制作・出演 : 河原忠之
チャイコフスキー:歌曲集 2チャイコフスキー:歌曲集 2
佐藤美枝子が世界に飛躍するきっかけは98年のチャイコフスキー国際音楽コンクール優勝だった。くすんだ音色を持つ佐藤の声は、この作曲家のほの暗い叙情を表現するのにもってこいである。聴く者を惹きつける強い集中力を持った歌唱として高く評価したい。
日野原重明音楽プロデュース<日野原重明音楽作品集>日野原重明音楽プロデュース<日野原重明音楽作品集>
シリーズ第5作。前作での朗読とピアノ作品披露に続き、本作では、本格的な合唱曲や歌曲を収録している。唱歌風のたたずまいを持つ歌詞、そこに自然に寄り添う旋律が耳に優しい。「埴生の宿」に自作詞をのせた「この世の旅路を終えて」(無伴奏合唱譜付き)など、広く歌われるべき内容と思う。
千の風になって千の風になって
澄んだソプラノで歌われる「千の風になって」。新井満の訳詞と作曲でブレイクした歌が装いも新たに心を打つ。コロラトゥーラの高音が大空に舞い上がり死者の霊と爽やかに語り合うようだ。日本歌曲は2001年の録音。真摯な歌唱は今も鮮烈で聴きごたえ十分である。
赤と黒赤と黒
宮本亜門演出のモーツァルトで人気を博し、今や日本屈指のメゾとなった林美智子。最近の舞台ではおとなの魅力を発揮するようになったとはいえ、まだ妖艶なデリラより清廉な憧れに満ちたミニョンが似合う。一人二役を歌う「フィガロ」や「ホフマン」が楽しい。
チャイコフスキー:歌曲集チャイコフスキー:歌曲集
98年のチャイコフスキー国際音楽コンクールの優勝者であるソプラノの佐藤美枝子が、満を持して録音したチャイコフスキー歌曲集。深みを増した声に、大きな成長と自信が感じられる。チャイコフスキーのロマンティックな旋律を満喫できる。
君と旅立とう〜ベスト・オブ・錦織 健君と旅立とう〜ベスト・オブ・錦織 健
デビュー20周年を機に、自ら選曲したベスト。16年にわたる録音からのセレクション傾向は、彼が一貫して抒情的な表現を重要視していることを伺わせる。近年の自信あふれる歌唱はもちろん、初期の日本歌曲における繊細な歌の瑞々しさに強く魅せられるだろう。