制作・出演 : 小林研一郎
ベートーヴェン:交響曲 第9番 「合唱付」ベートーヴェン:交響曲 第9番 「合唱付」
指揮者に理性派と情緒派があるなら、コバケンは間違いなく後者だが、その一方で彼にはシャイな側面があって、それが過度な没入や暴走を食い止める。2005年のライヴは、情と理が高次元でバランスした名演。コバケン自身にとっても最高の瞬間だった。
チャイコフスキー:交響曲第5番、「くるみ割り人形」組曲チャイコフスキー:交響曲第5番、「くるみ割り人形」組曲
コバケンの十八番。もう5枚目の録音になる。しかし、どの演奏もそれぞれに思い入れがあって優劣つけがたい。演奏という行為が一期一会の芸術だということがよくわかる。オランダの名門との演奏は、熱気と理性のバランスがとれた豊穣な表現が見事だ。
ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調
コバケン初のブルックナーは、デュナーミクの幅が広く、内声やリズム処理に丁寧な目配りがなされた演奏。また、輝かしい部分は徹底して輝かしく鳴らす解放感(チェコpoの金管セクションがパワー全開)や、美しさへの喜びを謳歌するのはいかにもこの指揮者らしい。
マーラー:交響曲第7番マーラー:交響曲第7番
マーラーの音楽が持っているスケールの大きさが余すところなく引き出された作品。小林研一郎の熱っぽい指揮は絶賛に値する。チェコ・フィルの見事な演奏が、聴き手を魅了するに違いない。