制作・出演 : 木村かをり
最高の音で楽しむために!
4作はそれぞれ別公演(一柳はリハ?)からのもの。岩城お得意のジャンルというだけでなく、充実したソリスト陣やOEKの高い合奏能力も加わってどれも緻密な仕上がりとなっている。武満らの濃密な世界は細やかに描き分けられ、メシアンでは胸がすくようなドライヴ感も。
「イカの哲学」はOEKの委嘱作で、早逝の哲学者・波多野一郎の唯一の著作『烏賊の哲学』を基にした語り付きの協奏曲(台本:中沢新一)。ベートーヴェンは、すっきりとしたオーソドックスな佳演だが、ミッチーらしいサービス精神や、意表を突くアイディアを求めたい気も……。
3曲ともOEKの委嘱作品。2007年尾高賞受賞作である新実作品は緻密に書き込まれた秀作。最後に鎮魂の意味でバッハが引用される。映画やドラマの音楽で知られる渡辺の作品はドラムを中心とした楽しい曲。フランスのブトリーの“浦島”も面白い。
発売元
キングレコード株式会社管弦楽曲は岩城28歳での録音で、(1)(5)はN響の正式名での初録音。ライナーの長田暁二氏の文章は当時の奮闘ぶりを詳細に記し、我が国のクラシック音楽録音史において、岩城がいかに大きな足跡を残したかを再認識させる。若々しい情熱にあふれた貴重な記録。★
発売元
キングレコード株式会社没後10周年の記念として発売された全5巻CD10枚におよぶ室内楽全集。武満と親交の深かった演奏家によって、2002年から2004年に行なわれた演奏会の模様を収録。精密で資料的価値の高いブックレット付き。
制作・出演
オーケストラ・アンサンブル金沢 / オーケストラ・アンサンブル金沢エンジェル・コーラス / オーケストラ・アンサンブル金沢合唱団 / 三善晃 / 佐々木正利 / 吉行和子 / 岩城宏之 / 木村かをり / 谷川俊太郎谷川俊太郎の詩に触発された2作。ことばの一語一語に濃密に音で交わる三善の重さに対し、映像のための音楽のようにことばの情景を音でリアライズする武満の軽さが想いに柔らかい。室内オケに縮小された響きと少女を演じる吉行の語りが実にインティメイトだ。
初CD化。75年にフランスACCディスク大賞受賞。メシアンだったらやっぱりこの人たちだろうなという、当時としては最高のメンバーによるメシアン。オケがちょっと杓子定規だが、リズムも音色もまずはシャープでなかなかの演奏。録音も日本的優秀録音。