制作・出演 : 古澤巌
曲ごとのタイトルからも想像できるように、クラシックの名旋律をかなり大胆にアレンジ使用しているポップ・アルバム。なかでも「Come On! Bach!」は、原曲(トッカータとフーガ)からの逸脱感が楽しいトラック。「Fine Day!」は、早起き派には(きっと)おなじみ、『やじうまプラス』テーマ曲だ。
音色やポルタメントを個性的に用いて、小品の持つ豊かで味わい深い世界を引き出し展開するのはこのヴァイオリニストのすぐれた才能のひとつ。さらに全編にわたって圧倒的な存在感を示しているピアノとの即興的な魅力も加わっており、フランクはまさにその醍醐味。
個性的な二人のことだから、さぞや奇抜なブラームスになるだろうと思いきや、一見、意外とオーソドックス。しかし遅めのテンポでたっぷりと歌いながらもロマン派的な興奮を排除しているため、不思議なスタティックさが支配する。やはり一筋縄ではいかない妙演だ。
彼独自の活動を続ける古澤巌のバンド、つまりカルテット「タイフーン」。彼らのクラシックの枠を超えた演奏は話題になり、人気を得ていたが、99年残念ながら解散。その記念すべきベスト盤。メンバー一人一人がフューチャーされた曲目、どれもが美しい。
古澤巌率いる“タイフーン”の演奏を聴くと、ピアノ四重奏という形態の果てしない可能性を感じる。ルーマニア民謡から、ショーソンやフォーレのピアノ四重奏曲、そして、メンバーのオリジナル曲まで、どれもが違和感なく楽しめる。
古澤巌と仲間たちの2年ぶりのアルバム。オリジナル曲や民族音楽、そしてお決まり(?!)の「ひばり」の新ヴァージョンなど、彼らの感性は実に多彩な作品を捉え、それらをしゃれた味付けで楽しませる。他のアーティストには真似できないような独自性が光る1枚。
世界の第一線で多彩な活動を繰り広げている友人たちを迎えての新録音。ロンドン郊外の教会で録音されたというこのアルバムは響きも自然でのびやか。心休まる優しい曲やジプシー音楽のような激しい曲などを取り混ぜた選曲もよく、いうことなしの素敵なアルバム。
第4弾。今回はバンド編曲ものを入れてちょっと違った色合いを。今回も実にうまくサロンの雰囲気を出しており、老若男女が文句なしに楽しめる。こういった味わいを出せる人は案外いないものである。古沢はもっともっと高く評価されるべきである。
若手のホープ、古澤巌のセカンド・アルバム。甘ったるい感傷に流されず、けれど自分のロマンティシズムを表現しようという意欲が頼もしい。どの曲も練られていて、しかものびやかに弾かれているが、少々粗さを感じるのは若さのゆえか。