ジャンル : ジャズ > フュージョン
85年に特別編成されたレイとハンクの双頭コンボ東京ライヴ。両者が組めば黙っていても安定した音が聴こえてきそうだが、これは予想以上の出来で、熟成した果実がたわわに実った収穫祭の雰囲気。シルバーの名曲(8)など選曲にも意外性があり、秘蔵の名ワインの香りが漂う。
トリオ・シリーズの第4作目。ポピュラー曲をジャズ・アレンジする敏腕ぶりは相変わらずだが、可笑しいことにゲストのバートンがソロになると、新鮮で甘い調べに誘発されたようにバックがやたらと元気がよくなるので、マシューズが苦笑しているように聴けた。
“復活”を遂げつつあったマッコイの91年6月録音のトリオによるライヴ。(1)を聴いただけでこの日の調子が窺いしれるホットな演奏。エイヴリー・シャープをリズム・キープに“置き去りにした”、マッコイとスコットの二人の疾走感は暴力的で、爆発的だ。凄い!
元PSY・Sのシンガーが自身の音楽的ルーツであるジャズに取り組んだ2002年作。速いテンポで小気味いいスキャットを聴かせる(5)、どこか人懐っこさのある(6)、旋律の美しさを慈しむように歌う(10)など、多彩な表現で力量を発揮する。温かみのある声質も魅力。
ボサ・ノヴァの(3)からシャンソンの(10)まで、タイトル通りに超有名曲を歌った2002年作品でマーティン・テイラーのギターもフィーチャー。しっとりと深い情感を漂わせる(15)のバラード表現では声質の魅力を存分に発揮。原曲のメロディを微妙に崩す(7)も味がある。
洒落たサウンドでジャズを聴いてみたい向きに格好の一枚。ピアノ&ベースに3本のチェロを組み合わせたサウンドは、穏やかな響きの中に心地よいグルーヴを感じさせる。ジャズを判っているひとなら思わずこの演奏にニヤリとさせられること請け合いだ。
NY在住にして30歳の日本人ピアニスト、百々(どど)の本格的な本邦デビュー作品。リリカルな中にハイ・テンションな輝きを見せる骨のある演奏から、NYを生き抜く百々の意気込みが伝わる。流れるようなフレージングと美しい音色は人気を集めそうだ。★
ルイスのピアノ・ソロが6曲に、ジョーンズと組んだデュオが3曲という構成。どちらも瀟洒なタッチに魅力を発揮するタイプだけあって、ライヴ・レコーディングながら寛いだ味わいに満ちている。スタンダードとルイスの代表的な曲目を演奏した構成もいい。