー以来彼女が熱愛しているナンバーを随所に折り込み、ベスト盤的なセレクトにしてる点が嬉しい。彼女の生の声も素敵ですね。
全体的に鬱蒼した雰囲気と、しっとりした味わいという、多少DEEPめの様相を呈した作品に仕上がっている。逆にマイナー系の作りが、今井美樹の持つか弱いキャラクターを生かす結果を導き出したようだ。彼女の表情がよく見えるファンには最高の1作。
それほど熱心なファンではない私にもおなじみの15曲を収めたベスト盤には、いつのまにか聴かされてしまう魅力が。数多い女性シンガーの中で彼女が現在も着実な活動を続けているのは、聴き手のキモチにスッと入り込むことのできる表現力にあるのでは。
89年にリリースされた、今井自身が選曲したベスト盤。ユーミンを聴いて育っただけに、なろうと思いつめずとも知らず知らずのうちにユーミンしてしまいがちな世代の極自然な生活と意見の反映。都会的というより、平均的オシャレ。写真満載カレンダー付。