ジャンル : ジャズ > フュージョン
93年、原爆資料館で悲劇の実態を知り、詩「白い道」と出会ったマルが、唯一の手段である“音”で“平和への祈り”を表現した異色の傑作。人類が忘れてはいけないテーマに、マルが音で残したメッセージは重く、深く、そして聴く者の心を揺さぶる。★
射殺される直前までリー・モーガンと共演、近年はエリック・アレキサンダーの師匠としても知られるメイバーン。このアルバムではノラ・ジョーンズの大ヒットで知られる表題曲をはじめ、バラエティに富んだ選曲で普段通りのエネルギッシュな演奏を披露している。
ラテン・フュージョンの雄、松岡直也が81年に吹き込んだアルバム。本作は彼にとっては初のサントラ盤であるが、それぞれの曲にはラテン音楽のエキスがいっぱいちりばめられている。当時の時代の空気を感じるベース・ラインは今聴くと懐かしい。BGMとしても使える。
オリコン・チャート第2位にランクインした82年の大ヒット・アルバム。ベスト・セレクション的な内容で、タイトル曲以外はそれまでに発表していたナンバーだ。作編曲はすべて松岡。インストゥルメンタル・アルバムがこれほどヒットするのはとても珍しい。
日本のラテン・ジャズ・フュージョンの第一人者が83年にリリースした初の2枚組ライヴ・アルバム。最高レベルのミュージシャンで構成されるバンドは、都会的な洗練をフィルターにラテンの魅力を描き出す。スケールの大きなカラフルなサウンドは圧巻。
イタリア人トリオによるアントニオ・カルロス・ジョビン曲集。といっても「イパネマの娘」も「デサフィナード」もやってなくて、選曲は渋めというか相当マニアック。ボサ・ノヴァ名曲集というより、ジョビンの曲を素材にしたジャジィなピアノ・トリオといった感じ。
岐阜のスタジオFでのライヴ録音盤。静かで深く激しく軽く、精神的な即興性を重視したドラムとのデュオが続く。意欲的なパフォーマンスに取り組んだマルは、この時70歳。雷鳴や風の中で生き生きと枝を震わせる木々を連想させる自然な旋律が新鮮で印象的である。