制作・出演 : thepillows
激しく繊細なギターサウンドと、ポップでやさしいメロディ。すでにベテランの域に入った最強のロック・トリオだが、老獪さなど彼らには一生涯無関係なのだろう。そもそも勢いだけで勝負するバンドではないが、勢いだけでも勝負できる瑞々しさがある。
2枚組のBサイド集。隠れた名曲の少なくないピロウズだけに、これはうれしいリリースだ。内なるエモーションとナイーヴさが協調とせめぎ合いをくり返すことで生まれる、ポジティヴでリアルな“オルタナ”・ロック。赤裸々にトラウマを叫べばいいってもんじゃないだろ?
(1)はゆったり進んで少しずつ高まり、各パートの絡み合いが面白い。(2)はレゲエのリズムを取り入れた曲だ。まったりしているようで、何気に勇気づける歌も面白い。ジャケットの紙質、味があって良し。2曲入り800円という体裁、シングルらしくて良し。★
ザ・ピロウズ初のベスト・アルバム。キング移籍後のシングル曲を中心とした構成で、ここ7年間の活動の集大成ともいえるコンテンツだ。ベスト盤ながら、最新シングル曲も1曲含む。
エヴァンゲリオンでお馴染みのGAINAXが制作するOVA『フリクリ』のテーマ曲。結成10年を迎えてますますパワー・アップを続ける彼らの音楽性の向上が見事に実を結んだ1枚だ。
まずは相変わらずポップと呼ぶにはあまりに不愛想な歌声が素晴らしい。決まりきった話だが、99年の新作もとびきり素敵な作品となった。“たった一人/キミは僕の味方”というフレーズを一切の嘘臭さなしに響かせる、曇りのないソウルがここに。★
傑作でしょう、またしても。これで3枚連続して傑作なんだから、今がピロウズの旬であることは間違いない。スタイリッシュかつ泣けるメロディと、豪快から繊細までを完璧に表現するギター・サウンド。ロック好きなら、聴くのは義務です。★
キングでの4作目となるアルバムは、前作同様、吉田仁のプロデュース。で、これがめっぽうステキなパワー・ポップ・アルバムに仕上がっている。ネオアコ系としてスタートし、線の細いイメージのあったバンドが到達した、ひとつのピークを収めた作品だ。
乱暴に言っちゃえば、ブリティッシュ系R&Rのあの匂いをぷんぷんさせたギター・サウンドに、甘いラヴ・ソングを書かせたらこの世代No.1の山中さわおワールドを乗せたら、こんな最高傑作が完成。この1枚で彼らは我が道を極めたカンがある。必聴!!
正統的なUKサウンドをベースに、アルバム前半の甘くせつないラヴ・ソング、初のインスト曲、クールでスタイリッシュなサウンドと内省的な歌詞のアンバランスが印象的な後半という展開。ソング=ライター、山中さわお(vo&g)の才覚が際立っている。