音楽むすび | 制作・出演 : 冨田勲

一連のシンセサイザー・アルバムのなかで、最も映像的な要素の強いサウンド・メイキングがなされた逸品。フル・オーケストラを模したサウンドは、壮大なパノラマが眼前に広がるようだ。

冨田勲のスペース・サウンド・シリーズ最後のオリジナル・アルバム。宇宙科学研究所で収録した宇宙からのパルス信号と、クラシックの名曲とを融合させ、彼ならではの宇宙ロマンを展開している。

中高年層を集めて異例のロングランヒットした作品だけに、発売予定のなかったサントラがついに発売された。巨匠・冨田勲が担当した音楽は、メロディがググっと心の中に入り込んでくる感じだ。わずか17分足らずの音楽だが、不思議と堪能した気分にさせる。

ナスカといえば例のペルーの巨大な地上絵のあそこである。そんなわけで今回はペルーの笛ケーナも入って、鼓童としては珍しくシンセサイザーの冨田と組んで、宇宙との交歓を試みている。ナスカの絵ほどではないが、広々とした空間が感じとれるだろう。

個人的に冨田勲の音楽が好きということもあって、贔屓めに聴いてしまったのがかえっていけなかったようだ。有名なもの、そうではないがなかなかいい曲など、バラエティに富んだ選曲はうれしいが、演奏がその水準に達していないのが非常に残念。