制作・出演 : 遠山哲朗
日本を代表する世界的アーティストの名盤がごっそり集結! まさに究極! 邦人演奏家・オーケストラを主体とした“ベスト100”シリーズ。本作は、竹本泰蔵指揮、奥村愛(ヴァイオリン)、 加古隆(ピアノ)、オーケストラ・アンサンブル金沢の演奏による、加古隆の「ポエジー」他を収録したアルバム(2006年、2007年録音)。 <収録内容> 01. ポエジー 02. リバーダンス キャスリーン伯爵夫人/妖精の女たち 03. リバーダンス 太陽を巡るリール 04. シェトランド・エア 05. バンジョーとフィドル 06. ヴァイオリン協奏曲第1番 第2楽章 07. ガブリエルのオーボエ 08. タンティ・アンニ・プリマ 09. 明日への遺言 10. 黄昏のワルツ 11. 愛のあいさつ <ボーナス・トラック>
聴きやすい内容ながら、決して甘口ではない。元クライズラー&カンパニーの竹下欣伸は、生音が重なる効果を良く知った好アレンジを今回も提供。アコースティック&近接感を強調した仕上がりからも、制作者たちの矜持が伝わる。広くない空間で、がっちり浸りたい音だ。★
加古隆と奥村愛による「黄昏のワルツ」は美しい。ケルトの雰囲気たっぷりのフィドルの旋律では、奥村はじつに洗練された音楽を奏でる。SA-CDマルチで再生すれば、響きに包み込まれるような癒しの空間が現れる。いつまで聴いていても飽きない優秀録音だ。
曲ごとのタイトルからも想像できるように、クラシックの名旋律をかなり大胆にアレンジ使用しているポップ・アルバム。なかでも「Come On! Bach!」は、原曲(トッカータとフーガ)からの逸脱感が楽しいトラック。「Fine Day!」は、早起き派には(きっと)おなじみ、『やじうまプラス』テーマ曲だ。
デビュー9年目になるとか。クロスオーヴァー・ミュージシャンとしての地位を確立し、やるべきことが定まったようだ。テクニシャンではないけど、音楽の勘所は押さえていて、線は細いが伸びやかなヴァイオリンを弾く。気持ちよく聴けるアルバムに仕上がった。