制作・出演 : 高橋悠治
別れのために別れのために
ロッシーニ晩年の過去の栄光を追慕する老人の儚い夢、羅の複雑なミニマリズム、現実の別れともオーバーラップしてしまった「別れのために」、武満の追悼としての意味深長なタイトルとなった「閉じた眼」、そして秋山邦晴への追悼のサティ。佳曲ばかりだ。
ピアノピアノ
高橋悠冶は相変わらず“やり方”の面白さを見せ続けるが、これはピアノ一台。大きな物語とは無縁に見える妙に個人的に書かれたように聴こえる曲を妙に個人的に選び、独特の妙な演奏で聴かせる。ほめるかけなすか信じるか疑うか語るか黙るか。あなたは?
一柳慧〜1960’s&1990’s一柳慧〜1960’s&1990’s
一柳は時を見るに敏な作曲家である。時代の空気を巧みに捕まえたスタイルで曲を書く。それが聴く者にどこか颯爽と鮮やかな現代性を感じさせる。60年代は尖鋭な実験と問題提起の時代だった。90年代はどうやら保守回帰と“物語”の時代。その音妙に苦い。